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『特捜最前線』誘拐I・貯水槽の恐怖!誘拐II・果てしなき追跡! [懐かし映画・ドラマ]

誘拐1・貯水槽の恐怖!誘拐II・果てしなき追跡!

誘拐1・貯水槽の恐怖!誘拐II・果てしなき追跡!

『特捜最前線 BEST SELECTION BOX Vol.3』(東映)には、disc9~12の計4枚のDVDが収録されています。その中のdisc9の最後に収録されている第136話「誘拐I・貯水槽の恐怖!」と、disc10の最初に収録されている第137話「誘拐II・果てしなき追跡!」について今日はご紹介します。(画像は劇中より)



ここのところ、『特捜最前線』鑑賞も私の楽しみの一つになっています。

『特捜最前線 BEST SELECTION VOL.1』二谷英明、藤岡弘、
『特捜最前線 BEST SELECTION disk6』子供の消えた十字路
『特捜最前線BESTSELECTION disk8』津上刑事の遺言!現場百回

今回は、第136話(disc9)と第137話(disc10)で、ひとつのストーリーになっています。

『特捜最前線 BEST SELECTION』は、ひとつのdiscに4話ずつ収録され、1話完結でない続き物の場合、同じdiscに連続して再生できるよう収録されていました。

しかし、今回はdisc9とdisc10の別収録になっています。

これはきっと、続けて再生ではなくdiscを分けることで、続きがどうなるのかと、鑑賞者の気持ちを煽る意図があったのかもしれないと思います。

ストーリーは、タイトル通り、子どもの誘拐です。

画像でご紹介するのが憚られるようなシーンも出てきて、前半はかなり重い展開です。

そして、例によって万策尽きてどうにもならなくなっても特命課の刑事たちは諦めず、ギリギリのところで解決という緊迫したストーリーです。

ドラマというのは創作ですが、その前提でも、観る者に感情移入させ、どこまで物語の世界に引きずり込めるかの勝負だと思います。

その意味では、本作もこれまでご紹介した話同様に、観る者が物語に入っていってしまう展開であると思います。

前代未聞の事件を前代未聞のリアリティで表現


冒頭のシーンから深刻です。

小学校高学年と思しき少年がドラム缶の中にいます。体はロープで縛られ身動きも取れず、口には粘着テープを貼りつけられ声も出せない状態。頭上からホースを使ってチョロチョロと水が流し込まれています。

誘拐1・貯水槽の恐怖!

水が貯まればどうなるか……

誘拐されたのは、朝倉産婦人科医院・院長(山本學)の長男です。

身代金5000万円と電話が入りますが、所轄の警察署の目立つ張り込みが犯人の怒りを買います。

特命課が、長男の縛られていたドラム缶を見つけて駆けつけたときには水が溢れており、長男は既に水死していました。

これまで、こうしたドラマでは、子どもが犯人にとらわれる事件の場合、無事救出されるか、あまりリアリティを感じさせない絵で殺されてしまうか、そのどちらかでした。

が、今回は、水の中に縛られた子どもが沈んでおり、ドラム缶を倒して水を出し、山本學が子どもの頬を何度も何度も泣きながら叩くなど、光景にリアリティがありすぎ、胸がずーんと重くなってしまいました。

う~ん。ドラマでここまでやらなくちゃならないのかー

時期的には、80年代に入り、ビートたけしの「毒ガス」といわれるツッコミや、江本孟紀の球界ウラ話などがもてはやされた時代です。

つまり、予定調和や、良い意味での嘘くささを「そんなことあるかい」と、斜に構えて茶化すことがトレンドになっていました。

が、ドラマの「嘘くささ」を否定すると、リアリティをエスカレートさせなければならず、結局こうなるんだよ、と、本作が無言で回答しているような気がしました。

それはさておき、捜査は所轄が外れ、特命課があたることになりましたが、滝刑事(桜木健一)がちょっと目を離した隙に次男が外に出てしまい、今度は次男が犯人に囚われます。

そして、またドラム缶に入れられ、同じことをされます。

前代未聞の、兄弟連続誘拐。そして、もしかしたら連続溺殺

特命課は、犯人との会話の記録から、怨恨であることを推理しますが、院長の悪口をいう人は誰もいない良心的な医師でした。

犯人の今度の要求は、プラス5000万円で合計1億円。

しかも、所轄の失敗を繰り返すわけにはいきません。

特命課の刑事たちは、鉄道職員、酔っぱらい、ジョギングしている市民など、様々な変装を何度も繰り返して、犯人に気づかれないように尾行します。

しかし、犯人は最初から次男も殺す気で、水は流し込まれており、水位は首の高さにまで達していました。

ここまでが第136話です。

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そして解決編


次男は、ドラム缶の壁面に口を押し付けてガムテープをはがし、口を使っていったんはホースをドラム缶の外にずらします。

ところが、通りかかった耳の遠い行商の婆さんが、子どものSOSは聞こえないくせに、気を回しやがって、また水の出ているホースをドラム缶に戻してしまいます

怒り.jpg

一方、桜井刑事(藤岡弘)は、朝倉医師の長男と次男の年齢差が8ヶ月しか違わないことに疑問をいだき、2人とも実子ではなく、とくに次男は犯人の実子であることをつきとめます。

当時、母体は難産のため助からず、犯人は収監されたので、子どもは朝倉夫妻が育てていました。

犯人はそのことを知らず、母子ともに朝倉医師に殺されたと思い込んでいたのです。

桜井刑事(藤岡弘)は、犯人に真実を話せば次男は助かるかもしれないと進言しますが、朝倉医師は、次男の実父が犯人であることは朝倉夫人(堀越陽子)も知らず、次男が真実を知ったら傷つくので黙っていてくれと懇願します。

でも殺されちゃったら、傷つくもへったくれもないのですが……。

犯人は外国に高飛びしようとして、空港で特命課に追いかけられますが、逃げて車にはねられ即死!

犯人死して、万策尽きたか……

桜井刑事(藤岡弘)は、ホースを運んだチンピラの話から、予想できる地域の水道を止めて虱潰しに探し、629箇所目にやっとドラム缶を見つけました。

が、その時は子どもは力尽きて水の中に……

しかし、今度は朝倉医師と桜井刑事(藤岡弘)による必死の心肺蘇生によって、子どもは息を吹き返します

誘拐II・果てしなき追跡!

いや、よかった、よかった。

ところで、留守番の婦人警官(関谷ますみ)まで現場に来ていましたが、特命課は誰が留守番してるの?

なんてツッコミをするつもりはありません。

本作のリアリティはもう十分わかりましたから。

特捜最前線 BEST SELECTION BOX Vol.3【初回生産限定】 [DVD]

特捜最前線 BEST SELECTION BOX Vol.3【初回生産限定】 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東映
  • メディア: DVD


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