『超能力だよ全員集合!!』で東八郎は志村けんと初めて共演した

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『超能力だよ全員集合!!』で東八郎は志村けんと初めて共演した　[懐かし映画・ドラマ] [編集]

今日は東八郎さん（1936年5月31日～1988年7月6日）の生まれた日です。先ごろ亡くなった、志村けんさんが私淑していたコメディアンとして改めて評価されました。2人が最初に共演した『超能力だよ全員集合!!』を中心に振り返ってみます。（画像は下掲OGPより）

東八郎と志村けんの関係

東八郎さんは、昭和を代表するコメディアンの一人です。

萩本欽一さんの預かり師匠であり、東貴博（Take2）や東朋宏の実父です。

1964年に、小島三児、原田健二とトリオ・スカイラインを結成していますが、7年後に解散してからは単独で活躍。

志村けんさんの『バカ殿』シリーズで家老役をつとめました。

バカ殿の家老と言えば、東八郎さん。???? pic.twitter.com/1oPPaRZZoD
— Tol_sel＠夢遊日誌 (@Tol_sel_staff) March 31, 2020

Wikiの「東八郎」から要約すると、実は志村けんは、自分の仕事で子供からバカにされることに内心憤慨していた時期があったそうです。

そこで、東八郎に、「東さんはその歳になっても、なぜバカな演技ができるのですか？」と尋ねたところ、東八郎はこう答えたといいます。

「子供にバカにされるのは芸人として当然のことで、怒っても仕方がない。分かる人は、演者がバカではないとちゃんと分かってくれている。むしろ芸人が利口面をしたがったり、文化人ぶったりするようになったらおしまいだよ」

教員の子弟として「笑い」に徹することにまだてらいが残っていた志村けんにとって、皇宮警察官の子弟でありながら「バカな演技」に誇りを持っている東八郎の話は、心にストンと落ちたようです。

⇒東八郎、志村けんバカ殿に生涯お笑い芸人を決意させた筆頭家老

志村けんは、『バカ殿』シリーズを長寿番組にしただけでなく、東八郎が主宰していた「笑塾」のメンバーから山崎まさやを付き人に登用したそうです。

超能力だよ全員集合！！

『超能力だよ全員集合??』(74)。志村けんドリフ昇進後の初映画。『男はつらいよ／寅次郎恋やつれ』との併映。ユリゲラー来日の年。記憶喪失の富豪息子（加藤茶）をめぐるドタバタ。ドリフメンバーによるイリュージョン場面あり、指導は渚晴彦。すわ親治の身体能力が凄い。#西映画 #手品映画 pic.twitter.com/pSIiEGqbHW
— 西亮一＠マジシャンもつらいよ (@westsite24) April 19, 2020

東八郎と志村けんの初共演は、おそらく『超能力だよ全員集合！！』（1974年、松竹）と思われます。

『全員集合!!』という掛け声は、もともとザ・ドリフターズの「ネタ」にあります。

誰かが音程を外した演奏をして、リーダーのいかりや長介が「全員集合」といってメンバーを集め、ミーティングを行う設定でギャグなどネタが始まるのです。

そこで、ドリフの主演映画のタイトルも『なにはなくとも全員集合!!』（1967年、松竹）となり、それが好評だったので、以後のタイトルにも『全員集合!!』とつけた作品が計16本制作されました。

映画のヒットを受けて、ドリフ＝全員集合!!というイメージが定着。そこで、テレビのレギュラー番組として、『8時だョ！全員集合』が始まりました。

要するに、『全員集合!!』というタイトルは、テレビよりも映画のほうがはやかったのです。

あらすじと見どころ

#BS11 #超能力だよ全員集合フィンガー5や当時の著名人もゲスト出演。本編でテロップ出るのはちょっとびっくり…半バラエティと割り切った造りだなぁ。
「フィンガー5の大冒険」も放送してくれたら嬉しいんですがどうでしょう公式さん @jyuittyan_bs11 pic.twitter.com/C5slDyB85d
— VMX (@v_mx) February 14, 2019

このOGPで説明されているように、荒井注から志村けんにメンバーが交代して初めての映画です。

「超能力でスプーンを曲げる」「全国の止まっている時計を動かす」などと喧伝して一大ブームになった、ユリ・ゲラーが来日した年です。

そして、『ノストラダムスの大予言』もこの年に話題になりました。

そんな世相を採り入れ、占い師のいかりや長介に、記憶喪失の富豪息子が加藤茶、さらにいかりやのケンカ相手である不動産会社の仲本工事と従業員の志村けん、いかりや長介が下宿している焼肉店の主人が高木ブーなどが、超能力だのインチキ宗教団体だのに関わるドタバタストーリーです。

マドンナ役は長山藍子、榊原るみ、さらに当時松竹で売出し中だった秋谷陽子という若い女優も出ています。

歌のゲストはフィンガー5。

the who の bot って、この時間のなると"よく寝ろよ！"って言葉が多いな、まるでドリフターズだ、

ゴリラ糞して寝ろー！(フィンガー5 vs 長さん)https://t.co/ZQfv0jaUrH
— rommel (@rom_and_mel) October 15, 2017

本当は、志村けんではなくこの人が新メンバーの候補だったという豊岡豊も出演しています。

東八郎は、ドリフの5人が人を探しているときの警官の役で出演しています。

超能力だよ全員集合!!（1974年）東八郎と志村けんの初共演作品。#東八郎 #志村けん #超能力だよ全員集合!! pic.twitter.com/TsYqVSTN7H
— 畠中由宇・相互フォロー100％ (@hata_follow) May 30, 2020

ワンシーンでしたが、存在感を発揮しました。

男はつらいよ寅次郎紙風船

きょう誕生日の #東八郎さんは、浅草フランス座で一緒だった #渥美清さんの小学校の同級生役で、『#男はつらいよ寅次郎紙風船』（1981年、松竹）にも出演しています。#男はつらいよ pic.twitter.com/JtiQA0wRQo
— 赤べコム (@akabecom) May 30, 2020

東八郎は、浅草フランス座で一緒に苦労した渥美清の小学校の同級生役で、『男はつらいよ寅次郎紙風船』（1981年、松竹）にも出演しています。

同窓会でバカにされた寅次郎に最後まで付き合って、とらやに送り届ける役です。

ところが、寅次郎はその悔しさを東八郎にぶつけ、東八郎の経営するクリーニング店の1軒や2軒つぶれたって、どうってことないと言い放ち、がまんできなくなった東八郎が、「間口2間（にけん）の小さな店だが、俺にだってお得意はいるんだ。」と怒って帰ってしまいます。

この回は、渥美清とトリオを組んでいた関敬六はもちろん、小沢昭一、犬塚弘、前田武彦ら、山田洋次監督好みの脇役を揃え、音無美紀子が薄幸のテキ屋夫人を演じていて、地味でしたがいい話だったと思います。

ユリ・ゲラー、ノストラダムスの大予言、フィンガー5……、昭和世代の方は覚えていますか。