SSブログ

『占い師けんけんTV』から考える、「運は変えられるか」 [仏教]

202306211633.png

YouTubeチャンネルで人気急上昇のけんけんTVから、『成功には才能<〇 コレがないとピンチ!』の巻をご紹介します。運の話です。才能より運が大事、そして運気は自分で上昇できるという話です。「運気なんてものはない」と思いますか?

現在、YouTubeでは、彩聖健人さん(けんけんさん)の動画チャンネル『占い師けんけんTV』が、チャンネル登録者人気急上昇です。

けんけんさん。ご存知ですか。

話題の芸能人や、過去の事件の元死刑囚、政治家などの人間性を、『観相学』で占断するチャンネルです。

「面相」ではなく「観相」なのは、顔だけでなく、その人の身なりやプロフィールなどから、総合的に判断するからだそうです。

けんけんさんは、オカルト全般を否定している稀有な占い師です。

元マジシャンという経歴から、「霊力」「超能力」などの種明かしなども行います。

しかし、合理的でないものを否定していたら、結局自分の立場(占い)をも否定することになってしまうわけですが、自分のしていることはエンタメだからと断っており、少なくとも、墓石業者と組んで「先祖供養しろ」とか、除霊に壺を買えというような占い師ではないので、未見の方はその点安心してご覧ください。

「運」は変えられる……か


芸能情報が好きな方は、毎回楽しめるチャンネルだと思いますが、私が注目したのは、成功と運の相関性について解説した、『成功には才能<〇 コレがないとピンチ!』の回です。

人生は才能も重要だが、もっと大切なのは運であり、ただしそれは自分自身で良くも悪くもできると説明されています。


動画の中では、イタリアのカターニア大学が発表した、もっとも富が配分された(金持ちになった)人々は、才能がある人ではなく、運のいい人だったという論文が紹介されています。

米大リーグの、レフティ・ゴメス投手が、「優秀な選手ではなく、運のいい選手になりたい」と言った有名な話も紹介しています。

この動画では「運気」という言葉を使っています。

さあ、「運」と聞いただけで、「それはオカルトだぁ」と言い出す人がいそうですね。

でもね、この世の中は、哲学的には「必然」と「偶然」、仏教でいうなら「因」と「縁」で事が生じます。

どちらかひとつでは、絶対に物事は成立しません。

あらゆる物事が、因縁によって生じていることを、仏教では因縁生起と言います。

「運がいい」とか「運が悪い」というのは、その「偶然」や「縁」にあたる部分に対する主観的で簡潔な表現なのです。

「運なんてものはこの世に無い!」と言い張る人がいるのですが、だったら、ブレーキの踏み間違えによる交通事故の犠牲になった被害者も、はねられたほうが不注意だというのでしょうか。

そういう人をして、「運が悪い」ということの、どこがオカルトなのでしょうか。

歩道の歩く時間と場所を合理的に判断をすれば、絶対にはねられない、とでもいうのでしょうか。

人間が、計算や合理的判断だけで生きることができるのなら、試験は全部100点とれるし、異性にもフラれないし、(自殺でなくても)自分の寿命だって自分で決められるでしょう。

それはともかくとして、けんけんさんは、どうすれば運(気)が変えられるか、ということについて、この動画では、「オカルトに騙されない」ことだとしています。

つまり、自分の人生判断を、自分でないものに委ねない。

自分の貴重な財産(お金)を、自分のことと関係ないことに注ぎ込まない。

人生の貴重な時間を、自分のことでないものに消費しない。

自分のためにお金を使い、自分の人生を自分の責任で自分のために結論を出せばいいという、ごく当たり前ですがなかなかできない「自分軸」論を展開しています。

これは、もののたとえであると思うのですが、ただ、中には、別にナントカ協会ともつき合いはないからツボなんて買ったことはない、超能力も信じない、でも運が悪いよ、という人もおられるかと思います。

ということで、後半は私が現時点で考えている運論です。

「運」の正体はこれだ!


受験勉強をしっかりやって、模擬試験では「合格率80%」だった。(必然)

試験当日、試験場に行く途中で車にはねられた(偶然)

希望の学校に入れなかった(結果)

「必然」は、本人が努力すればできます。

でも、「偶然」は、努力だけではどうにもなりません。

その偶然が人生の中で、いつ、どんな理由で、どのくらいの規模のものがあるのか、ということは、科学も、哲学も、宗教も、もちろん占い師も答えを出していません。

そりゃそうだよね。出たら今頃、「運」という概念も、なくなってしまうかもしれません。

これまで、脳科学者も含めて「運」の本はたくさんご紹介してきた私が、今、漠然と「こうではなかろうか」と思っていのが、「エネルギー消耗」論です。

といっても、何歩歩いたら何カロリー消費というような、顕在的に現れている身体活動量ではありません。

要するに、人間が考えたり、行動したり、嫉妬したり、妄想したり、悩んだりなど、精神活動を含めたあらゆる生命活動はエネルギーを消耗させると。

で、どうやら「運」も、そのエネルギーを使うのではないかな、ということです。

たとえば、悩みや恨み、嫉妬、悪口などは、運気を落とすから言ってはいけない、なんて言われますよね。

あれは、道徳的に悪いからではなく、自分に成果のない「生命活動の消耗」なので、いたずらにエネルギーを減らして、運に使うエネルギーが枯渇してしまい、その結果運気を落とすのではないかと思います。

