広末涼子の不倫報道、仏教は不倫をどう見るか？：戦後史の激動：So-netブログ

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仏教から見た『ホームレス収容所で暮らして.. ｜『目撃者はいなかった』（芦沢央著、新潮社.. ブログトップ

広末涼子の不倫報道、仏教は不倫をどう見るか？　[仏教] [編集]

広末涼子の不倫報道は、久しぶりに芸能スキャンダルらしい軽い話題です。ジャニー喜多川、市川猿之助と、芸能ニュースは重い事件が続きましたが、昨日今日と他人の私的なスキャンダルでネット掲示板が盛り上がっています。さて、仏教的に不倫をどう見たらいいのでしょうか。

広末涼子の不倫報道です。

これは、広末涼子も、相手の男性も認めているので、まあ噂とか疑惑ではなく、「シタ」ということでよいと思います。

【報道認める】広末涼子が不倫を認める、双方が謝罪文をSNS投稿https://t.co/y7bPTUWaWd

広末が、自身のインスタグラムに直筆の謝罪文を投稿。「一部、週刊誌で報じられているとおり、鳥羽様との関係は記事のとおりです」と、報道の内容を認めた。 pic.twitter.com/k3IyErFxn7
— ライブドアニュース (@livedoornews) June 14, 2023

昔からご自身がそういう人間だと公言していましたし、この人がヤッても、これまでの生き様から見て、今更驚きはないですけどね。

いかにも芸能ニュースらしい「スキャンダル」ですが、さて、不倫というのは、仏教的に見てどうなのでしょうか。

不倫は、宗教で禁じられているから「いけないこと」になったとしている向きもありますので、簡単にまとめてみます。

仏教がなぜ不倫を戒めたか

お釈迦様の仏教は、決め事を「戒律」といいますが、「戒」と「律」は別のもので、「戒」は在家信者の道徳、「律」は出家者のルールにあたります。

「戒」には、五戒といって、「生き物をころさない」「盗まない」「浮気をしない」「嘘をつかない」「酒を飲まない」などがありますから、つまり不倫は禁じられています。

ただ、それを破ったからと言って、何かペナルティが課されるわけではないようです。（佐々木閑『出家とはなにか』大蔵出版）

仏教は、他の宗教と違い、神様に誓うわけではなく、あくまで自分の心の問題なので、自分自身で「戒」を守れないダメなやつを自覚する、という程度のことです。

そりゃそうです。出家者は在家の人に托鉢して飯をもらっているわけだから、スポンサーを罰することなどはできるわけがないのです。

では、どうして浮気はいけないのか。

やはり、男女間のトラブルが憎しみ（業）をうむ、ということだと思います。

一方、出家憎団の「律」ですが、「不倫」ではなく、そもそも性行為が禁止されています。

ただし、そこには救済措置があって、事前に理由を断ればいいそうです。緩いですね。

たとえば、「溜まったから風俗行ってきます」「あの娘が、私と関係しないと死んじゃうって言ってるんで、ちょっと人助けしてきます」などはいいみたいです。

とにかく性行為そのものが人の道として悪いと言うより、僧集団の秩序を守るためだったようです。

それとともにいわれているのは、性行為をしない⇒子どもをつくらない、ことによって、自分は好き好んで出家したけれども、それを子孫に強要しないという意味があります。

新興宗教には、宗教二世とかいわれる人たちいますよね。

本人が望むと望まざるとに関わらず、親がそうだと信者にさせられてしまう。

お釈迦様の仏教は、それを否定していたわけです。

私は、それは積極的な意味を持つと思いますね。

自分が帰依するのは勝手だけど、別人格（子孫）に押し付けるなと。

本来の仏教というのは、そういうものなのです。

では、現在の私たちが「仏教」といっている大乗仏教ではどうかというと、六波羅蜜という「戒」がありますが、そのなかの「持戒」に、「道徳や法律を守る戒めの心」がとなえられています。

大乗仏教は、利他の心が大切なので、配偶者や子供を泣かせてはいけないよ、ということがあります。

今回の不倫で、キャンドルジュンさんは、広末涼子と相手に、「夫権の侵害」として民法上の不法行為の損害賠償や慰謝料を求めることができますから、まあ大乗仏教的にもいけないことですね。

ですから、瀬戸内寂聴さんの、「不倫がいけないなんて誰が言ったんでしょう」という「法話」は、

瀬戸内寂聴さん　本音ポロリ「不倫がいけないなんて誰が言ったんでしょう― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://t.co/Ob93YRnfob
— 倉持薫 (@l4ikwgs8) June 14, 2023

住職として間違ってたんですよ、信者の皆さん。

不平不満を抱く大衆が自己愛に浸るために叩く

ただし、煩悩は誰にでもあるものです。

浄土真宗に至っては、煩悩をなくさなければならないとすら言っていませんから、結局は自分の心の問題なのです。

自分は不倫はしない、不倫するやつは軽蔑するというのなら、心のなかで思っていればいいことで、ヤフコメなどで、ああでもないこうでもないと、評論家にでもなったつもりで熱くなって説教を書いている人々は、おかしいと私は思います。

無明煩悩しげくして、塵数のごとく遍満す
愛憎違順することは、高峯岳山にことならず（正像末和讃）

不平不満を塵の数ほど抱き、そのはけ口に自分の意見と違う人を叩きたがる人の心が、山や峯のようにそびえ立っている、という親鸞の人間観察です。

広末涼子の煩悩を叩くあなたに煩悩はないのか。

そんなところで、人を叩いて「正義の心のある自分て素敵」などと、レベルの低い自己愛に浸っているのではないか。

そんなことより、自分の煩悩と向き合えよ、という話です。

それにしても、結局人間のメンタルは、鎌倉時代からちっとも進歩していないんだなと思いました。

ま、こういうツイートは、笑いますけどね。