有栖川宮詐欺事件(2003年)高松宮宣仁親王のご落胤をカタッた詐欺事件 [仏教]
有栖川宮詐欺事件(2003年)は、高松宮宣仁親王のご落胤をカタッた詐欺事件。『実録!女たちの猟奇事件簿』(ぶんか社)が漫画化しました。大正時代に断絶した皇族を称して結婚披露宴を開き、祝儀など約1200万円をだまし取った事件です。
『7人目:後続詐称事件』というタイトルの漫画が、安武わたるさんがぶんか社から上梓した『実録!女たちの猟奇事件簿』(ストーリーな女たち)にあります。
有栖川宮詐欺事件(2003年)を漫画化したものです。
特別な人でありたい
有栖川宮詐欺事件のこの人
— 宮北 (@Mengjiang1936) December 12, 2015
明治三十七八年従軍記章(日露戦争)
戦捷紀章(第一次世界大戦)
昭和六年乃至九年事変従軍紀章(満州事変/上海事変)を佩用するという歴戦の猛者だ( pic.twitter.com/YnZZD3m1DG
2003年4月、有栖川宮家の祭祀継承者で、高松宮宣仁親王のご落胤である「有栖川識仁(さとひと)」と詐称した男性と、その妃殿下と詐称する女性が、偽の「有栖川宮家の結婚披露宴」を開催。
招待客から祝儀等を騙し取り、詐欺罪で起訴されました。
しかも、そもそもこの「夫婦」は婚姻関係がなく、それどころか2人の間に恋愛関係、内縁関係などもありませんでした。
披露宴は、俳優・石田純一や、エスパー伊東、歌手・ダイアモンド☆ユカイ、デーブ・スペクター夫人、元東京都議ら著名人も出席しており、石田純一は警察から“広告塔”と疑われ、取り調べを受けました。
「知り合いのラジオ局のプロデューサーに紹介されて出席した。軽率だった。これからは直接の知り合いじゃなければ出席しないとか、気をつけたい」と、石田純一は反省しきりだったそうです。
刑事事件で、すでにネットには本名も公開されていますが、本作の設定では、新郎は「有田川宮琴彦」こと北川康夫(41)、新婦は有田川春子こと坂谷晴子(44)となっており、新婦を主人公に描かれています。
晴子は、公務員の両親に平々凡々な家族。
「私にはもっとドラマチックで華麗な人生がふさわしいのに」
と自分では思っています。
周囲からは、「あの子キレイねえ」と言われていたようです。
その「美貌」を以て、「だって私は『選ばれた人間』なんだもの」と思いこんでいたのです。
18歳で、ミスコン熊本地区予選で準ミスに選ばれたことも、その思いを強くするのに役立ったと描かれています。
地方の「地区予選」で「準ミス」程度ですと、まあ、若い時の思い出として、年を取ってからの一つ話程度の「華やかな実績」かもしれませんが、そこから「私は選ばれた人間」と思うのは、少しうぬぼれが強すぎませんか、という感じがします。
その後、結婚は2度失敗。
子供も生まれ、37歳になり、いっこうに華やかにならない自分の人生に焦りを覚えます。
そんなとき、知り合ったのが、自称有田川宮琴彦。
あるパーティーで、「一目惚れ」と告白されます。
「とうとうやった。これこそが私に用意されていた人生」
報道では、先に書いたように、婚姻関係がなく、それどころか2人の間に恋愛関係、内縁関係などもありませんでしたが、本作では、一応肉体関係はあったようです。
ま、お互い協力して詐欺を働くいい大人ですから、信頼関係の構築に、肉体関係ぐらいはあったのかもしれません。
関係ができたところで、「有田川宮琴彦」は彼女に対し、有田川宮は自称であることを打ち明けます。
京都の八百屋の息子で、昔たまたま名乗った偽名から「宮様」と間違えられ、以来「皇族」の肩書で顧問料などももらえることがある。
でも、あなたには本当のことを打ち明けたほうがいいと思って……。
ところが、晴子は、こういいました。
「何を仰るの。あなたは間違いなく殿下ですわ」。
春子は開き直ります。
これこそが私に用意されていた人生と思っていたが、そうではないという。
