深作欣二、『仁義なき戦い』でヤクザ映画を実録ものにシフトさせる [懐かし映画・ドラマ]
今日は、深作欣二さん (1930年7月3日~2003年1月12日)の生まれた日です。東映の監督として、「ヤクザ映画」のモチーフを実録ものにシフトして成功。以後は角川春樹事務所や松竹などで、『魔界転生』『蒲田行進曲』『上海バンクキング』などヒット作を次々撮りました。(上の画像は以下のOGPより)
深作欣二とは誰だ
深作欣二は茨城県出身。
茨城大学教育学部附属中学校⇒水戸第一高等学校⇒日本大学芸術学部卒業後、1953年(昭和28年)に東映へ入社します。
千葉真一の初主演作品である『風来坊探偵 赤い谷の惨劇』で監督デビューし、その後も千葉真一作品を何本か撮っていましたが、その名を広く知らしめることとなったのは、『仁義なき戦い』シリーズです。
その後は、『柳生一族の陰謀』『復活の日』『魔界転生』『蒲田行進曲』『里見八犬伝』『忠臣蔵外伝 四谷怪談』『バトル・ロワイアル』などヒット作品の監督をつとめました。
#今日は何の日 1981/6/6深作欣二監督版「魔界転生」公開記念日!
— ラクメキアそーさい/新井博之助 (@sousai_h) June 5, 2020
なんか深作監督&ジュリーの日だぬw pic.twitter.com/QV2ngY2FqJ
「バトル・ロワイアル」2000年、フカギンこと深作欣二監督作品、柴崎コウたん、栗山千明さま。制服も普段着も、お素敵よ。
— ガラマニ (@garamani) February 23, 2019
#好きな美少女映画を教えあう pic.twitter.com/bpQOANsjYN
テレビ映画では、東映製作の『キイハンター』『Gメン'75』のほか、“社外作品”の東宝系になりますが、萩原健一主演の『傷だらけの天使』でも監督をつとめました。
第3話では、『サインはV』などに出演して子供の視聴者層にも親しまれていた中山麻理が、いきなりヌードダンサーの役で登場したのはびっくり。
傷だらけの天使で伝説のオッパイ回『ヌードダンサーに愛の炎を』の中山麻理のストリップ観てた修が立っちゃって立てなくなる時のショーケンの演技が素晴らしい!あんなに上手に勃起を表現出来る役者は他にいない!何と深作欣二監督! pic.twitter.com/R4LEsDrkFr
— 魂のアソコさそり監督 (@sasorikantoku) March 29, 2019
「深作欣二監督なら……(脱いでもいい)」ということだったのだと思いますが、同作は著名な女優がほかにも脱いでおり、昭和のテレビドラマはすごかったなあと改めて思います。
仁義なき戦い
深作欣二『仁義なき戦い 代理戦争』
— じょこんだ (@jocondejoconda) June 24, 2020
ほんとに何度観ても面白い!
権力(=勢力=暴力)に対してどういうスタンスをとるのか?という個々人の意図が入り混じる群像劇。
全員参加型の実利&保身ゲームなのに全員が人間臭くて魅力的という奇跡のような映画だ。
あと小林旭のスーツの着こなしが素敵すぎる pic.twitter.com/cxNfQ9z4bK
『仁義なき戦い』は、広島で実際に起こった抗争について、当事者だった美能幸三氏の手記をもとに飯干晃一氏が著した小説。
裏社会のことが、実名で詳細に書かれた書籍として大変に価値があり、映画史的にもジャーナリズム史としても、特筆すべき作品だと思います。
その映画化(東映)が、昭和40年代後半から50年代にわたって、深作欣二監督、笠原和夫脚本、菅原文太主演で5本制作されました。
東映は、『仁義なき戦い』のヒット以来、田岡一雄・山口組三代目組長(山口組三代目)、菅谷政雄・菅谷組組長(神戸国際ギャング)、川内弘・川内組組長(北陸代理戦争)など、その世界の実力者を主人公にした実録ヤクザシリーズを5年にわたって作り続けました。
それまでは、東映の「ヤクザ映画」は、鶴田浩二や高倉健、藤純子らによる様式美や予定調和を基本とした任侠ヒーロー物語でしたが、それにかわり、人間としての弱さ、理屈を超えて発する感情、はかなさなどを活写した実録ものを撮るようになったのです。
私はそのすべてを見ましたが、やはり最高傑作は、『広島代理戦争』ですね。
広島にある、もともと兄弟関係にあるふたりの親分が、ある大物親分の跡目を巡って対立。
いずれも、神戸にある大きな組と盃を交わし、その組の威信をかけてたたかったため、「代理戦争」と呼ばれています。
主役の菅原文太は、その一方の親分である金子信雄とは親子盃、もう一方の親分である加藤武とは兄弟盃を下ろしてもらっていましたが、結局加藤武の側にまわります。
地元の人でも使わなそうなコッテコテの広島弁は、マニアからは「様式美」と評価され、そのセリフは今も繰り返しネット掲示板で使われています。
キイハンター
【『生頼範義展』雑想:28】1960後半?70年代前半に育った児童たちにとって、『キイハンター』や『ルパン三世(前半)』、団次郎演ずるMG5のCMや『帰ってきたウルトラマン』に感じたカッコよさは、やがて成長と共に、書店に並んだ生頼アートのそれに直結していった。https://t.co/t7Usw5iXLr
