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がんになるのはやっぱり運、という話 [健康]

がんになるのはやっぱり運、という話

がんは生活習慣病といわれていますが、実は運によるところが大きい、というのは今や医学界でも当たり前のように語られるようになりました。その関連で、興味深いコラムを読んだので、ご紹介します。



2015年に、米科学誌サイエンス(Science)という権威ある雑誌において、がんは、家族歴や環境的要因ではなく、細胞分裂時に起きるランダムな変異の「不運」に見舞われることによって発生する場合が多くを占めるとの研究論文が発表され話題になりました。


これについて、「運」という言葉を嫌う一部の人が、ああでもない、こうでもない、と反論していますが、しかし、もし「運」(偶然)の要素がまったくないと言い切るのなら、日頃の健康的な生活によってがんを完璧に抑えても良いはずです。

この食べ物を食べると、この健康法を行うと、がんにかかる率が減る、という疫学調査はいくらでもありますが、あくまでも「減る」だけで、「ゼロ」にはなりません。

また、飲酒禁煙をしてもがんにならない人、逆に飲酒禁煙をしなくてもがんになる人もいます。

つまり、健康に良いということをしてもしなくても、なるときもならないときもある、ということです。

それはすなわち、がんになるのは、すべてではなくても、「運(偶然)」の要素を否定できないことにほかなりません。

このことに関連として、興味深いコラムを拝見したので、今日はそれをシェアします。

野菜不足もストレスもがんの主要原因ではなかった!?


ご紹介したいのは、「野菜不足で「がんになる人」ほとんどいない真実 加えてストレスでがんになる人もほとんどいない」という記事です。


野菜を食べないのは健康上よくない、ストレスは万病の元、なんて言われていますから、このタイトルは意外でした。

勝又範之さん(日本医科大学教授)の、『あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本』(KADOKAWA)という書籍からの抜粋記事だそうです。

要点を箇条書します。

・余命宣告は3分の1程度しか当たらない(できれば医師による余命宣告は即刻やめてほしいと勝又さんは思っているそうです。)
・がんの最大要因の6割は、偶発的な要因による遺伝子の突然変異⇒生活習慣が悪かったからとか、がん家系だからというのは誤解⇒要するに「運」
・残るがんの原因の3割のうちで、大きなものは感染と喫煙。たとえば胃がんは、ほぼピロリ菌。文中には出てこないが子宮頸がんや胃の悪性リンパ腫なども感染が原因。
・喫煙は15.2%で飲酒は6.2%。つまり感染は20%程度
・遺伝的要因で起こるがんは、発生確率としては少ない
・がんになったのは、決してその人の生き方が悪かったからではない

私は「生活習慣病」という言葉をやめてほしいと思っています。もし、生活習慣について言うなら、「一部の生活習慣が原因となって発症する確率が高まるがんもある」というのが正しい表現です。

という内容です。

それほど長くないので、関心のある方は、上掲のOGPをクリックして記事を直接お読みください。

「運」という「偶然」は認めることが正しい認識の始まり


以前、このブログで、冒頭の「サイエンス」の記事を紹介したところ、医師でも医学者でもないのに、「『運』などという非科学的な言い方はよくない。自分は運など信じない」などと、気色ばんだ意見が有りました。

「運」などというものを信じているから、根拠のない霊感商法に騙されてしまうというのです。

さて、そうでしょうかね。

その人は、「霊感商法に騙されないように」といいますが、「運」を認めない、つまりこの世の中に「偶然」の要因を認めない、という考え方のほうが、よほど不自然な考え方だと私は思います。

以前、元フジのアナウンサーだった人が、「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま56せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」というブログ記事をアップして炎上したことがあります。覚えていますか。