いえ、用意されていないというのなら作ればいいんだわ。
彼女は、この時点で、皇族になりきって挙式を計画します。
ついに、イッちゃったんですね。
衆水、海に入りて一味なるが如し
人間誰しも、ちょっとした見栄や虚栄心があるものです。
この2人のように、開き直ってしまえば何でもできますが、さすがに詐欺になるのは嫌だからそこまで羽目を外さないだけで、自分の身分や血統について、ちょっと盛ってしまうことがあるのかもしれません。
最初はささやかに盛った物語を構築しながらも、そのうち自分自身が自分のホラ話に騙されて本当にそのつもりになってしまい、次第に物語がエスカレートする。
その抑えがきかなくなった例が、この宮家詐欺ではないのでしょうか。
もっとも、この2人は、すでに事件になって面が割れて実刑判決を受けているにも関わらず、懲りずに財団を作っています。
現在は決して詐欺ではなく、これまでの「平凡な人生」と決別して、新たな人生を歩むという決意の現れと思いますので、まあ、そんなに「特別な人」でありたいのなら、それはそれでご活躍いただければよろしいのではないでしょうかね。
学歴にしても職業的キャリアにしても、勉強や仕事の結果、得られるものですから、自分自身による努力や価値観の裏付けがあります。
でも、身分だの血統だのは、自分の努力や心がけとは関係ない「ほしのもと」によるものですから、裏付けがないまま、周囲からは裏付けを求められちゃう。面倒だと思うけどな。
難しいけれど、むしろ逆の「高貴」ではない立場から、のし上がったほうが達成感があると思うんですけどね。
衆水、海に入りて一味なるが如し。(正信偈)
人間は、すべて死んだら同じということを、浄土真宗開祖の親鸞が表現している箇所ですが、いずれにしても、その人自身の残した実績ではなく、たんなる「ほしのもと」を振りかざすことでしか生きていけなかった人間は、死んでも何も社会に爪痕を残したことにはなりません。
いかがですか。ご自身は高貴な「ほしのもと」の生まれのほうがよかったと思いますか。
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これはもう、あれしかないでしょう。ブログ見てね~\(^o^)/
それにしても石田純一という人はw
by 赤面症 (2023-06-19 01:13)
この事件・・・既にすっかり忘れてましたが、
思い出しました。
有栖川宮といえば、幕末の熾仁親王を思い出しますね。
皇女・和宮様とのも悲しいラブロマンスも、
思い出されます(*´ω`*)。
by 萌田かずきち (2023-06-19 05:24)
そんな事件があったんですね。ビックリです。
by starwars2015 (2023-06-19 08:49)
財団って誰でも作れるんだ(^_^;)
by pn (2023-06-19 09:41)
私の高校の先輩に、自分は南朝側天皇家の末裔と称し菊のご紋章を使っていた人がいたそうなのですが、この事件それ以上ですね。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2023-06-19 11:13)
コメント有難うございます。
No:1から始まっています。
事実は小説より奇なりといいますね。
小説は全くのフィクションでありたいです。
by lamer2 (2023-06-19 14:52)
悪事を企てるその知恵
他に役に立てればいいのにと思います。
こういう人って変に頭が回転早いように感じます。
また騙すその度胸もすごい・・・
by コーヒーカップ (2023-06-19 15:28)
戦後の熊沢天皇クラスまで行けなかったと。
ご祝儀詐欺なんてかわいい物かと(笑)。
実際、披露宴をケチって(ご祝儀で)儲けようとする
夫婦もいますし。最低3万円ですし・・・
by tai-yama (2023-06-19 23:33)