— 伊藤隆介 (@RyusukeIto) November 11, 2019
実録ヤクザ映画のターゲットは男性でしたが、『キーハンター』(1968年4月6日~1973年4月7日、TBS)は女性ファンがいました。
架空の国際警察特別室・室長の村岡(仲谷昇)だけが知っている6人の冒険者・キイハンターが、国内外の悪を退治するアクションドラマです。
6人とは、丹波哲郎、野際陽子、川口浩、谷隼人、大川栄子、千葉真一。
当時、クラスの女子はもう千葉真一が一番人気でした。
番組は、その一番人気の千葉真一が「降板したい」と言ったから最終回になった、といわれています。
この番組で知り合った野際陽子と結婚することになったので、夫人との共演はやりにくいから降板したかったのかもしれません。
この枠では、引き続き『アイフル大作戦』『バーディー大作戦』といったドラマが制作されましたが、今度は谷隼人と松岡きっこが結婚することになり、2人は番組を降ろされています。
妻は中原早苗
中原早苗、笹森礼子、浅丘ルリ子、清水まゆみ、吉永小百合、芦川いづみ pic.twitter.com/iRhj2jFN1t
— APACHE (@lamen47) November 17, 2015
深作欣二監督の妻は、女優の中原早苗(1935年7月31日~2012年5月15日)。
俳優の川地民夫(1938年7月21日~2018年2月10日)と1964年に事実婚を発表しましたが、その翌年には深作欣二監督と結婚しました。
昭和時代の言葉でいうと、中原早苗はなかなかのお転婆で、車のスピード違反などが週刊誌沙汰になり、ドラマ『ザ・ガードマン』では、怨恨殺人を犯しながら、美味しそうにその日の晩御飯を食べる団地の主婦を演じるなど、上のOGPの頃の美人女優から、歳を取るにつれてキャラクターが変わってしまいました。
が、妻としては、その後、深作欣二監督が主演女優と何度かゴシップがあっても、深作欣二監督が亡くなるまで添い遂げ、その後は自らも芸能界を引退するなど、深作欣二の妻として過ごしました。
深作欣二監督は、どんな作品がお好きですか。
柳生一族の陰謀 - 萬屋錦之介, 千葉真一, 松方弘樹, 西郷輝彦, 三船敏郎, 大原麗子, 志穂美悦子, 真田広之, 原田芳雄, 丹波哲郎, 深作欣二, 野上龍雄, 松田寛夫, 深作欣二
蒲田行進曲 - 松坂慶子, 風間杜夫, 平田満, 高見知佳, 原田大二郎, 清川虹子, 千葉真一, 真田広之, 志穂美悦子, 深作欣二, つかこうへい
あの頃映画 「上海バンスキング」 [DVD] - 松坂慶子, 風間杜夫, 平田満, ケン・フランケル, 深作欣二
私の中では、必殺仕事人ですかね
by mau (2020-07-03 23:08)
「バトル・ロワイヤル」が20年前の作品というツイート、もうそんなに経っていたのかと驚きです…
by ナベちはる (2020-07-04 01:23)
深作監督は茨城県出身だったんですね!
初めて知りました。
by shiho (2020-07-04 04:22)
必殺仕掛人っすかねー。
昔のテレビは濡れ場普通に出してたもんね、良い時代だった(笑)
by pn (2020-07-04 06:16)
昭和のテレビドラマは大胆で面白かったですね。
今のドラマは規制が掛りすぎてあれ??って思う場面が多すぎるような気がします。深作欣二さん、良い時代に活躍できて良かったです。
by kou (2020-07-04 10:43)
学生時代は、SF小説を読むのが三度の飯より好きでした。
小松左京原作の『復活の日』も然りです。映画化してくれた
深作監督には感謝です。
by 十円木馬 (2020-07-04 12:11)
おはようございます。
キィハンターは、リアルタイムで視聴していたような気がします。
千葉真一さん、かっこよかったです。
私事恐縮ですが、当時私の家のTV受像機は白黒でした(笑)。
また長野県は、民放TVがTBS系(信越放送)一局のみか、
もしくは2局目のフジTV系列(長野放送)ができたかどうかの時期でした。
追伸:コメントありがとうございました。
by Azumino_Kaku (2020-07-04 12:27)
柳生一族、魔界転生は思わず手に力が入って見てしまいますね。
by ヤマカゼ (2020-07-04 13:22)
薬師丸ひろ子さんの里見八犬伝は映画館でも見ました。
演出は今見るとチープな所はあるのですが、迫力(空気)が
なんか凄い気がしたり。
by tai-yama (2020-07-04 19:04)
やっぱり錦ちゃんが一番。柳生一族の陰謀は時代劇の集大成。時代がかったせりふは、錦ちゃんならでは。深作監督のクレームもなんのその。それを押しのけて通した意気地は素晴らしい。まさにラストサムライ。
by beny (2020-07-04 21:32)
清水まゆみって懐かしい。和田浩二との共演が多かった気がします。中原早苗は、海の情事に賭けろの赤木圭一郎の恋人役が印象に残ってます。はまり役で代表作といっても良い、蠱惑的でした。
by beny (2020-07-04 21:44)