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介助者を育てる、障碍者の親のもうひとつのつとめ [障害者]

介助者を育てる、障碍者の親のもうひとつのつとめ

“ひとりでは生きていけない”。障碍者の保護者は誰でも、その将来を考えます。NHKのハートネットTV×1.5chでは、自分たちが亡くなった後も、脳性麻痺の娘にここで暮らし続けてほしいと家を建て替え、誰もが集まれるコミュニティースペースにするという話を今日、午後8時00分から放送します。



脳性麻痺と知的な障害のある妹・亜由未さんと、カメラを向けるNHK青森の坂川裕野ディレクターの記録です。。

【ハートネットTV×1.5ch】https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1206/



亜由未さんは、いつも呼吸器をつけています。

母親・智恵さん「(空気を)吸う力が弱いから、(呼吸器が)肺の奥まで送ってくれてる」

智恵さんらご両親は、自分たちが亡き後の、亜由未さんの人生の準備をしています。

たとえば、自分たちが亡くなった後も、亜由未さんには家で暮らし続けてほしいと、家を建て替えるそうです。

1階は、近所の人が集まれるコミュニティスペースに。

母親・智恵さん「血がつながらない家族を作っていく感じ」

映像では、亜由未さんの呼吸状態が悪いときは、血液中の酸素濃度とにらめっこしながら、父親・和俊さんが背中を擦り、空気の通り道を塞いでいる痰を出そうとしています。

出勤する和俊さんを引き継いだ若い女性介助者は、亜由未さんに笑顔が戻ったので、散歩に連れ出そうとしますが、深夜介助をして飛び起きてきた母親・智恵さんが酸素濃度を測ると、なんと命の危険水域の79←※健康人で96~99、90を切るとまずいといわれています。

測定器がつながっていないことについて、母親・智恵さんは「こういう日は、絶対つないでなきゃだめ」

「こんなに悪いじゃん」「この人自分で苦しいって言わないからさ」

酸素マスク投入で危機を脱して……、

「(介助者に)80%台に落ちたときは、なんとかしなきゃモードです」「叩き起こしてくれていいの。起きます、私は!」

亜由未さんも、1人で生きてはいけないことがわかっているので、すごく気を使っているそうです。

映像には、母親・智恵さんは、「亜由未さんと関わり続けてくれる若い介助者を育てようとしていた」という字幕が表示されました。

ここでも、「自分たち両親も、いつまでも生きていないんだから」という将来を見据えた強い意志が伺えます。

介助者を育てることも大切


介助の人は、この日はショックで眠れなかったと思います。

ひとつは、もしかしたら、自分が散歩に連れ出して、取り返しのつかないことになっていたかもしれないということ。

もうひとつは、娘さんの母親に厳しく言われたこと。

自己愛が強くて、人から注意されるのが耐えられない人や、考え込みすぎる人は、ことの重大さのプレッシャーから、たぶんここでやめてしまうんじゃないでしょうか。

でも、そこで辞める人は、きっとよそでも同じようなシーンが有ると、すぐにやめてしまうんでしょうね。

でもここでやめちゃうと、ただの脱落者なんです。

辛いけれど、ここでやめないことで、失敗が後に経験として、いきてくるんじゃないかと思います。

だからやめちゃうと、もったいないです。

動画の介助の人は、切り替えて頑張って欲しいですね。

まとめ


それにしても、番組は勉強になりそうです。

私などは、「若い介助者を育て」るどころか、自分自身がまだまだ何もできないに等しいですから。

動画の介助者の話に戻れば、意地悪な言い方をすると、ここでやめてしまう人は、他のことで、第三者として他人に綺麗事の励ましをしても、全く説得力がないでしょうね。

自分の世界で頑張った人、自分が結果を出した人だけが、他者への励ましや批評にも価値があるのかもしれない、とも思いました。

今日、午後8時からの放送です。

ハートネットTV『亜由未が教えてくれたこと 2019』

冒頭のイメージ画像
Photo by Julia Caesar on Unsplash

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コメント 11

A・ラファエル

難しい問題ですね。
ひとりひとりの答えをみつけていくしかないことと思っています。
私の家族は、私の障害を理解できません。
気持ち的に受け付けないのです。
外見だけなら健常者に見えますから。
ですので、私は1人で暮らしています。
ヘルパーさんとかも利用はしていません。

