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服部克久さん訃報で『あいつと私』などを思い出す [懐かし映画・ドラマ]

服部克久さん訃報で『あいつと私』などを思い出す

服部克久さん(1936年11月1日~2020年6月11日)の訃報でもちきりです。歌謡曲、テレビドラマ、映画、アニメ、CM、校歌の作曲や編曲、そしてコンサートなどで幅広く活躍しました。今回はその中から映画『あいつと私』(1976年、東宝)を振り返ってみます。




服部克久とは誰だ


服部克久さんは、作曲家・服部良一さんの長男。

パリ国立高等音楽院へ留学し、帰国後はテレビ放送の創成期より活動を始めています。

たとえば、小林旭の『砂の少女/夜霧の鐘』(1979年)、三好鉄生の『すごい男の唄』(1987年)、八代亜紀の『花束~ブーケ~』(1989年)などの作曲ほか、編曲では子供の頃を思い出す『サンダーバード』(1966年)のオープニングテーマ曲、ザ・ピーナッツ『ローマの雨』、ハイ・ファイ・セットの『卒業写真』、柏原芳恵『春なのに』、谷村新司『昴』、西城秀樹『サンタマリアの祈り』、小泉今日子『快盗ルビイ』など一曲一曲挙げたらキリがありません。


アニメでは、『トム・ソーヤーの冒険』(1980年)


家なき子レミ(1996年)も手掛けています。


映画では、いわゆる青春時代を描いた作品の音楽を多く手がけられています。

その中のひとつが、三浦友和主演の『あいつと私』です。

あいつと私



『あいつと私』は、『若い人』をご紹介したことがある石坂洋次郎原作の青春小説で、何度か映画・テレビドラマ化されています。

1961年は、石原裕次郎と芦川いづみによる日活映画、1963年には三上真一郎と小桜純子によるテレビドラマ、1967年は、松原智恵子と川口恒のテレビ映画。

以前、松原智恵子版『あいつと私』がCSのチャンネルnecoで放送されたとき、このブログでご紹介したことがあります。


そして1986年には、中山美穂と松村雄基でドラマ化されました。


今回は、三浦友和版の映画(1976年、東宝)をご紹介します。

あらすじ



大学のキャンパスライフは、男女が交流する場でもあります。

“私だけのあいつ”を見つけて、はやくも学生結婚したり、一方“あいつ”と心に決めていた相手に裏切られ、学校を去って行った学生運動の女闘士などもいます。

3年生の浅田けい子(檀ふみ)は、サラリーマンの父親で5人姉妹という、にぎやかですが普通の家庭の娘さん。

意識している“あいつ”は、ちょっと自分と雰囲気が違う同じゼミの一寸生意気な口を聞いた三郎(三浦友和)でした。

その三郎の家は、けだしちょっと変わっていました。

母親(高峰三枝子)は有名な美容師ですが、夫(有島一郎)も認めるボーイフレンドがたくさんいて、一週間交代で若い男を自分のベッドに連れ込んでいます。

三郎の誕生日。檀ふみ、三浦友和、有島一郎、高峰三枝子、その弟子の倍賞美津子、ボーイフレンドの芦田伸介が集まります。

そこで、芦田伸介がアメリカのホテルの経営の後継ぎとして、三郎を連れ帰りたいと言い出します。

実は、三郎は高峰三枝子が芦田伸介との間に作った子でした。

それは、三郎だけでなく、夫の有島一郎もさすがに驚きます。

それだけでなく、三郎には“性の玩具”(倍賞美津子)まであてがわれていると知り、けい子は大変ショックをウケます。

しかし、彼らは結局また普段どおりの生活が始まり、檀ふみが三浦友和を好きという気持ちはかわりませんでした。

それぞれがそれぞれの良しとした道を進むという結末です。



三浦友和が一本立ちした作品


作品としては、ちょっぴり影のある石原裕次郎が、やっぱりいちばん似合ってる役だと思います。

ただ、三浦友和としては、やっとモモトモという山口百恵のパートナーから“独立”したという意味で、大変思い出深い作品だったろうと思います。

1974年以来、東宝では山口百恵が引退するまで、彼女主演の文芸映画を定期的に撮っており、その相手役は三浦友和でした。

それが、このときだけ、2本立ての作品それぞれにわかれ、山口百恵は南條豊と『エデンの海』という作品に出演し、三浦友和は映画初主演作品として檀ふみを相手に出演しました。

一方の檀ふみは、年齢的(22歳)にも大学生役がぴったりでした。

当時、放送されていた、シロウトの参加者男女がお見合いをする『パンチDEデート』では、男性参加者が「理想の女性を芸能人でいえば?」という質問に、もっとも多い回答だったのが「檀ふみ」だったと思います。

正直、当時はその気持ちがわからなかったのですが、おとなになると、だんだんわかってきました(笑)ので、今回は本作を振り返りました。

服部克久さんで印象深い作品はありますか。

服部克久さんの生前のご遺徳をお偲び申し上げます。








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コメント 9

ヨッシーパパ

花の中三トリオでは、桜田淳子さんが好きでした。
by ヨッシーパパ (2020-06-12 17:51) 

十円木馬

服部克久と言えば、小林亜星との著作権問題が記憶に
残っています。最終的には服部先生が敗訴したかと
思いますが、それにしても作曲家としての偉大な功績は
決して色褪せることはありません。
by 十円木馬 (2020-06-12 17:51) 

pn

ブーケいいよブーケ、八代亜紀の歌では一番好き(^^♪
by pn (2020-06-12 20:28) 

mau

怪盗ルビィかな
by mau (2020-06-12 21:46) 

ゆうのすけ

昭和がさらに遠くなります。。。
あまり作品というと良く思い出せないんですが
シングル盤を買ったときクレジットを見て 服部克久さんがアレンジされたのかとちょっと違和感(歌謡曲も編曲されるんだ!/クラシックなイメージしか持っていなかったので!)を感じたんですね。「春なのに」柏原芳恵。でも聴きこむたびにとてもドラマティックな感じになって行きましたね。高校1年の早春でした。☆彡
by ゆうのすけ (2020-06-12 23:49) 

ナベちはる

谷村新司さんの「昴」は分かりましたが、それ以外はサッパリ分かりませんでした…
by ナベちはる (2020-06-13 01:37) 

犬眉母

若い人も対象としていたのは、それだけ多様な世代の方と
交流してトレンドを掴んでいらっしゃったのでしょうね。
by 犬眉母 (2020-06-13 03:27) 

ヤマカゼ

サンダーバードのオープニングは強烈で今も忘れません。
by ヤマカゼ (2020-06-13 05:58) 

なかちゃん

服部克久さん、たくさんの曲を作っておられるのは存じていましたが、サンダーバードは知りませんでした。
偉大な方の訃報に、合掌です。

by なかちゃん (2020-06-13 12:00) 

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