浅茅陽子(あさぢようこ、1951年4月2日~)さんの誕生日です。おめでとうございます。NHK連続テレビ小説『雲のじゅうたん』でブレイクし、エバラ食品工業のCMに出演しましたが、それらで見せたはつらつとした魅力は、すでに『炎の記憶』というサスペンスドラマの発語障害を背負った早苗役の好演から明らかでした。(画像はGoogle検索画面より)
3月29日の、NHK『朝ドラ100作!全部見せますSP ~歴代ヒロインがチコちゃんに叱られる!?~』の放送で浅茅陽子が出演。
「きれい」「かわらない」「若い」といったツイートがたくさん流れました。
浅茅陽子には失礼ですが、今もテレビに出まくっていれば、こういうツイートはないわけで、久しぶりに見た人がそれだけ多いということではないでしょうか。
エバラCM降板騒動
浅茅陽子というと、もうすでにネットでもさんざん取沙汰されている、1992年のエバラ食品工業CM降板騒動に触れないわけに行かないでしょう。
1980年第半ばから90年代初頭まで長らくつとめ、その人気から『エバラ家の人々』なる映画まで作られたほどです。
エバラ食品工業はたくさんの商品がありますが、初代イメージキャラクターの月の家円鏡(橘家圓蔵)以来、やはり「焼肉のたれ」がメインの商品です。
それが、あるインタビューで彼女は「私はベジタリアン」と“失言”したために降板。
以来、本業の女優業の仕事も減ってしまった話です。
これはやはり、マネージャーが表に出る前に止めなければならないことでした。
でも決して、このことで浅茅陽子は恨みつらみは述べていません。
炎の記憶
浅茅陽子が一般に注目を集めるようになったのは、NHK連続テレビ小説『雲のじゅうたん』(1976年4月5日~10月2日)の“へばちゃん”に抜擢されてからではないかと思いますが、私はその前年、NTV愛のサスペンス劇場枠で放送されたテレビ映画『炎の記憶』(1975年08月04日~1975年08年29日、東京映画)が深く印象に残りました。
同作は、喜劇駅前シリーズを制作した東京映画が作りました。
そして、原案は
松木ひろし、脚本は葉村彰子、監督は千野皓司という石立鉄男ドラマトリオです。
ちなみに、葉村彰子というのは『水戸黄門』の脚本でお馴染みですが、松木ひろしや
向田邦子や窪田篤人など、喜劇、娯楽劇を手がける複数の脚本家の共同ペンネームです。
要するに、喜劇が得意なスタッフや制作会社が、サスペンスドラマを作ったというところがまず興味深い点でした。
ストーリーですが、上掲のツイートのとおりです。
幼い頃の火災のショックで発語機能を失っている早苗(浅茅陽子)は、出所した菅貫太郎の実の娘で、担当刑事だった山内明が代わりに育てていました。
事情を知らず山内明を逆恨みした菅貫太郎は、復讐で火をつけ浅茅陽子を殺そうとしますが、燃え盛る炎を見て浅茅陽子は思わず悲鳴を上げ発語を回復。
さらに真実を知った菅貫太郎は……
菅貫太郎が、薄気味悪い人相で復讐のチャンスを狙っている演技が巧すぎて、
どこにも喜劇の要素はないのですが、浅茅陽子のはつらつとした演技が、ドラマに明るさをもたらしました。
おそらく、ここでの好演が『雲のじゅうたん』につながり、そこからエバラのCMへ発展したのでしょう。
BS、CSの放送もなく、DVD化もされていないのはホント惜しいドラマです。
赤川次郎の『幽霊列車』
土曜ワイド劇場の『幽霊シリーズ』も印象に残っています。
赤川次郎のデビュー作を
岡本喜八監督でドラマ化した『幽霊列車』(1978年1月14日、大映映像、俳優座映画放送/テレビ朝日)は、女子大生・永井夕子(浅茅陽子)と、20歳も年下の彼女を好きになった捜査一課の宇野警部(
田中邦衛)のコンビで事件を解決するシリーズ第一弾。
事件が解決したご褒美に、浅茅陽子が、ドラマですが惜しげもなく全裸になって田中邦衛のふとんに潜り込むシーンがありますが、ちっともいやらしさは感じず、ああ、こういう出会いから関係へのゴールもいいなあ(笑)などと思春期の私は当時見ていて思ったものです。
ちなみに共演は、小沢栄太郎、内田朝雄、
殿山泰司など。
昭和のテレビドラマは重厚でした。
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いつもはつらつとしてこちらも元気に
浅茅陽子さんは、『炎の記憶』以来、いつもはつらつとして、こちらも元気が出てくるような気になりました。
ちなみに、冒頭の『朝ドラ100作!……』の公式サイトによれば、『雲のじゅうたん』は第34位。
真ん中より上ではありますが、思ったより評価が低いのは、43年前のドラマだからか。
今の人は知らないわけですし。
100作も続けば、すでに視聴者は3世代にまたがっており、そこに同列で順位付けというのもどうなのかな、という気もしますが、ドラマの評価が風化しないためにも、ぜひ浅茅陽子さんにはこれからも現役で頑張っていただきたいと思います。
