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『電送人間』鶴田浩二、平田昭彦、軍国キャバレーも登場

電送人間タイトル

『電送人間』(1960年、東宝)を観ました。1960年代前半の東宝映画で『怪奇空想科学映画シリーズ』と銘打たれた作品です。精緻な特撮映像とともに、軍隊時代の因縁がストーリーのベースになり、劇中には軍国キャバレーが登場するなど、55年前の世相や人間模様を感じさせます。(画像は『電送人間』より)



遊園地(当時東京大田区にあった多摩川園)のお化け屋敷で、殺人事件が起こりました。

殺されたのは塚本(大友伸)といいます。

東都新聞の科学担当記者・桐岡勝(鶴田浩二)は、犯人の遺留品に真空管があることを発見します。

三浦工学博士(村上冬樹)に確認すると、将来トランジスターにとってかわるものだが、絶対温度42度という低温を保たねばならないという欠点がありました。

鶴田浩二は取材をしていくうちに、事件を調べていた大学の同級生だった小林警部(平田昭彦)と再会。

以後、2人は捜査で行動を共にするのですが、警察とジャーナリストが行動を共にするのか? などと突っ込まずに観続けなければいけません。

次に登場するのが、「軍国キャバレーDAIHONEI」。

軍国キャバレー自体、当時存在はしていたそうです。

男性店員は軍服姿、映画に出てきた女性は、海軍を思わせるセーラー服でお色気十分。今でも通用しそうです。

電送人間
『電送人間』より

大西社長(河津清三郎)や隆昌元(田島義文)ら経営者は、軍隊時代に金塊を横領した仲間でした。

その中には、滝(堺左千夫)、多摩川園で殺された塚本(大友伸)、須藤(中丸忠雄)、仁木博士(佐々木孝丸)らも含まれていましたが、横領に反対した須藤と仁木博士を撃ち、ダイナマイトで爆破して4人は逃げました。

2人はてっきり死んだと思った4人でしたが、軍国キャバレーに須藤(中丸忠雄)があらわれて、隆昌元(田島義文)を殺害します。須藤(中丸忠雄)は復讐のためにあらわれたのです。

鶴田浩二と平田昭彦は、須藤(中丸忠雄)を芝浦の倉庫に追いつめ、不思議な円筒を廻転する冷却機械を発見します。

これは以前、須藤(中丸忠雄)が、冷却器メーカーの中条明子(白川由美)に注文したものでした。

鶴田浩二は白川由美と、須藤(中丸忠雄)のいる軽井沢に向います。須藤(中丸忠雄)は2人を迎え入れていますが、その日に、滝(堺左千夫)が殺害されました。

つまり、須藤(中丸忠雄)のアリバイは成立します。

そのからくりは、やはり下半身を失って生き残った仁木博士(佐々木孝丸)が、九分通り完成させた物体電送機を、須藤(中丸忠雄)が無断で使っていたのでした。

須藤(中丸忠雄)は物体電送機を利用して、瞬時にあらゆるところに移動して復讐を重ねていたのです


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人物の心模様がもっと描かれていればもっと面白かった


『美女と液体人間』『ガス人間第一号』とともに、「怪奇空想科学映画シリーズ」と銘打たれています。

『美女と液体人間』白川由美と平田昭彦、佐原健二、佐藤充
『ガス人間第1号』壮絶なラストと特撮、大人の心模様を描ききる

当時の特撮技術の評価はわかりませんが、青白い横縞模様で人間が徐々に消えていく映像は、「電送」というタイトルにリアリティを感じさせました。

特撮としては、3作品の中でいちばんインパクトがありました。

ただ、須藤(中丸忠雄)の復讐の意図がよくわかりませんでした。

須藤(中丸忠雄)は、結局仁木博士(佐々木孝丸)も殺してしまうのですが、生き残った者同士が手を携えて復讐するのではないのか、では仁木博士(佐々木孝丸)はどうしてそんな機械を作ったのか、というのが疑問です。

金品を奪っているわけではないので、欲得の仲間割れというわけでもありません。

最初から、物体電送機ができたら仁木博士(佐々木孝丸)を殺すつもりなら、「戦友」まで殺しても復讐を遂げる須藤(中丸忠雄)のせっぱつまった心情をもう少し描いてもよかったんじゃないかと思います。

たとえば、須藤(中丸忠雄)は仲間割れの時、金塊横領を「貴様ら、それでも帝国軍人か」と憤っているのですが、そうした軍人魂は彼らに復讐した後、最終的に何を目指したかったのか、などが明確だと感情移入しやすいのにと思いました。

『美女と液体人間』もそうでしたが、白川由美が着替えるシーンもあり、下着姿になっていました。

『水戸黄門』における由美かおるのようなものかもしれませんね。

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