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『アーテック すうじてんびん』あそび研究所、アーテック [生活]

アーテック数字天秤タイトル

『アーテック すうじてんびん』(型番ATC-7915)について書きます。先日からご紹介している、あそび研究所発売、アーテック製作の知育玩具のひとつです。玩具の目的は未就学児を対象としていますが、その中でも、認知症、高次脳機能障害など脳を傷害した人などのリハビリにも使えるものです。

『アーテック すうじてんびん』とは、大きな数字を重くして、数字の意味を学習させるための玩具です。



数の大小や同じ数をてんびんを使って調べることで、覚えるだけでなく実際に体感として身に付けます。
セット内容 プレイブック×1、すうじてんびん×1
商品サイズ プレイブック:148.5×210mm
包装形態 ヘッダー付PP袋
包装サイズ 180×248mm

たとえば、5と8は、5<8ですから、8の方が重くなります。

5<8

5と5は、同じ数ですから、どちらにも傾かず均衡を保ちます。

アーテック数字天秤タイトル

こうした、数の大きさを視覚的に学ぶわけです。

では、どうして大きな数字が重くなるのか。

仕組みは簡単で、大きな数字は文字通り大きいのです。

大きな数字は文字通り大きい

同じ材質のものは、当然大きいほうが重いですから、大きい数字が天秤では下がるわけです。

素朴でわかりやすい玩具


ところで、数字をしっかりと認識している普通の人なら、

「何もこんな回りくどい玩具を使わなくても、数字を順番に覚えていれば、だんだん大きくなるとわからないだろうか」

と思われるかもしれません。

でもそれは、すでに数字を概念ごと理解しているからそう思うのであって、これから数字を覚える幼児は、必ずしもあてはまらないのです。

それと、いったん数字の概念が吹っ飛んでしまった脳障害も同様です。

たとえば、私の長男は、植物人間状態から覚醒し、発語を回復してまもなくの頃でも、数字を1から順に諳んじることは出来ました。

ところが、では37と28ではどっちが大きい? と聞くと答えに詰まるのです。

つまり、数字そのものの記憶は残っていても、概念が飛んでしまっていたのです。

高次脳機能障害には、こういうことはよくあるらしいです。

火災でかろうじて外壁は残ったものの、中が全焼した我が家のようなものです。

それはともかくとして、そういう場合、わずかに「読める」ことは一切考慮せず、数字が全くわからないところから出直さなければなりません。

それも、たんなる出直しならいいのですが、高次脳機能障害は、脳と体の器官、もしくは脳内の何らかの連携が壊れているので、楽天的に健常幼児の成長と同じように考えてはいけません。

健常者なら何でもなくできることなのに、なぜか高次脳機能障害ではできない、ということがあります。

私の経験で感じたことは、

高次脳機能障害には、

認識は「一連の論理」からではなく、ひとつひとつの事象を見せて確認していく作業が必要だということです。

たとえば、

5の次の次の次が8だから、8は5より大きい

と普通は教えますね。

それによって、6よりも7よりも8は大きい、ということまで同時に理解するわけですが、

数字の概念を失った高次脳機能障害の場合、たぶんそういう教え方ではダメなのです。

5と8を直接比べて、8が大きいと理解させなければならないのです。

そして、6と8、7と8も、その都度別個に比較して理解させなければなりません。

図形の証明のような、何々は何々、ゆえに何々は云々カンヌン、という話は苦手のようです。

そういうとき、視覚に訴える『アーテック すうじてんびん』のような、素朴でわかりやすい玩具は役に立つのです。

もちろん、これは知育玩具です。健常幼児が、単純に“遊びながら数字を覚える”というコンセプトで作られているものだと思います。

が、脳障害のリハビリという視点では、そのような理由からこの商品は興味深い、ということです。

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使い勝手に課題は残るが……


『アーテック すうじてんびん』(型番ATC-7915)は楽天で251円、Amazonで403円です。

楽天が安いのは、送料別なんでしょうね。

いずれにしても、それほど負担になる金額ではないと思います。

ただ、Amazonのレビューを見ると、玩具としては評価しつつも、「天秤が外れやすい」「数字を引っ掛ける部分は、2枚掛けたらいっぱい」「薄くて、さらにかける部分が小さくかけにくい」といった注文もついています。

未就学児や、脳障害のリハビリということを考えると、「小さくかけにくい」という点は、やはり改善してほしい気がしますね。

中には、「勉強用に使いたい人には、物足りないかもしれません」という意見も書かれていますが、まあ、0~9までの数字の大小を見るだけのシンプルな玩具ですから、それ以上の学習には、また別に教材を用意した方がいいと思います。

最近は、100円ショップで、気の利いたおもちゃも売っていますが、できれば何か学んでほしい、という気持ちがあれば、『アーテック すうじてんびん』を購入されるのもいいかもしれません。

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アーテック 英語版プレイブック すうじてんびん 79012

アーテック 英語版プレイブック すうじてんびん 79012

  • 出版社/メーカー: アーテック
  • メディア: Tools & Hardware


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