あとは、介護も、大変なエネルギーを消耗します。

介護する体力はもちろん、精神的に厳しいのですよ。それが生命エネルギーをたくさん奪います。

介護に入った芸能人の多くが、それ以前のポジションに返り咲けないですよね。

山田スミ子は、母親介護の後に命を落としてしまいました。

沢村国太郎を介護した南田洋子は、アルツハイマーになってしまいましたが、長門裕之のやんちゃにも泣かされたので、自分の女優業以外の消耗がかなり蓄積したのではないでしょうか。

市毛良枝とかすどうかづみとか、多少下積みを経験してからやっと上がった人たちも、介護でキャリアが中断してからは、以前のような活躍はないですね。

もちろん、芸能界は新陳代謝が激しいので、ブランクがあるとすぐにポジションは奪われますけどね。

例外的に、新田恵利は大学客員教授になりましたが、あの人は介護を兄弟と分担して、介護中も旅行に行ったりしていましたから、見る限り消耗は少ないですね。普通、自宅介護で旅行なんか行けないですからね!

先日ご紹介した、時効寸前で捕まった福田和子のように、不幸な「ほしのもと」の人が、どこまで言っても不幸がつきまとうのは、不幸な出自のために、すでに人生の最初からエネルギーをたくさん消費しているからではないかなと思います。

福田和子松山ホステス殺害事件(1997年8月)ギリギリの逃亡と整形で話題に

その「生命活動エネルギー」というのは、生まれたときに、ポリタンクにどんと定量与えられて減る一方というのではなくて、たぶん生命活動をしながら再生産はされるのだろうと思います。

ただ、あまりにも消耗が激しいと、間に合わずガス欠になってしまい、何らかの不運・不幸、最悪死亡などになってあらわれてしまうのではないかな、というのが私の仮説です。

他者からひどい目にあっだからといって、その人を恨んでいると、その人に報いがあるのではなく、自分の運気が落ちてしまうことってありませんか。恨むことでエネルギー使っちゃってるんですよ。

私の人生は、そんな「二次被害」の連続です(涙)

でも、やっぱり恨みつらみって、そう簡単に忘れられないですよね。

運のいい人生、送ってますか。

許せないという病 (扶桑社BOOKS新書) - 片田 珠美
許せないという病 (扶桑社BOOKS新書) - 片田 珠美

許せないという病【電子書籍】[ 片田珠美 ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
許せないという病【電子書籍】[ 片田珠美 ] - 楽天Kobo電子書籍ストア


nice!(145)  コメント(12) 
共通テーマ:学問

nice! 145

コメント 12

赤面症

運のいい人は、人生スタート時の運量がそもそも大きいのかも
by 赤面症 (2023-06-28 01:12) 

コーヒーカップ

その時をどう判断しどう行動するかで未来は動くと思います。
いつも正解を判断できるわけではないので難しいです。
by コーヒーカップ (2023-06-28 01:51) 

扶侶夢

運という概念を人間の生命の中でどう位置付けるかに依りますが、エネルギーとの関係を見出したのは核心に近づいた気がしますね。
by 扶侶夢 (2023-06-28 08:19) 

pn

物事ほとんどはタイミングだと思ってるので間が良いか悪いかの差は何だろかと言う所ではエネルギー論はわかりやすい。
そこら辺踏まえると俺は再生産量が上回ってるかそもそも大した不幸は無いかのどっちかなのかな、根に持つ方だけど普段は忘れている事多いから(笑)
by pn (2023-06-28 08:41) 

Take-Zee

おはようございます!
古希を過ぎても医者通いも投薬もなし・・・
これも運が良いのかなあ~(^-^)!

by Take-Zee (2023-06-28 09:33) 

ゆきち

父の介護5年、母の介護10年越えている私には、エネルギー論がものすごく腑に落ちました。
もうとっくにポリタンクが空になるぐらい消耗しているはずなのに生きているのは、再生産を手助けしてくれている何かがあるのですね。
猫・・かな^^
by ゆきち (2023-06-28 12:59) 

tyuuri

 昨年、5月に寝不足からの居眠り運転で、欄干にぶつかり車は大破、しかし他の車にも人にもぶつからず、自分もどこにも異常は無し、これは運が良かったと言えるのかな。
 つい最近、札幌市北区麻生で、軽トラックが中央分離帯に衝突し反動で、歩道を突き抜けて横転した事故があり、運転手は私と同年代で後に死亡、歩道を自転車で走っていた女子高生を巻き込み、足に軽度の負傷、これは運が悪かったのか。
by tyuuri (2023-06-28 17:10) 

lamer75

No:10書きました。
by lamer75 (2023-06-28 19:40) 

dog三郎

「人を呪わば穴二つ」のたとえは
潜在意識には自他が無いそうですが・・・
潜在意識まで到達する強い恨みは(呪い)
は自己に向かうのでしょうか・・・?

by dog三郎 (2023-06-28 20:27) 

tai-yama

自分に起こった出来事をポジティブに捉えると言う事は
実は運の貯蔵を増やすことに直結しそう・・・
by tai-yama (2023-06-28 23:51) 

いっぷく

禍福はあざなえる縄の如しともいうので、運がいいのか悪いのか自体を判断するのもむずかしいときもありますね。
by いっぷく (2023-06-30 02:06) 

よいこ

運については時々考えます。
努力したことは報われなくて、力を入れずに楽しんでいることの方が人気が出て仕事につながったりすることがあるので
複雑な気分です。
by よいこ (2023-06-30 10:27) 

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます