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福田和子松山ホステス殺害事件(1997年8月)ギリギリの逃亡と整形で話題に [仏教]

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松山ホステス殺害事件(1997年8月)は、時効成立21日前逮捕、公訴時効成立11時間前に起訴したことで話題になった事件です。『福田和子松山ホステス殺害事件』(北上祐帆著、ぶんか社)として漫画化されています。このシリーズでは珍しく、実名のタイトルです。

松山のホステスに対する、強盗殺人と死体遺棄の罪を犯した福田和子元受刑者。

犯行から、7つの(整形)顔、20の偽名を使った14年11ヶ月の逃走、そして逮捕から獄死までを、上下巻に分けた漫画で克明に描いています。



書籍のほか、テレビドラマ、映画などで広く知られています。

テレビドラマでは、大竹しのぶ、藤澤オリエ、鈴木ひろみ、河合美智子、寺島しのぶ、中島ひろ子、佐藤仁美、宮地真緒など。

映画では藤山直美が演じています。


また、大竹しのぶです。

後妻業といい、これほどダークな女性犯罪者の合う人はいませんね。

もちろんこれは、女優としては悪い評価ではないのです。

顔は変えても声までは気が付かなかった


福田和子元受刑者は、事件当時スナックを経営していましたが、パトロンはしっかりいました。

戸籍上は2番目の夫がいても、です。

子供は、最初の夫との間に2人、死体遺棄を手伝わせた2番目の夫との間にも2人、合計4人いました。

事件があったのは1982年8月19日。

福田和子元受刑者が34歳のときです。

いさかいから元同僚のホステスを絞殺し、夫の自首の勧めも拒否。

それどころか、夫を手伝わせて家財道具を奪い去り、遺体を松山市内の山中に遺棄。

その4日後から逃亡生活が始まります。

夫の口座から約60万円を引き出し、それを元手にまずは金沢へ。

スナックのホステスに採用されますが、すぐに目と鼻の整形手術を受けるため上京します。


店に戻ると、店の客2人と二股交際。

そのうち一人は堕胎した末に別れ、もうひとりは市内で3代続く老舗和菓子店店主。

店主の離婚を待って、連絡を取っていた長男まで引き連れて、事実婚ですが嫁ぎます。

なぜ事実婚かといえば、もちろん自分の身元が割れるから。

相手は、籍を入れることを希望しています。

なかなか籍を入れないことが伏線となって、和菓子店の家族が疑い、通報されると今度は名古屋へ逃亡。

その後は福井から大阪へ流れ、売春宿でも働きます。

その間も、何度も整形を繰り返します。

警察は、懸賞金100万円という前例のない捜査手法を採用。

整形手術を引き受けた美容外科も、整形した責任を感じて400万円の懸賞金を出し、懸命に福田和子元受刑者を追います。

そして、時効前に行きつけのおでん屋で常連客に知られ、時効成立21日前に逮捕されてしまいます。

整形を重ねても、福田和子元受刑者とわかってしまったのは、いくら顔を変えても声までは変わらなかったからです。

テレビで、福田和子の音声が公開されたのです。


声を変えることまでは気が付かなかったようです。

しかし、逮捕ですべて終わりではありません。

裁判で有罪にするには、起訴に持ち込まなければなりません。

公訴時効も迫っていましたが、福田和子元受刑者は当然それはわかっています。

時間稼ぎのため、共犯者がいて、自分はヤッていないと言い出したそうです。

警察も必死です。

その共犯者なる人物が事件当日、愛媛にはいなかった証拠をギリギリで見つけ出し、公訴時効成立11時間前に起訴しました。

壮絶だった“生きざま”


罪を憎んで人を憎まず、などという綺麗事を言う気はありませんが、福田和子元受刑者の「生き様」が明らかになるにしたがい、一部に同情する声があったのは確かです。

本当の父親の顔を知らず、幼くして両親は離婚。

母親は自宅で売春宿を経営していましたが、漁師と再婚。

しかし、その漁師とも離婚。

高校生の時に交際していた男性は事故死。

その後、知り合った男性と同棲するも、生活力のない18歳。

生活に困り、高松市の国税局長の家に強盗に入り2人揃って逮捕。

松山刑務所に服役すると、今度は看守を買収した、暴力団郷田会の関係者に強姦される「松山刑務所事件」の被害者になってしまう。

同事件は、国会でもとりあげられました。

さらに、事件は彼女の母親が見つけた弁護士によって、示談でごまかされてしまいます。

出所後に結婚しますが、子供ができても結局離婚。

もう、ここまでで十分壮絶な人生です。

余談ですが、郷田会がどうして服役していたかと言うと、そのときたまたま第一次松山抗争があったのです。

まあ決めつけるわけではありませんが、加害者・被害者とも経験して、ここまで壮絶な人生を送った人が、ちょっと刑務所に入っただけで更生ができるかというのは、なかなか難しいかもしれません。

では、どうすればいいのか。宗教なら救ってくれるのか。

くすりあり毒をこのめ、とそうろうらんことは、あるべくもそうらわずとぞおぼえそうろう。(親鸞聖人御消息集)

煩悩があっても念仏を唱えればいいと、信仰を逆手に開き直ってはいけない、という親鸞の教えです。

少なくとも仏教は、自分の心に問う宗教なので、現世利益をおねだりするものではありません。

やはり本人の心がけだけでなく、社会がお手伝いしなければならないと思います。

ただ、現実の社会は、たとえば誰かの盃を呑んだら預金口座も作れないとか、ヤクザから足を洗っても社会復帰を道筋は確立されていない、というような現状がありますし、「転落」した人の社会復帰の道は厳しそうです。

それにしても、福田和子の14年11ヶ月は長かった。

強盗殺人罪は、無期懲役の判決が半数以上といわれています。

ただ、刑期が10年経過すれば仮釈放が可能(刑法28条)ともいわれているので、14年11ヶ月、整形や売春を繰り返した末に逮捕では、時間的に「高くついた」ものになってしまったかもしれません。

起訴の8年後(収監2年後)に、和歌山刑務所で獄死しています(享年57歳)が、平均年齢よりずっと若いですし、逃亡のストレスも寿命を縮める一因になったかもしれません。

福田和子事件、覚えていますか。

福田和子 松山ホステス殺人事件(単話版) 【前編】 (ストーリーな女たち) - 北上祐帆
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福田和子 松山ホステス殺人事件(単話版) 【後編】 (ストーリーな女たち) - 北上祐帆
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コメント 5

赤面症

佐藤仁美もハマってそうでした。
by 赤面症 (2023-06-20 01:04) 

pn

獄中死でしたか、そこまで覚えていなかった。本人見てないからなんとも言えないけど写真見る限りあんま綺麗とは(^_^;)
更生システムが事実上無いんだから前科者の再犯防止の道は遠いんでしょうねぇ。
by pn (2023-06-20 07:30) 

Take-Zee

おはようございます!
この女性・・記憶に残っていますよ。
時効寸前で逮捕でしたね。

by Take-Zee (2023-06-20 07:46) 

コーヒーカップ

自分もこの女性と事件記憶にあります。
随分報道さてましたよね。
by コーヒーカップ (2023-06-20 16:28) 

Azumino_Kaku

こんばんは、
事実は小説よりも奇なり、なんて申しますが、TVでみるサスペンスドラマの比ではないすさまじい人生ですね。

by Azumino_Kaku (2023-06-20 23:39) 

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