松原智恵子の『あいつと私』で思い出す「もりそばの『借り』」 [懐かし映画・ドラマ]
松原智恵子主演のドラマ、『あいつと私』(1967年)がCSのチャンネルNECOで28日から始まります。制作は日活。同社が石原裕次郎、芦川いづみ主演で映画化した作品を、川口恒と松原智恵子で18話のドラマとしてリメイクしました。
リメイクと書きましたが、私がかつて再放送で見た印象では、映画とドラマではまるで違う作品のようです。
原作は石坂洋次郎なのですが、石原裕次郎の映画の方は、『若い人』に見られるような、悲劇と若さが内在した青春群像劇。いかにも日活っぽいあんちゃんと姉ちゃんの話です。
あらすじ
一方、ドラマの方は、石立鉄男シリーズでお馴染みの松木ひろし氏が脚本を手がけているだけあって、『フルーツポンチ3対3』や『雑居時代』のノリですね。
大家族の娘と孤独な男で、好きだけど好きと言わない意地っ張りカップルの話(笑)
松木ひろしさんは、だいたいパターンが決まっていて、キーワードは
大家族、出生に秘密あり、素直に好きと言わないカップル
『気になる嫁さん』『パパと呼ばないで』『水もれ甲介』『池中玄太80キロ』『明石貫平35才』『S.Hは恋のイニシャル』『俺はご先祖さま』……みんなそのいずれかのキーワードでストーリーを語れます。
で、それらの要素が全部入っているのが、今回の『あいつと私』です。
モノクロですけど、古き良き昭和の青春ラブコメディとはこういうものなのか、というのがよくわかる作品だと思います。
何より、主演の松原智恵子がいいです。
チャンネルnecoより
私は子供の頃、松原智恵子を「なんてきれいな人だろう」と思いました。
松原智恵子については、結婚後の私生活を明らかにせず、wikiにも一切書かれていません。
いつぞや旅番組に出た時、前田吟に「ご主人は、旅行関係の本の仕事をされている方とか……」なんて言わせていましたが、
ジャーナリスト・黒木純一郎氏と結婚したのは、当時の週刊誌にさんざん書かれていました。
黒木純一郎氏は、母校の大学名を社名につけた編集プロダクションの代表でしたが、
その頃、私は少しだけ黒木純一郎氏と接点があります。
もりそばの「借り」
同社は、『○○の歩き方』でお馴染みの旅行関連書籍や、写真雑誌の委託編集などをされていましたが、その旅行関連書籍執筆の依頼を、黒木純一郎氏から直接うけたことがありました。
事務所に行くと、私のために、もりそばを2枚頼んでおいてくれ、いきなり「食べろ食べろ」と勧めるのです。
それで、食べている私に、旅行誌の仕事がいかに素晴らしいかを話すのですが、私は旅行ライターではないし、一冊の本を作るために1~2ヶ月は日本を留守にしますから、そうした生活が合わない人や今の生活に調整をつけられない人には無理なんですね。
あとで知ったのですが、黒木純一郎氏と松原智恵子の夫妻は100日かけて、サハラ砂漠やアルジェリアなど北アフリカ横断の新婚旅行をされたそうですが、私は熱海一泊で十分なつまらない人間なので、黒木純一郎さんとはどだいスケールが違ったのです。
結局、私は知り合いにその仕事を紹介して、自分は請けなかったのですが、たしかに黒木純一郎氏、楽しそうな人だなと思いました。
ただ、私としてはなんかもりそばタダ食いしたみたいで、松原智恵子という名前を聞くと、そのことを思い出します。
気になる方、28日は『あいつと私』をご覧ください。
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