幽霊列車 [DVD]
へばちゃんの台所
- 作者: 浅茅 陽子
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 1982/02/15
- メディア: 単行本
見たことのあるCMばかりです。
それだけご活躍だったんですね。
by 犬眉母 (2019-04-02 02:22)
浅茅陽子“エバラ”やへばちゃんは『炎の記憶』発語障害者役から・・・エバラのCMは印象的でした。わたしは朝ドラを観る習慣がなかったので、『雲のじゅうたん』については知りませんが、浅茅陽子は何かといろいろ見かける機会がありました。ただ、ある程度以上の年齢になった浅茅陽子しか知りませんでしたので、今夜の記事の内容はとても新鮮な気分で拝読させていただいております。
>「私はベジタリアン」と“失言”したために降板。
う~ん、これで降板ですか。日本の芸能界はCMのギャラに大きく依存しているので、芸能人はすごく企業に縛られている印象ですが、かなり不自由な感は否めませんね。まあ、軽率な発言ではあったですね。それにしても女優業の仕事まで減ってしまうとは驚きです。
『炎の記憶』についてもまったく知りませんが、このようなストーリーのドラマは昨今見当たりませんね。とても興味深い内容です。そして『幽霊列車』が岡本喜八ですか。凄いですね~。もうぜんぜん、クオリティが違いますよね。観ていなくても分かります(笑)。そもそも今日本に岡本喜八はいないわけですから。
>最初の1週間は昏睡で
いっぷく様の当時のお心はもうわたしなどには想像もつかない凄まじいご状況だったのだと思います。そうしたいっぷく様の人生を知り、こうしていつも多くのことを教えていただけることが、わたしにとってどれほどの力になっているか計り知れません。そして同じ気持ちの方は、きっと大勢おられると思います。
>医療スタッフが揃ったところに入院できるなら
そうですよね。いずれにしても、入院、通院を問わず、母と医療とは今後上手に付き合っていくべきだと考えております。今まで母は一部病院で嫌な思いをしたこともあり、できるだけ病院へ行かない姿勢だったのですが、これからはもうそうは行きませんので、あらゆるケースを想定しながら、医療機関や医療方法のチョイスをしていくつもりです。
母は現在リハビリで自力歩行のトレーニング中のようですが、まだすぐにとはいかない様子です。現在入院中の高知赤十字病院からいつ退院の打診が来るか、昨日で手術後2週間となりましたが、手術前の主治医の話を思い出せば、3週間くらいが一つの目安となりそうです。だからもう1週間前後ですね。まあ何が起こるか分からないので油断はできませんが、リハビリ病院をどうするか、そして入院費、治療費などお金の工面も具体化していかねばなりません。胃腸の具合が悪くなりそうです(笑)。ま、しかし母のためですから。
実はまだ今夜の記事には入れてないのですが、昨夜の面会でもかなり驚くような症状が起こりまして、まだまだ「急変」も常に念頭に置いていなければならないとあらためて思いました。すぐに落ち着きはしたのですが、大事の前兆でなければいいのですが。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2019-04-02 02:53)
焼き肉のたれのCMはさわやかな感じでしたね。
by ヤマカゼ (2019-04-02 06:15)
浅茅陽子さんのお写真を拝見して、私も全く同じ感想を持ちました。変わらずおキレイですね〜!
ベジタリアン発言があったんですね・・・^^;
by Rinko (2019-04-02 07:17)
ぢ、だったのか(^_^;)
by pn (2019-04-02 07:20)
浅茅陽子さんは、昔、西富士ゴルフ倶楽部(私は昼食を食べに来ていただけですが…)でお見かけしたことがあります。明るくて、とてもスラリとしたスタイルの方、という印象でした。
『幽霊列車』はドラマ化されていたのですか。リメイクでも良いので、観たいものです♪
by えくりぷす (2019-04-02 10:10)
こんばんは!
浅茅陽子さん、大変な病気をされたと
聞いています。 今は元気に復活されたのかな?
by Take-Zee (2019-04-02 18:50)
焼き肉のタレの宣伝をしながら、ベジタリアンというのは、やはり、大失言でしたね。
by テリー (2019-04-02 18:54)
浅茅陽子さん、懐かしいです。
by ヨッシーパパ (2019-04-02 19:16)
焼肉関連のCMで「ベジタリアンです」との発言は、さすがにマズかったですね…(汗)
by ナベちはる (2019-04-03 00:56)
浅茅陽子さん、同い年だったとは
今初めて知りました。
by そらへい (2019-04-03 22:34)