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渡辺祐介、ドリフターズ『○○全員集合!!』シリーズのメイン監督 [懐かし映画・ドラマ]

渡辺祐介、ドリフターズ『○○全員集合!!』シリーズのメイン監督

渡辺祐介監督(1927年7月17日~1985年10月15日)の命日が15日でした。現在BS11では、1967~1975年に制作されたドリフ映画『○○全員集合!!』シリーズを放送していますが、16作中14作を手がけたメイン監督が渡辺祐介監督でした。



WikiPediaには、渡辺祐介監督のページがないのですが、1960年代から70年代にかけて、喜劇やアクション映画を作り続けており、邦画史上忘れてはならない監督のひとりだとおもいます。

たとえば、『喜劇爬虫類』(1968年、松竹)では、渥美清西村晃、大坂志郎など、ヌードダンサーのヒモの面白困った生活ぶりを描きました。

喜劇爬虫類
Google検索画面より



『たぬき坊主』(1970年、松竹)では、フランキー堺の生臭坊主ぶりを描きました。

たぬき坊主
Google検索画面より

その渡邉祐介監督は、70~80年代に一世を風靡したザ・ドリフターズの出世映画である『○○全員集合!!』シリーズ(全16作、松竹)を撮っています。

タイトルでおわかりのように、おばけ番組といわれた『8時だョ!全員集合』(1969年スタート)は、シリーズのヒットが契機となった番組名です。

そのシリーズの記念すべき第一作は、先月BS11で放送された、『なにはなくとも全員集合!!』(1967年、松竹)です。

DVD化されていないので、ドリフファンですら、未見の方も多いのではないでしょうか。

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『なにはなくとも全員集合!!』


なにはなくとも全員集合!!
BS11『なにはなくとも全員集合!!』より

ザ・ドリフターズが全員出演する「ドリフ映画」ではありますが、主役は三木のり平であり、オープニングの出演者表示では、最初が三木のり平と中尾ミエ、ザ・ドリフターズは2番目に表示されます。

ドリフでどのくらい数字が取れるか、また未知数だったので、喜劇で実績のある三木のり平や、シャボン玉ホリデーなどですでに知名度のある中尾ミエを前面に出すキャスティングにしたわけです。

ストーリーは、草津を舞台にしており、かつて本当にあった、東急トランセと西武バスの路線開発競争を思わせる設定。

草津観光鉄道と西武バスの対立に、ロミオとジュリエットの構成をくわえたストーリーです。

具体的には、草津観光鉄道・草津駅の駅長が三木のり平、部下が加藤茶、仲本工事、福岡正剛、三木のり平の妻が丹阿弥谷津子、娘が中尾ミエ、息子が高塚徹です。

三木のり平
BS11『なにはなくとも全員集合!!』より

一方の西武バス草津営業所長が、いかりや長介、妻が若水ヤエ子、部下が荒井注、古今亭志ん朝、いかりや長介サイドにまわった旅館の番頭が高木ブーです。

いかりや長介
BS11『なにはなくとも全員集合!!』より

しかも、両陣営が対立しているのに、古今亭志ん朝と中尾ミエが愛し合ってしまうことで、関係がややこしくなっているのです。

中尾ミエと古今亭志ん朝
BS11『なにはなくとも全員集合!!』より

タイトルが出る前に、当時にしては珍しく「これは架空の話だ」とわざわざ断り、逆に観客に「実話に基づいているのではないか」と勘ぐらせます。

喜劇ですから、ナンセンスな場面もありますが、圧巻は、行きがかり上、いかりや長介と若水ヤエ子が目覚まし時計を分解して食べることになった展開。

「栄養がないんだから」(荒井注)と止めて笑わせたところで、三木のり平が、「(食べにくかったら)何はなくとも江戸紫(を一緒に)」といって商品を出します。

三木のり平
BS11『なにはなくとも全員集合!!』より

当時の喜劇は、社長シリーズにしろ喜劇駅前シリーズにしろ、虚実ないまぜにしているので面白いですね。

三木のり平という大物を起用して作品をきちんとまとめ上げたことで同作は好評を博し、ドリフ映画はその後も1975年まで作られ続け合計16作。

渡辺祐介監督によるドリフ映画は、来る17日に、やはりBS11で第4弾の『ミヨちゃんのためなら全員集合!!』(1969年)が午後7時から放送されます。

これもDVD化されていない作品なので、私も楽しみにしているところです。

ドリフターズはさすがにみなさんご存じと思いますが、主演映画はご覧になったこと、ありますか。

あの頃映画 「喜劇・爬虫類」 [DVD]
あの頃映画 「喜劇・爬虫類」 [DVD]

映画立看ポスター フランキー堺中村玉緒「喜劇たぬき坊主」
映画立看ポスター フランキー堺中村玉緒「喜劇たぬき坊主」

ドリフ映画だョ!全員集合 - ザ・ドリフターズ
ドリフ映画だョ!全員集合 - ザ・ドリフターズ

映画パンフレット 「刑事物語 くろしおの詩」監督 渡辺祐介 出演 武田鉄也

映画パンフレット 「刑事物語 くろしおの詩」監督 渡辺祐介 出演 武田鉄也

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末尾ルコ(アルベール)

渡辺祐介、ドリフターズ『○○全員集合!!』シリーズのメイン監督・・・このシリーズ、続けて放送してほしいですね。ドリフは子どもの頃に好きだったので、今観たらどう感じるかとても興味があります。

