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南幌町家族殺害事件(2014年)家制度の旧弊な考えの犠牲者 [仏教]

南幌町家族殺害事件(2014年)家制度の旧弊な考えの犠牲者

南幌町家族殺害事件(2014年)は、祖母が絶対的な家長として振る舞い、血のつながった孫が虐待され続けたことで殺害に至った事件です。『良い殺人/悪い殺人』なんていう議論もありましたが、『絶対君主の家~2014年北海道南幌町家族殺害事件~』(藤田素子著、ぶんか社)が漫画化しました。

南幌町家族殺害事件(2014年)は、北海道空知郡南幌町で発生した、女子高生が母親と祖母を殺害した事件です。


簡単に述べると、祖母の常軌を逸した「しつけ」と称する虐待や、それに唯々諾々と従う母親によって、飼い犬以下の扱いに我慢ができなくなった一家の三女が、祖母と母親の殺害に及んだものです。

個人的怨恨ではなく、背景には「尊属>卑属」なる旧弊で非合理な家制度の人間関係がありました。

卑属というのは、自分よりもあとの世代に属する血族のことをいいます。 つまり、子や甥姪、孫、ひ孫などの子孫に当たる人のことです。一方、自分よりも前の世代に属する血族を尊属と称します。

祖母は、頭や胸など7箇所を刺され、母親は喉仏から頸動脈まで切り裂かれていた、ともに失血性ショック死でした。

YouTubeでは、2023年6月26日現在、少なくとも5つの動画チャンネルで事件を取り上げています。

児童相談所はいったん保護したのに……



もともと、一家は、水道工事関係の仕事をする父に、母、長女、次女、そして犯行に及んだ三女という、平和な5人家族だったのですが、そこに夫を亡くした母方祖母が入り込んで、同居することから不幸が始まります。

病気で亡くなった夫の生命保険金が入った祖母は、それを原資に株投資で資産を増やし、一家が住む一戸建てを建てました。

「ここはアタシの家だよ。アタシの家に住むのなら、アタシのいうことを聞くのが当たり前だろ」

祖母はすっかり戸主としての実権を握り、ついていけなくなった娘の夫は2年後に離婚。

次女を連れて祖母の家を出ます。

娘の子で残ったのは、長女と三女。

しかし、旧弊な家制度の価値観に凝り固まっていた祖母は長子主義で、同じ孫なのに長女だけを跡取り娘として可愛がり、三女は下女扱いで、母屋から離れた物置に住まわせました。

祖母は母親に、「子供は1人でいい。2人も3人も産むなんて恥ずかしいことだ」と言っていたとか。

三女の母親にとっては、自分の親はその祖母ですから、祖母が絶対ということは、母親も自分の娘を虐待することになります。

「しつけ」と称する虐待だけでなく、三女を家事や犬の世話など「無料の家政婦」としてこき使いました。

Wikiでは、「三女」ではなく「少女」と表記されていますが、以下のことが、警察の調べや裁判の陳述などでわかったとまとめられています。

頻繁に雪かきや草むしりをさせられていた。
祖母の飼っている犬の散歩をするため、毎日夕方5時まで帰るよう命じられており、学校から走って帰っていた。
冬に車庫の前に立たされていた。
少女だけ表玄関の使用を禁じられ、勝手口を使っていた。
生垣の手入れを全部させられていた。祖母は窓から杖で指示していた。
小学生時代、ランドセルを買ってもらえず、風呂敷で通っていた。
少女だけ、二段ベッドの置かれた離れで寝起きしていた。
裸で屋外にほうり出され、祖母から頭から水をかけられては笑われていた。

それ以外にも、「生ゴミを食べさせられていた」という三女自身の裁判における証言もあります。

これだけ事態が明明白白な虐待で、どうして警察や市役所や児童相談所は止められなかったのでしょうか。

いえ、いったんは止めたのです。

実は、児童相談所は、いったんは子供たちを保護しているのです。

が、祖母らと面談を重ねて保護を解除してしまいます。

虐待が刑事事件に行き着くパターンがこれです。

保護解除がやむを得なかったとしても、「次はないぞ」と釘を刺し、要監視の中で厳しく取り締まるべきだったのです。

三女は、殺害5日前には姉に買ってもらった端末で、殺人をほのめかすツイートを行ったり、友人との電話では殺害の意思を伝えたりしています。

めったなことで口外しない、もといできないだけに、それは「固い決意」の表明だったわけですから、止められなかったことが惜しまれます。

では、なぜ止められないか。

なぜ、毒祖母と毒親を厳しく監視できなかったのか。

あの法律のせいです。

子を奴隷とする民法の改正が急務


この事件は「尊属殺人」ということになりますが、こんなバアさんを「尊属」なんて呼ばなければならない社会のあり方に根本的な問題があります。

この事件の大もとにあるのが、先日もご紹介した法律です。
第818条 成年に達しない子は,父母の親権に服する。 2 子が養子であるときは,養親の親権に服する。
子は、親に無条件で従う奴隷であることを示す法律(民法第818条)です。

家制度に固執する古い世代の意向で、戦争が終わっても、こんな考え方が残っちゃったんですね。

お釈迦様「親孝行なんて気にしなくていいんですよ」

私は繰り返し書いていますが、親の意思で子を生んだのですから、「生んでくれてありがとう」以前に、「生まれてくれてありがとう」だと思います。

親子関係とは、根源的には親が子に感謝すべき関係なんです。

そもそも、現代は家制度が否定され、家族制度に発展したことを忘れてはなりません。

親子関係は、今回のように虐待する毒親のケースもあるので、「親に感謝しろ」を道徳として万人に強制するのは非合理な価値観であり、子が親をどう見るかは、子の「内心の自由」にすべきだと思います。

仏教の世界では、妻子と「王子の椅子」を捨てて出家したお釈迦様が、親孝行なんて言うはずはありません。

そもそも、血縁に対する執著は「渇愛」と言って、煩悩の一つとして戒めています。

さて、罪は罪ですが、ではいったい三女はどうすればよかったのでしょうか。

みなさんは、三女がどうすればよかったと思いますか。

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赤面症

まだ地方には、こういう家庭があるかもしれません
by 赤面症 (2023-06-26 01:21) 

pn

児相が役立たずなら自衛しかないんだから逃げるか殺すかしかない。父親はなぜ次女だけ連れて行ったんだろうか?
憲法改正の前に見直す法律たくさんあるよね絶対。
by pn (2023-06-26 06:26) 

lamer75

こんにちは。
またまた続きをUPプしました。
by lamer75 (2023-06-26 13:22) 

青い森のヨッチン

若いころ大学の法学の講義で尊属殺人という言葉を知りました(当時はすでに尊属殺人の量刑の加重は廃止)。
この事件の祖母の振る舞いや思考には何となく北海道という土地も影響しているのではと思いました。
生きるために過酷な判断を下さないければならなかった時代が古い時代の北海道にはありました(私の住む北東北も同じ)
究極の生存戦略が硬直した祖母の思考の原点なのか年寄りが子供らにないがしろににされないだけの資産を得たことによる不幸な事件だったのかも
by 青い森のヨッチン (2023-06-26 13:37) 

コーヒーカップ

「誰のおかげだ」
結局世の中お金で
それが良くないのかも。


by コーヒーカップ (2023-06-26 20:40) 

tai-yama

その、ばあさんも多分虐待されていたのかと・・・・
部活動では良くある話ですね。先輩にやられていたこと
をそのまま後輩にも同様にやると。
by tai-yama (2023-06-26 23:15) 

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