「自分で可能な限りの健康を維持すること」
東洋医学や民間療法、代替療法等効果を感じたものは全て取り入れて、自分で頑張る。
私が自分のためにしている色々は、
私以外の誰にも出来ないことが予想されているからです。
by A・ラファエル (2019-11-20 10:25) 

扶侶夢

>ここでやめてしまう人は、他のことで、第三者として他人に綺麗事の励ましをしても、全く説得力がないでしょうね。
>自分の世界で頑張った人、自分が結果を出した人だけが、他者への励ましや批評にも価値があるのかもしれない

厳しいけれど本当の事ですね。
時には鬼となってでも、しがみついて頑張り抜くくらいの人がプロの資格を得るのかも知れません。
by 扶侶夢 (2019-11-20 10:39) 

Boss365

こんにちは。
↑同じく難しい問題ですね。個で対応するには限界があります。兄弟・家族・地域住民・県・国・社会などの意識改革ないと解決できない問題。個で対応すると負の連鎖が起こります。「介助者を育てる」地道な行動、「介護」について広くメディアが光を当てる事も大切です!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2019-11-20 13:38) 

犬眉母

厳しい言い方になっても、命がかかっているのですから仕方ないのでは?
介護の仕事ってそういう緊張感が本来つきもので、綺麗事を言うようですが、それが仕事のやり甲斐になっているのではないでしょうか。
親亡き後は、たしかに心配ですね。
五体満足のお子さんの親御さんにもそういう人がいらっしゃいますが、こういうケースを考えたら、ちょっと過保護だろうという気がします。
by 犬眉母 (2019-11-20 14:33) 

pn

確かにそこで辞めちゃえばそれまでの事も白紙に戻っちゃうからそこで踏ん張れるかどうかで決まりますね。けど測定器って繋ぎっぱなしじゃないの?そこが何となく腑に落ちない。
by pn (2019-11-20 15:40) 

ヨッシーパパ

介護にもいろいろありますが、不足している現状をどう打破していくか、やはり、行政の力が必要なのでしょう。
by ヨッシーパパ (2019-11-20 17:41) 

kou

知り合いの娘さんが行政で運営している障害者施設で看護師をしています。いろいろ話を聞いていますが、ご家族とのご意見の食い違いなどで悩むことも多いと聞いていました。
番組、観てみたいと思います。
by kou (2019-11-20 18:51) 

なかちゃん

残念ながらボクはそういう介助者にはなれそうもないですね。
叱責されてもそういうことを続けようと思う人は、すごい人だと思います。
ボクならきっとその日でやめてしまうな(^^;

by なかちゃん (2019-11-20 22:39) 

ナベちはる

辛くてくじけそうでも、そこで踏ん張れるかどうかで先の結果も変わってきますね。
by ナベちはる (2019-11-21 00:47) 

ヤマカゼ

なかなか人の命を預かるとはできないと思います。
もし命を落としたら裁判所行きとか問題が残るでしょうから。
かなりの覚悟がいるのでは?
by ヤマカゼ (2019-11-21 06:59) 

Rinko

親は子より先に逝ってしまう可能性の方が大きいので、後に残す障がいを持つ子の生きる術を模索する気持ちを想像すると胸がしめつけられる思いがします。
「介助者を育てる」ってとても大変な事だと思いますが、双方の気持ちがうまくかみ合って、プロフェッショナルな介助者になっていけるといいですね。
by Rinko (2019-11-21 08:08) 

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