>渡辺祐介監督のページがない

こういうことって、日本のやつはしょっちゅうですよね。米国やフランスだと、俳優や映画監督、それに真っ当な歌手などはとても充実したデータがあるのですが、日本は誰にとっても名優とされる人たちでもお粗末な情報しか載ってないことが多いのです。アイドルであれば、「何かの番組でこんな発言をした」だの、どうでもいいレベルの情報が延々と載っているのに。あるいはアニメや漫画の情報もやたら多いんです。ところが俳優などはもの凄く貧弱で、それは小説家などでも同様なのですね。このあたりにも現在の日本の歪さが出ているといつも感じております。
ドリフについては、やはりわたしは加藤茶の全盛期が大好きだったですね。もちろん子どもだったから、しっくり来たのかもしれませんが、その後志村けんが中心になってからは、もちろん多少成長したからしっくり来なくなったのかもしれませんが(笑)、あまり好きではなくなりました。かなり後になってからの、「ひげダンス」とか、どうしてウケてるのか分かりませんでした。村松友視が志村の『バカ殿様』を「どんなことがあっても観るようにしている」的なことを書いていたんですが、(いや、そこまで力を入れて観るほどでも・・・)と感じたものです。おもしろくなかったわけではないのですけれど。ともあれドリフ映画、ぜひ鑑賞してみたいと思います。
そう言えば昨日、録画していた『喜劇 駅前団地』を観ましたが、素晴らしかったです!『社長シリーズ』とはかなりテイストが違いますね。この作品の感想も、またそのうちブログに書いてみます。

>結局彫り物で自分に「凄み」の評価を他者から得たいわけですよね。

絶対にそうですよね。そして多くは、「他者を威嚇したい」というモチベーションがあると思いますし、少なくとも、(普通の人とは違うんだぜ)とアピールしたいわけですよね。それなのにちょっと色眼鏡で見られると、「差別だ!」とか「多様性はないのか!」とか、甘えとしか言いようがありません。
ちなみにわたしは定番の、つまりいつも同じ指輪を左手中指に付けております。左手中指という場所に意味はなく、付けていて一番しっくりくるからという理由だけなのですが、シンプルなシルバーリングを、もう20年くらい前からずっと同じものをしております。服装に関しても独自の美意識(♪)を貫き通しておりまして(笑)、語り始めるととても長くなるので自重いたしますが(笑)、モットーを要約すると(笑)、「流行には手を出さず、美的にスタイリッシュに、時にシンプルに」です。流行って、すぐに陳腐化して、翌年には着られなくなることわかっているのにいちいち買う人たちの感覚が不思議なのです。それと、服の価格も関係ないですね。安くても安く見えない着こなしも可能ですし、高価なブランド品で身を固めていても、(あ~あ)と感じる人、多いですよね(笑)。

ドン・レオ・ジョナサンが死去しましたね。87歳ですから、昨今のプロレスラーの中では長生きではありました。子どもの頃からほとんど試合は観たことないに関わらず、非常に憧れのレスラーでした。なにせ風貌がカッコいいんです。2mの体つきは理想的なバランスで、顔立ちも「レオ=獅子」というイメージ通り、そして揉み上げがよかったんです。さらにハイジャック・バックブリーカーという「生涯に一度見れるかどうか」というイメージの必殺技を持っていたのが想像力をいたく刺激してくれました。ただ、米国のを含め過去の試合動画をちょいちょい観るのですが、(絶対強いだろう)と思わせる雰囲気は十分ですけれど、目の色変えてぶつかり合っている試合をまだ観たことがありません。できればド迫力のジョナサンを見つけたいと思っているのですが。RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-16 03:22) 

ヤマカゼ

ドリフの映画があったとは知らなかったです。
by ヤマカゼ (2018-10-16 06:14) 

pn

江戸むらさきを出してくるとは(笑)
by pn (2018-10-16 06:16) 

馬爺

三木のり平さんドリフが共演していたんですね、知りませんでしたね。
by 馬爺 (2018-10-16 07:09) 

Rinko

「全員集合」に映画版があったなんて!しかもそれの方が先だったんですねー!!
小さい頃、「8時だよ全員集合!」が大好きでした^^
by Rinko (2018-10-16 07:42) 

なかちゃん

ずっと昔というか、子供の頃かな?1本だけ見た記憶があるのですが、それがどの作品だったのかさえ記憶にありません。
それから当時富山では『8時だよ全員集合』は見られなかったので、それについてはとても残念でした。

by なかちゃん (2018-10-16 14:10) 

ヨッシーパパ

ドリフの映画は、子どもの頃によく見に行きました。^_^
by ヨッシーパパ (2018-10-16 19:12) 

そらへい

いかりや長介さんはじめ
ドリフターズの面々が皆、若々しいですね。
by そらへい (2018-10-16 20:14) 

tai-yama

いかりやさんが火葬場の煙突から出てくる映画を
テレビの放送でみたことがあったような気が・・・。
by tai-yama (2018-10-16 23:52) 

ナベちはる

ドリフの映画があること、知りませんでした。
テレビ番組の方のイメージがとても強いので、驚いています。
by ナベちはる (2018-10-17 00:43) 

犬眉母

ドリフのスタートは映画だったんですね。
by 犬眉母 (2018-10-18 17:51) 

うつ夫

昭和の雰囲気が漂ってますね。
by うつ夫 (2018-10-21 01:37) 

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