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世界のニュースを日本人は何も知らない(谷本真由美著、ワニブックス) [政治]

世界のニュースを日本人は何も知らない(谷本真由美著、ワニブックス)

世界のニュースを日本人は何も知らない(谷本真由美著、ワニブックス)という書籍をご紹介します。

日本のマスコミでは報じない、世界の真実に迫るとする書籍です。日本のマスコミは世界のことを報じないので、日本人は何も知らないんだ、という「衝撃の内容」ということになっています。



本書の内容を一口に述べると、

日本国内で流通しているニュースは低レベルで、視野の狭いものばかり。もっと世界のニュースに目を向けよう!

という内容です。

もちろん、こういう居丈高な書き方は、ツッコミが入ります。Amazonレビューにも色々書かれていました。

1.日本は低レベルと言うが、外国のニュースはそんなに高レベルなのか
2.海外通を気取る著者はそもそも国内の事情に通暁しているのか

こういうツッコミはもっともですから、全面的に真に受けて卑下する必要はないと思います。

ただ、国内ニューだけでなく、世界を知って、日本の出来事をより広い視点から相対化しましょうという趣旨はうなずけると思います。

海外のメディアは、政治や経済のことを報じているのに、日本は芸能だの些末なことを中心とした壁新聞的なものだということは、たしかに多くの識者が指摘しているところでもあります。

また、それ以外にも傾聴に値する箇所もあるので、今回ご紹介します。

海外だけでなく国内も


Amazonの販売ページには、見出し例が公開されています。

ここで、だいたい内容がわかりますね。

●日本の「トップニュース」に外国人は驚いている
●外国人にとって常識的なことを日本人は知らない
●アフリカのメディアを買収する中国
●本当はものすごく豊かなアフリカ
●日本人が知らないトランプ大統領の意外な評価
●EU・国連はまるで“町内会”
●ロンドンでは白人のイギリス人は少数派
●男女別の講義をしろという圧力に悩むイギリスの国立大学
●逆差別を受けている! と声を上げる白人男性
●人種差別にも“格差”がある
●日本人が知らない日本への厳しい評価
●日本人が知らない意外な親日国とは
●世界のニュースを知らないことが命取りに
●世界の「国民性」を日本人は何も知らない

など、「日本人は何も知らない」という点で一貫しています。

でも、じゃあ、外国人は日本のことに通暁しているのか、日本の政治や経済を逐一報道しているのか、という反問も出てくるんですけどね。

そして、もっと突っ込めば、だったら著者は、国内のことも無謬万能なのか、ということで、たぶんそんなことはない。

誰でも時間や能力のキャパにそれほどの違いはありませんから、「海外通」は、一方で国内情報に弱点もあるはずです。

国連で仕事をして、イギリス人と結婚したという著者が、「国際派」を標榜する、たんなる西洋かぶれの主観が前提となっているような気もします。

ですから、著者のように海外のことばかり見ていると、逆に肝心の日本のことがわからなくなる、という場合もありますから、まあ、日本と海外のメディアは報道の力点が違う、という程度に知っておいて、あまり「日本がだめだ」という結論を気にしなくてもいいのではないかと私は思っています。

寄り道・回り道の努力もいずれ役に立つ


ただ、それはそれとして、興味深い件というか、参考になるいい話もあります。

メディアの戦略に乗せられるのは、「自分の頭で考える」ことができないからだ。

では、メディアのいうことを鵜呑みにせずに考えるようにするにはどうしたらいいか、という話として、こう書かれています。

「創造性を豊かにしたいのであれば、無駄と思われることにも取り組んで寄り道した方がいい。生産性や効率性ばかりを追求していると、いつかあなたの創造性は殺されてしまうかもしれません。」

なるほどなと思いました。

どういうことか。

たとえば、Amazonでは、ある書籍を探すと、類似書、関連書も一覧表示されますよね。

ですから、自分で苦労して探さなくても、調べたいことの関連書籍を「効率よく」知ることができる。

書店で自分で探そうとすると、何の関係もない本を選んでしまい、肝心の調べたいことについては選び損なう、なんてことがあります。

でも、それが「無駄」とか「失敗」なのかというと、そうともいえない、というのが著者の意見です。

そういう「回り道」から、自分の見識の幅が広がることがある。

我々の努力というのは、その時は直接役に立たなくても、別の展開に役立つかもしれない。

何より、その「功率」に従っていたら、Amazonのマーケテイングに乗せられてしまいます。

ですから、あまり、手っ取り早く結論を得たいと思わないで、成り行きに任せて、いろいろな体験を楽しむようにしたらいいと思いますね。

たとえば、ネットを見ていると感じるのは、2つの陣営に分かれて「議論」するのが好きみたいですね。

たぶん、単純でわかりやすいからだと思います。

「ネトウヨ」と「パヨク」のポジショントーク対決なんてその典型です。

自分の陣営は間違ってても目をつぶり、相手の方は揚げ足取りでもいいから誹謗する。

そんな不毛な対決の「議論」ばかりで、結局なにも答えは出ない。

でもね、どっちかが全面的に正しいなんてことはありえないですよね。

それどころか、どっちも頷けない、ということも多々あります。

そういう場合、どちらかのポジションありきではなく、どちらの意見も受けとめて、面倒でもその都度是々非々で評価することが、あるべき道筋だと思うのです。

「ネトウヨ」と「パヨク」のポジショントーク対決に、「緊縮財政で失われた30年の日本は、そんなディベートゲームしてる場合じゃないだろう」と、かねてから苦々しく思っていた私としては、本書はその誤りを示唆するものだと思いました。

みなさんは、海外の情勢には、興味を持たれていますか。

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コメント 9

赤面症

世界の「国民性」を日本人は何も知らない

他所の国だって自分の国しか知らないのでは?
by 赤面症 (2024-02-04 01:15) 

mm

この本は宣伝が目立ち(新聞紙上で)ちょっと気になっていました。
「それではあなたは何でも知っているの?」と言う気にさせられました。
いっぷくさんの書かれたことに賛成です。
by mm (2024-02-04 06:11) 

pn

移民暴動系のニュースはTwitterとの温度差があり過ぎ(笑)
by pn (2024-02-04 10:52) 

ムサシママ

西洋かぶれの主観が前提となっているに大賛成です
西洋の人がどれだけ日本、アジアの事を知っているのか
もう西洋に憧れるのは辞めましょうと言いたいです
外国の事を知らなくてもレベルが低くても何の問題なく幸せに暮らしていける日本が大好きです
by ムサシママ (2024-02-04 11:59) 

プー太の父

見出しを読んだだけで本の内容に興味がわきますね。
日本人が知らない意外な親日国を知りたいです(^^

by プー太の父 (2024-02-04 13:25) 

tai-yama

ニュース=テレビという観点ですね。60代以上に
当てはまるけど・・・
by tai-yama (2024-02-04 22:50) 

mau

知りたいことしか見てないですね
多分、自分に都合良く解釈してるのかな
by mau (2024-02-05 00:05) 

t-yahiro

片側の意見を持っていても、もう片側の意見も同時に考えないと見えてこない本質もありますね。
by t-yahiro (2024-02-05 00:28) 

yokomi

世界の人たちは日本を十分知っているか....というより、ネットで流れてくる日本のニュースは低レベルものが多いように思われます。新聞でも良いですから、日本のみならず、外国の政治経済等についてもニュースをチェックして欲しいです。
by yokomi (2024-02-05 18:17) 

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