いらない保険生命 保険会社が知られたくない「本当の話」(後田亨/永田宏著、講談社+α新書) は、医療保険加入の「無駄」を説いています。保険商品にお勧めのものはないとして、「保険のプロほど保険には入らない」と述べています。
みなさんは、医療保険や、がん保険などに加入されていますか。
その保険、本当に必要ですか?
これが本書のテーマです。
『いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」』は、後田亨さんと永田宏さんによって、講談社+α新書から上梓されています。
後田亨さんの書籍は、以前もご紹介したことがあります。
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がん保険を疑え! いや従え?
民間保険におすすめはない!
保険は、宝くじと同じです。
宝くじは、掛け金すべてが購入者に還元されるわけではありません。
胴元(総務省)の取り分の割合を控除率といい、宝くじの場合は控除率が約55%になります。
つまり、宝くじを買った人に対しては、実は半分も返ってこないのです。
保険も同じで、保険会社の取り分というのがあります。
その残りが保険金として支払われています。
丸の内の名物ビル。
私は昔、この損保会社で働いていたのですが、当時人気ナンバーワン企業で、なぜかといえば、給料が高いからです。
その金はどこから出ているんだ、といえば、当然顧客の支払う保険料です。
損保会社は、株式会社ですからね。慈善事業ではないのです。
お金をかけた研修、きれいなオフィスとデスク、その点では実に居心地の良い会社でしたよ。
でも、それって、財源は顧客の支払う保険料なんですよね。
本書は、医療保険は、どうしても入らなければならない保険ではないといいます。
なぜなら、国民皆保険制度が確立している我が国の医療費は、健康保険があるから、1~3割の支払いでいい。
しかも、高額医療還付制度があるので、多額の支払いがあると、一定額以上は戻ってくる。
さらに、高額療養費の現物支給という制度を利用すれば、そもそも多額の支払いの必要がなく、自己負担限度額までとなります。
ざっというと、手術などして50万ぐらいかかっても、サラリーマンなら15万円。
高額医療還付で、15万円払っても後で7~8万円戻る。つまり実質的な支払いは7~8万円。
そもそも高額療養費の現物支給を使えば、最初からその7~8万円の支払いで済む。
収入の少ない人なら、さらに負担は低い。
非課税世帯なら、4万ぐらいでしょう。上限は。
つまり、月々3000円程度の医療保険1~2年分の掛け金(保険料)で、何かあったときの医療費も賄える、ということです。
言い換えれば、医療保険に加入するお金があるなら、1~2年、保険に入ったつもりでそのお金を貯めておけばいいわけです。
何年も、掛け捨ての保険を続ける必要はない、というわけです。
本書によれば、手術給付金がつく保険もありますが、腹腔鏡や内視鏡などの技術が発達して、開腹の割合が減ってきているから、そんなにたくさんはもらえない。
しかも、入院日数も減ってきている。
10年後には、医学医療はさらに進化して、保証内容自体が陳腐化してしまうかもしれない。
だから、今の価値観で決めた保険金で、保険料を払い続けることは無駄金になる可能性もあるということです。
医療保険や、がん保険には、高度先進医療の特約があります。
高度先進医療が、何百万かかってもそれを賄ってくれます。
しかし、本書では、高度先進医療を「一種の人体実験」だといいます。
つまり、高度先進医療自体を否定しています。
ただ、がん4期だった村野武範さんが、高度先進医療で生還したり、樹木希林さんが延命したりなどの実績を見ると、私は無意味なものとは思いません。
私の考えですが、本書にも書かれているように、都道府県民共済など、より安い掛け金の商品にも高度先進医療は保障されているので、そちらに切り替えるといいかも知れません。
都道府県民共済は、1口2000円程度で、年度の終わりに、会計を明らかにして、余った分は加入者に戻してくれますよ。
最終的には人それぞれ
ということで、本書は、民間保険会社の保険商品は、無駄な贅沢品で不要だという結論です。
確率と客観的な数字を見る限り、私はそれで正しいと思います。
ただ、世の中には、人よりも不運・不幸に見舞われる確率が高い人生の人もいます。
たとえば、私はこれまで、支払った保険料の合計額を大きく上回る、多額の保険金を受け取っています。
もちろん、保険金詐欺なんてしてませんよ。
火災、台風、骨折、子どもの重度後遺障害、コロナ罹患、自動車事故、妻の複数回の手術など、これでもかこれでもかと度重なる災難によって、保険金・共済金をもらっているからです。
傷害保険に入ったら、さっそく生まれて初めての骨折で50日利き腕にギプスするとかね。
本当はそんなもの、もらわないほうがいいものなんですよ。
不可解だったのは、2年前にやらかした接触事故。
文字通りの「接触」で、相手はかすり傷すらなく、もちろん画像上も何の異常もなかったのに、1週間以上もたってから急に入院し、ゆっくり静養した後に「脳の異常を発見」などという話が出て、示談は1年半かかり、結局100万以上の支払いがありました。
頭なんか打ってなかったのにおかしいなあと思っていたら、相手の「脳の異常」とやらは、その人の、もとからの病気で、接触事故とは全く無関係ということが後に判明しました。
まあ、あてた私が悪いと言っても、こんな事故の処理は会社始まって以来だと、保険会社からは言われました。そりゃそうでしょう。同じ時期に、無免許当て逃げでマスコミに騒がれた元都議の女性は、相手の首などに怪我させたのに、1ヶ月で示談できているのですから……。
私は、自分(の運)も、他者も、一切信用できなくなったので、車の運転は引退しました。
人生は必然と偶然、因と縁です。
自分の人生を振り返って、普通では考えられないような悪い「偶然」「縁」を経験しそうな人は、保険は入っておいたほうがいいと思います。これは理屈とか一般的な確率では説明がつかない話です。
自分の人生のことは他者にはわかりません。保険の必要な人生かどうかはその人自身が人生を振り返って判断することです。
いずれにしても、本書は、現在加入している保険について考えさせてくれるものとなるでしょう。
いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」 (講談社+α新書) - 後田亨, 永田宏
いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」 (講談社+α新書) [ 後田 亨 ] - 楽天ブックス
確かに保険は、宝くじのようなもの
by 赤面症 (2023-07-21 01:06)
生命保険は損です
騙されてはいけません
どうして皆さん判らないのでしょうか
by コーヒーカップ (2023-07-21 04:20)
人の弱みにつけ込んだ商品ですね。
by よしあき・ギャラリー (2023-07-21 06:04)
その昔とんでも無い金額払ってたのに事故った時意味の無い特約だったのでなんの役に立たず(・・;)
by pn (2023-07-21 06:24)
おはようございます!
民間の保険は止めました・・・
保険料は高いし、見直しばかり勧められ
ウザい!!!!
by Take-Zee (2023-07-21 07:21)
確かに、保健は貴殿の言う通りかもしれませんね~。
特に私のような年金生活者には、無駄なお金だと思っています。なので、退職時には大分清算しましたし、中身も必要なものだけにして、身軽になりました(^^♪。
by drumusuko (2023-07-21 11:29)
弱みにつけ込んでますよね。
私も若い時は支払ってきましたが
20年ほど前から都道府県共済です。
by そらへい (2023-07-21 20:25)
私も今は都民共済ですが、記事に書いた通り、3月に妻の手術で治療費以上にいただいちゃいました。
by いっぷく (2023-07-22 03:07)