人工透析⇒糖尿病⇒暴飲暴食⇒自業自得と、単純なロジックで人工透析者を叩いていたわけです。

でもね、「暴飲暴食」といいますが、その基準はどこにあるのでしょうか。

血糖値がいくつになったら糖尿病になる、と決まった訳でもありません。

つまり、生活習慣病も、生活習慣自体はリスクの一つであり、やはりなるかならないかは「運(偶然)」の要因を否定できません。

この元アナのロジックでは、がんについても、

「がんの原因は生活習慣病だから自業自得で実費負担。無理なら56せ」ということになってしまいます。

つまり、「運(偶然)」の要素を否定してしまうことは、この元アナの暴論を否定できなくなってしまうのです。

もちろん、リスクはリスクですから、除菌したり、タバコや酒を控えたりすることは望ましいことです。

しかし、「タバコを吸う、酒を飲む人が、がんになったら自費にしろ。さもなくば56せ」なんてことになったら、トンデモないことだと思いませんか。

だって、本当にそれが作用したのかはわからないのですから。

それに、受動喫煙や、排気ガスや、業務上の付き合い酒など、自身に過失のないものまでも含まれてしまうんですから。

物事は必然と偶然で起こるものであり、「偶然」は決して自己責任ではない、ということは改めて述べておきたいと思います。

ですから、がんに限らず、不運なことがあっても、自分自身に原因があると決めつけてご自分を追い詰める必要はないと思いますよ。

あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本 - 勝俣 範之
あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本 - 勝俣 範之
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Take-Zee

おはようございます!
ガン・・いやですね!

by Take-Zee (2024-05-17 06:24) 

pn

うん、まあ運もあるでしょうね。って言うか運以外考えられない時ってあるはずだし。禿げるのも運と信じたい(笑)
by pn (2024-05-17 06:25) 

夏炉冬扇

畑しなくなったら野菜が大変だ、と話しています。あと何年できるかなぁ…
by 夏炉冬扇 (2024-05-17 07:07) 

mayu

人生そのものも、運のような気がします(-_-;)
by mayu (2024-05-17 07:30) 

taku1_lily

正論!!
同意!!

by taku1_lily (2024-05-17 09:51) 

ミケシマ

病気なんてほぼ運だと思います~
10歳で病気になり入院した私はいろんな病気の子どもたちと出会いました。
亡くなった子もいて、それは誰のせいでもない、ただただ運が悪かったんだ…と思いました。
by ミケシマ (2024-05-17 10:11) 

HOLDON

今や二人の内一人が癌になるようですね
う~ん、私は運で癌になるとは思わないのですよ、と言うか信じたくない気が。
未だに癌を克服出来ない医学の言い逃れみたいに思えて。
一方タバコが肺癌の原因というのも医学の言い逃れ?
私の祖母は16歳の時からきざみのきついタバコを吸っていました。
88歳まで寝込みもせず亡くなる前日までおトイレも自分でしていとのことです。
やっぱり癌は運なのでしょうかね。
事故などは明らかに運を感じることはありますけどね。
何を信じて良いかわからない我々。
とにかく医学は言い逃れや運で済まさないで一時も早く克服する真の道を探して欲しいと願うのみです。
by HOLDON (2024-05-17 11:21) 

ムサシママ

な~ンも考えずに食べたい物を食べ、食べたくない物は食べない
したい事をして、したくない事はしない
私の座右の銘???です
友達が2016年に余命半年宣言を受けましたがまだ生きています
もう一人も同じです
従姉は余命半年宣言を受け2週間目に亡くなりました
義父も同じでした
運、大いに信じます
by ムサシママ (2024-05-17 11:25) 

AKAZUKIN

ストレスもがんには関係ないんですねー。。
野菜不足も。野菜、野菜、ビタミン、ビタミン、っていうけれど、身近な諸先輩方は「年取ったら、タンパク質をしっかりとらなくちゃダメよ!」っておっしゃってます。
人生ギリギリまでそれなりに元気で、コロンっとあの世に行きたいです。
by AKAZUKIN (2024-05-17 12:05) 

エンジェル

運ですか・・・
この数十年の間
癌対策の食生活をしてきたつもりですが
それが何の効果もなかったとなると
ちょっと残念な気がします
今後がんにならない運を持ちたいと思います!!
by エンジェル (2024-05-17 22:58) 

mau

運というか確率論というか
当たるとやなことに変わりはないけど
by mau (2024-05-18 00:46) 

tombai

仰る通り油断です。昇りの階段は意識的に気をつけているんですけどね…^^;
くれはが、、まだ生きろ。ってかぁ…厳しいなぁ…(´-∀-`;)。。
もう…あんまり楽しい事もない世の中なんですけどね…
階段の上の方でピンチになったり。交差点で怖い思いしたり。
歳を重ねると、なにか見えない力で彼岸の向こうへ導かれてる?
って機会が増えます。お互い、お空への階段を上る許可が得られるまでは、
まぁまぁ気をつけてまいりましょうね。重ね重ね、お言葉身に沁みます。
ありがとうありがとうです。┏〇))
by tombai (2024-05-18 10:37) 

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