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『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』金の力と人生の関係を見直す [生活]

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん

『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(ロバート・キヨサキ著、 白根美保子翻訳、筑摩書房)を読みました。すでに多くのブログでレビューが書かれていて「いまさら」かもしれませんが、興味深い本だと思ったので私の記事にします。



『金持ち父さん貧乏父さん』に登場するのは、日系五世のロバートという主人公と、生みの親の「貧乏父さん」と、育ての親の「金持ち父さん」です。

金は自分で働いただけもらい、生活は背伸びをせず、税金をキチンと払って政府や企業は福祉をちゃんとすべき」という「貧乏父さん」

金は金に働いてもらい増やし、欲しいものがあったらどうやって買うかを前向きに考え、政府や企業に依存せず自力で人生を支える」という「金持ち父さん」

「貧乏父さん」は、右肩上がりの福祉国家に生きる真面目な労働者。

「金持ち父さん」は、新自由主義でも勝ち組になる起業家や会社オーナーといったところでしょうか。

「貧乏父さん」と「金持ち父さん」は、資産についての考え方が違います。

たとえば、「貧乏父さん」は、サラリーマンとしての実績を作って、頭金をためて、何十年のローンを組んで買うマイホームこそ最大の資産と信じて疑いません。

しかし、「金持ち父さん」は、持ち家ほどリスクのある値段の高い耐久消費財はないと考えます。

「貧乏父さん」は、しっかり勉強すればいい会社に入れるといいます。

「金持ち父さん」は、しっかり勉強すればいい会社を買うことができるといいます。

ブランディングや学閥頼みで学歴を求めるのが「貧乏父さん」、自分の生活の質(能力、知識、技能)を上げるものを得る結果として学歴があるというのが「金持ち父さん」です。

「貧乏父さん」は、社会動向に自分の殺生与奪がかかっていますが、「金持ち父さん」は、むしろ社会からの解放として豊かになろうとします。

そして、主人公は、「金持ち父さん」を選び、「金持ち」を学ぶという話です。

YouTubeには、6分でわかる「金持ち父さん 貧乏父さん」がアップされています。



一部には、本書を「マルチを勧誘する本」という感想もあります。

が、「マルチという手法は商売を拡大するのに有効だ」と書いてあるだけで、具体的に何か勧誘しているわけではありませんし、「有効だ」というだけでは、とくに反社会的、ということにもならないでしょう。

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本書の読み方


いずれにしても、具体的に資産を増やす方法が書かれているわけではないので、これを読んだからといって、ただちに「金持ち父さん」になれるわけではありません。

しかし、人間の生き方について考えさせてくれる点で、興味深い書籍だと思いました。

「私は新自由主義に反対だ。だからそんな啓蒙書など読まない」

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

それでも、個人の政治思想や生き方と、そのことに関係なく新自由主義にシフトしたといわれる昨今の日本の現実があります。

たとえば、自分は社会主義がいいと思っていても、今生きる社会が新自由主義なら、日本にいる限り、それに合わせた生き方が求められます。

私個人は、格差社会だの新自由主義だのを歓迎することは出来ません。

そんなものを「どんと来い」といえるのは、五体満足で何の束縛もなく「ほしのもと」にめぐまれた人だけの世界観だからです。

ただ、本書を読むと、なぜ自分の人生がうだつがあがらないのかが、わかるような気がしました。

考え方を「金持ち父さん」に近づけることで、変わることがあるかもしれない、という前向きな気持にもなりました。

本書では、対照的に書かれているふたりの「父さん」が、どちらも完璧ということではなく、「この点については『貧乏父さん』の考えを尊重したいが、でもこっちでは『金持ち父さん』にも一理あるのではないか」と思える件があります。

どちらが正しいかという「オール・オア・ナッシング」ではなく、是々非々でふたりの父さんについて考えてみたら、いい形で昇華できるのではないかと思います。

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

  • 作者: ロバート キヨサキ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/11/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コメント 10

関谷貴文

これ有名ですよね。
みんなが投資家になったら成り立たないですけど。
by 関谷貴文 (2016-06-24 00:54) 

utamaroco

ファイナンシャルインテリジェンスを高めることって書いてあります。
株、債券、収入を生む不動産、著作権・特許権。
権利収入をうまく利用しましょうという感じかな。
ちょっとサラリーマンを下に見てる気も無きにしもあらずでけどね。
by utamaroco (2016-06-24 04:38) 

pandan

今日もお昼から雨です〜
よく降りますね。
by pandan (2016-06-24 06:15) 

pn

良いトコ取りで生きて行ければベストなのかなぁ?
by pn (2016-06-24 06:32) 

toshi

どちらになるか、才能や努力も必要でしょうが
最終的には運命ですね。
by toshi (2016-06-24 06:34) 

Take-Zee

おはようございます!
どう考えても結果も”貧乏爺さん”でしたね。
by Take-Zee (2016-06-24 06:43) 

ponnta1351

長こと生きていて言える事はその人の持って居る運が一番だと言う事です。真面目に一生懸命頑張っても報われない、運が開けない人はいくらでもいますね。

 バッカみたいなあんな人がと、皆が思う人が大成功したり。
男運,女運もその一つだと思います。
by ponnta1351 (2016-06-24 09:40) 

藤並 海

政府や企業に依存しないで自力で人生を・・・
僕の親世代の多くは貧乏父さん的考え方だと思うと
今の日本の状況は笑えないですね
by 藤並 海 (2016-06-25 01:31) 

昆野誠吾

大分前に読んでますが内容を忘れてました。
記事拝見して、そうそう!って(笑
不動産屋や建築屋、銀行屋はローン組んで
家建てましょうよと言いますがホント負債ですよね(汗
おっと、自分がこんなこと言っちゃまずいです^^;
人によって価値観と人生設計は異なりますからね。
ケースバイケースですし^^
by 昆野誠吾 (2016-06-25 17:22) 

Ferne

Үou imply like once we sing praise songѕ in Church??

Larry asked and daԁdy nodded. ?Well I can make up a wοrship song.?

So Larry jumped to his toes and commenced to make up a song to a really bad tune.
?Jesus is so cool. Ιts enjoyɑble being with God. Hes the funnest God anyone might hаve.?
Larry sаng very badly sߋ Lee had put his palms over his ears.
by Ferne (2018-07-30 22:21) 

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