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ぐるぐるメダマン、キャラクターデザインは吾妻ひでおさん [懐かし映画・ドラマ]

ぐるぐるメダマン、キャラクターデザインは吾妻ひでおさん

吾妻ひでおさん(1950年2月6日~2019年10月13日)の訃報が話題です。SF・ナンセンス色の強い作品や、自らの失踪経験やアルコール依存症治療体験記などで知られています。私が思い出すのは特撮ファンタジックコメディの『ぐるぐるメダマン』(1976年7月10日~1977年1月29日、東映/東京12チャンネル=テレビ東京)です。(上の画像はAmazonPriVideoより)



吾妻ひでおというと、『ふたりと5人』『不条理日記』『ななこSOS』などSF・ナンセンス色の強い作品や、自らの失踪経験やアルコール依存症治療体験に基づく『失踪日記』などで知られています。

私が吾妻ひでおさんで思い出すのは、そうした作品に比べるとマイルドな仕上がりですが、キャラクターデザインを手がけた『ぐるぐるメダマン』(1976年7月10日~1977年1月29日、東映/東京12チャンネル=テレビ東京)です。



ぐるぐるメダマンとは


高坂家には、かつて先祖が、おばけからプレゼントされたという108個の水晶のネックレスがあります。

メダマンらおばけの子供たちは、それを返してもらうため高坂家にやってきますが、ネックレスに宿る神様が、人間に善い事をしたら水晶を渡すと託宣。

メダマンは、善い事をするため高坂家の居候になります。

ただ、仲間のオバケも手伝ってくれるものの、還る水晶玉は数個ずつでその前途は多難、というストーリーです。

出演者がなかなか渋くて、高坂家のお父さんは鶴見丈二といって、昔は大映で売り出したスターでした。

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http://korogata.blog.fc2.com/blog-entry-31.html より

昔の大映映画は洒落っ気があって、品川隆二、川崎敬三、鶴見丈二と、芸名を京浜東北線(東海道線)の駅名トリオで売り出していました。

京浜東北線は、後に根岸線と呼ばれる区間の本郷台に延伸したので、本郷功次郎も入れてもいいと思うんですけどね。

ヒロインの麻美は、ケンちゃんシリーズのトコちゃんを演じていた佐久間真由美。

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http://korogata.blog.fc2.com/blog-entry-31.html より

もうひとりの、おばけヒロインは古賀泉。

いつもバレエを踊っているようなつま先立ちでした。

現在は、カズンといういとこ同士のユニットで歌っています。



ネットでも多くの人が書かれていますが、“人間社会で善いことをする”というストーリーは、すでに『がんばれロボコン』という、ロボットを主役にした子供向け特撮コメディ・ドラマが使っていました。

ヒット作が出ると、類似作品をリリースして水平展開するビジネスモデルは、今も使われる手法です。

ただ、『ぐるぐるメダマン』はたんなる類似品ではなく、それ以外にもいろいろな要素を加えています。

まず、居候が魔法や超能力などで、日常的に不思議な出来事を起こすストーリーは、“エブリデイ・マジック”というジャンルになりますが、我が国では『コメットさん』という実写ドラマが先駆的存在です。


また、『がんばれ!!ロボコン』は、ロボット学校に通っているロボット達がそれぞれ人間社会に派遣され、世のため人のために働く話のため、複数のロボットは出てきますが、普段はおのおのが単独で動いています。

しかし、『ぐるぐるメダマン』は、メダマンだけでなくいろいろなおばけ(妖怪)が力を合わせて事にあたる“複数ヒーロー”ものでした。

東映では、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年4月5日~1977年3月26日、東映/NET=テレビ朝日)や、『忍者キャプター』(1976年4月7日~1977年1月26日、東映/東京12チャンネル=テレビ東京)など、当時複数ヒーローで特撮ドラマを制作しており、そのコンセプトを継承しているのではないかと思います。


絶対的なヒーローではなく、いろいろな個性を人海戦術で表現していく時代に入っていたわけです。

そして、水晶の108個というのは、除夜の鐘の“煩悩”の108と数が一致していますが、『水滸伝』『南総里見八犬伝』で使われています。

さらに、おばけたちは、「キエロ、キエレ、キエリ」の呪文で消えたり、「おんみょうのんけんそわか」の呪文に弱かったりしますが、呪文でことが動くのは、やはり東映で制作したアニメ『ひみつのアッコちゃん』(1969年1月6日~1970年10月26日東映/NET=テレビ朝日)があります。


今もコアなファンは健在


このように、過去の人気作品の特徴を備えたドラマでしたが、残念ながら当時は“視聴率番外地”だった東京12チャンネル(テレビ東京)の放送だったために、あまり注目されることはありませんでした。

しかし、今も検索すると、ブログやYoutubeなどで、当時を覚えている熱心なマニアは少なくないことがわかります。

吾妻ひでおさんというと、どんな作品を思い出されますか。

ハワイから来た清潔おバケ
ハワイから来た清潔おバケ

失踪日記2 アル中病棟

失踪日記2 アル中病棟

  • 作者: 吾妻 ひでお
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2013/10/06
  • メディア: コミック



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コメント 9

pn

また失踪かと思ったら訃報なんだもん焦りましたよ、入院してたのかぁ。
ななこSOSの前にやってたコロコロポロンが好きだったが主題歌はななこSOSの方が逸品かな、曲は新田一郎だったはず。オープニングは名曲よ(^^♪
by pn (2019-10-22 10:48) 

足立sunny

このあたりの時期は大概見ているはずなのですが、メダマン全然知らなくてびっくりしました。キャラがけっこう面白そうですね。
by 足立sunny (2019-10-22 20:36) 

mau

お亡くなりになったとは知りませんでした!不条理な感じが好きでした。
by mau (2019-10-22 22:38) 

犬眉母

いろいろな由来のおばけが出てくるのですが
肝心のメダマンだけが、何のおばけかわからないのですね。
by 犬眉母 (2019-10-23 00:30) 

ナベちはる

ぐるぐるメダマン、いろんな表情をしていてユニークなキャラクターですね。
by ナベちはる (2019-10-23 01:01) 

萌田かずきち

メダマンの山際監督、東映時代演技習ってた事あります。いかがわしいじいさんですが…(苦笑)。そういった点でも懐かしいですね。それにしても吾妻先生・・・残念です。
by 萌田かずきち (2019-10-23 01:05) 

ヤマカゼ

吾妻ひでおさんとメダマンは知りませんでした。ご目御福をお祈りします。
by ヤマカゼ (2019-10-23 06:47) 

kou

吾妻ひでおさんは存じてますが、メダマンは知りませんでした。というかテレビ東京系はこちらでは観ることが出来ないんです。今でも民放は3社しか観ることが出来ない地域なんです(^_^;)
by kou (2019-10-23 08:09) 

Rinko

「がんばれロボコン」は覚えていますが「ぐるぐるメダマン」は記憶にないです。もしかしてこちらでは放映されていなかったのかも?
ロボコンが好きだったので、メダマンも気になりますー!
by Rinko (2019-10-23 08:16) 

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