サイコパス（中野信子、文春新書）

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サイコパス（中野信子、文春新書）　[社会] [編集]

サイコパス（文春新書）を上梓した中野信子さんが、YouTubeチャンネル『オーディオニュース』で、サイコパスについて語った動画が話題です。Xでズラーッとはリポストされて、いわゆる「バズっつた」状態です。それだけサイコパスの社会的関心が高いのかもしれません。

たくさんのリポストがされている状態は、「中野信子サイコパスのある人は特徴を持っている」で検索するとわかりますが、実際のOGPがこれです。

クリックすると、中野信子さんの話が聴けます。

サイコパスとは、非・反社会的パーソナリティ障害の一種（Wikiより）で、「サイコパシー」（psychopathy）の日本語訳は「精神病質」。

良心、愛情、罪悪感、共感能力などが欠けている自己中心的な人です。

ただし、表面的には魅力的で社交的に見えることがあり、初対面の人とも上手に会話を交わすことができるといわれます。

このブログでは、これまでサイコパスの関連書籍を2冊ご紹介しました。

まんがでわかる隣のサイコパス（名越康文監修、カンゼン）は、世間に潜むサイコパスたちが隠し持つ「人格」をまんがでひも解きました。サイコパス＝犯罪者とは限りませんが、職場・友人・学校に存在し得るサイコパスとの関わり方を教示してくれます。https://t.co/e0ee8Yk5C6 #サイコパス pic.twitter.com/zKfbqU7ASg
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) December 21, 2023

禁断の事件簿:こいつら全員イカれたサイコパス（でんでん出版著）。#サイコパスが犯した実際の猟奇的事件を紹介するKindle書籍です。サイコパスの特徴や彼らがどのような人間をターゲットにしているのかを解説し、サイコパスについての理解を深める機会を提供しています。https://t.co/VQ92E0BnGU pic.twitter.com/Pvd1VQk51o
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 24, 2024

サイコパスは、映画やドラマで犯罪者として描かれることが多いですが、実際には一般社会に溶け込んで生活している人が多く、見た目だけでは判断が難しい、というのが上掲2冊の指摘です。

では、中野信子さんは、サイコパスをどう解説しているのでしょうか。

本書の一部を紹介している動画から抜粋します。

一見魅力的で、仕事ができそうな感じがする

ーサイコパスではどんな人たちを指してるんでしょう

「シリアルキラーを連想する人が多いと思うんですけども、そうとも限らないんですよ。一言でいうと共感性がない人、他人の不幸の上に平然と自分の幸せを築くことができるという人のことですね。例えば何か悲劇が起こったときに、その悲劇を見ている映画とかテレビなどで、涙を流せないですね。なんでこんなので皆悲しがってるんだろうと」

ー本の中にアメリカ合衆国の総人口の4％、25人中1人。

「日本でも100 人に1人くらいはいるという試算がされてますね」

ーそのほかにどんな特徴がありますか。

「一見魅力的で、仕事ができそうな感じがするって言うところが厄介なんですよね。それは犠牲者集めるためのもしかしたら方略なのかもしれないし、自分がサイコパスであるということを知られないための防御策なのかもしれないし、いずれにしても、一見してこの人すてきだなって思わせる。標的にされると自分とか搾取されるターゲットなってしまうと怖いですけれども、そうではない特徴もあって、反社会性人格障害の一つとされるんですね。ということは、今ある社会の閉塞感を打破してくれそうな感じがする人でもあるんですよ。そういう意味で社会にとって必要な人材とも言えるんですよね。厄介な存在だけども、そういう人もいないと社会の進化には至らないこともありますよね、的な感じでしょうか」

ー具体的な人物としては？

「織田信長が、そうだったのではなかろうかと推測できるわけです。非常に残酷なことをしますね彼は。誰もが心の中ではこの人厄介だなと思っていても、宗教的権威とか普通の人がおそれをなして手を出せない人でも、全く動じない合理的な物事の考え方をしますし、新しいものが好きですし、旧来の社会に対するアンチテーゼを次々と打ち出していくんです」

↑比叡山の焼き討ちなどを指しています。

ー現代に近づくと、中国の毛沢東も、中野さんによればサイコパスの傾向が見られると

「自分の不備に対して他人のせいにしたりとか、手柄は自分のものにするようなことをがご散見されたりとか。これは織田信長と同じで、旧来の知識人やその資産である知識を全て壊して新しいものを打ち立てる反社会的行為ができるんですけれども、それをある種の正義感を持って行うというところが（2人は）近いんじゃないかなと思うんですよね」

ただし、「サイコパスは頭が良い」とは限らず、「頭がいいように見せる」ことに長けているだけだそうです。

「反社会性」も社会的に求められている!?

というわけで、自分がサイコパスであるかどうかの重要な見極めが示されていましたね。

ドラマや映画で泣けるか

創作だとわかっていても、感情移入してしまう「非合理」さが人間なのですが、サイコパスは「合理的」に、「そんな創りもののお芝居でなんで泣けるんだ」と思ってしまうわけです。

そして、もうひとつおもしろいと思ったのは、サイコパスは人に共感できない「反社会性」を持ちながらも、だからこそ旧弊な価値観を打破して、新しい社会に道を開く突破口になり得る、ということです。

つまり、「反社会性」といいながら、実は社会発展に求められる人材でもあるということです。

もちろん、犯罪に走ったらそれは許してはならないですが、人間はだれしも皆、社会に必要な存在であることが示唆されているように思いました。

いかがですか、ドラマや映画で泣けますか。