昨日、NHKアーカイブという過去の番組を紹介するFacebookのページでは、吉村実子特集として『ドラマスペシャル 父の詫び状（わびじょう）』（1986年放送）を投稿していました。戦前の庶民の家族のきずなや哀感を描いたドラマです。（上の画像はNHKアーカイブよりスクリーンショット）
吉村実子とは誰だ
吉村実子さんは、高校生の時に、今村昌平にスカウトされて、『豚と軍艦』（1961年、日活）のヒロイン役で映画デビューした女優です。
芳村真理さんの妹です。
新藤兼人監督作品『鬼婆』（1964年、東宝）では、ブルーリボン賞助演女優賞も受賞しました。
ところが、女優としてこれからというときに、石立鉄男との結婚で休業してしまいます。
そして、25年という長い別居生活の後に、NHKドラマ『あ・うん』（1980年）のヒロイン役で本格復帰し、2作目がこの『ドラマスペシャル 父の詫び状（わびじょう）』だったのです。
20年近いブランクがあったため、娘役から急にお母さん役になってしまい、女優としてのキャリアを考えると、惜しいことをしました。
NHKアーカイブは、これまでにも『ＮＨＫ劇場 妹はまだ・・・・・・？』（1966年）や、
『テレビ指定席 駅』（1965年）といった、休業前の懐かしい作品の一部を公開しています。
そんな吉村実子さんで私が印象に残るのは、やはり黒澤明監督の『
どですかでん』（1970年、東宝）です。
どですかでん
『どですかでん』は、すでに、このブログでは何度かご紹介していますが、世界のクロサワの凋落が本作から始まったと酷評する人は少なくありません。
が、たとえば人気ドラマ『あまちゃん』を書いた脚本家・宮藤官九郎さんは、『人気脚本家・宮藤官九郎がこっそり教える、人生で何度も見返す映画３選』として、真っ先に本作を挙げています。
https://www.tfm.co.jp/yomikikase/?itemid=69773
吉村実子は、日雇い労働者の田中邦衛の妻役です。
『どですかでん』より
同じ仕事でお向かいの井川比佐志・沖山秀子夫妻とは仲良しですが、仲が良すぎて夫がそれぞれ相手の家に住むようになってしまい、また別のきっかけで元に戻るという夫婦交換を堂々と行う設定です。
トンデモないことですが、どっちかがコソコソ不倫するよりお互い様でみんなが楽しめればいいだろうって感じでおおらかなところが笑えます。
吉村実子さん、ご存じの方は少ないかもしれませんが、『あ・うん』や『父の詫び状』などはご存じですか。
あの頃映画 松竹DVDコレクション 異聞猿飛佐助 - 高橋幸治, 吉村実子, 渡辺美佐子, 岡田英次, 小沢栄太郎, 宮口精二, 佐藤慶, 石原慎太郎(特別出演), 丹波哲郎, 篠田正浩
どですかでん - 頭師佳孝, 田中邦衛, 菅井きん, 加藤和夫, 伴淳三郎, 芥川比呂志, 松村達雄, 黒澤明, 黒澤明, 小国英雄, 橋本忍, 黒澤明, 松江陽一
![父の詫び状 [VHS]](https://m.media-amazon.com/images/I/51hEBTvNZLL._SL160_.jpg "父の詫び状 [VHS]")
「吉村実子」という女性に魅力を感じ映画を観ていました。
「吉村実子」の顔を観ていて満足なので、映画の内容や台詞も覚えていません。
こんど機会があったら別な感覚で観てみます。
by 風太郎 (2020-02-28 09:11)
あ・うんは多分見ていたと思うんだけど記憶無し(^^ゞ
by pn (2020-02-28 11:59)
残念ながら、お名前も存じ上げませんしお顔も浮かびません。
でも、父の詫び状という映画は、タイトルだけで観てみたくなりますね。
by なかちゃん (2020-02-28 12:50)
こんにちは。
吉村実子さん、全く知らなかった女優さんです。
「芳村真理さんの妹」とお聞きして、どことなく容姿が似てます。
「どですかでん」は観ていますが、気付かずにスルー状態です。
再度視聴時には「田中邦衛の妻役」を逃さずチェックしてみます！？(=^･ｪ･^=)
by Boss365 (2020-02-28 16:21)
残念ながら知らなかったもので、ネットでどですかでんの予告編をみたのですが、時代背景が凄いですね。フィリピンのスモーキーマウンテンを見たかと思いましした。
by ヤマカゼ (2020-02-28 18:52)
「父の詫び状」「あ・うん」
向田邦子作品ですね。
ドラマは忘れましたが、本は読んだことがあります。
吉村実子さん、個性的な役者さんですね。
石立鉄男と結婚していたとは知りませんでした。
by そらへい (2020-02-28 21:39)
名前は聞いたことがありますが、見たことはないです。
by mau (2020-02-28 23:19)
＞20年近いブランク
20年もあると、その間にいろいろと役が出来るでしょうから、演技力的な意味でも知名度的な意味でも相当大きいですね…
by ナベちはる (2020-02-29 01:27)