『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む』多少欧米化した和食を! [食べもの]
『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む なぜ1975年に日本人が家で食べていたものが理想なのか』(都築毅著、講談社)を読みました。『日刊ゲンダイ』(2015年1月31日付)には、著者のインタビュー記事が出ています。具体的には、ご飯と魚介類、海藻類が多い食事にすれば、健康を保ち増毛の効果もあるといいます。
巷間、実にいろいろな健康法やダイエットがありますが、著者の都築毅氏ら東北大学の研究チームは、昭和50(1975)年の頃の、日本家庭の食事こそ理想の食事だといいます。
具体的には……
健康食として和食が見直されている、というのは昨今の傾向ですが、ではどうして同書は「昭和50年」と具体的に時期まで指定しているのでしょうか。たとえば、昭和30年だって「和食」には違いないはずです。
それは、「昭和50年」が、そこそこ欧米的な食文化も入りながらも、従来の食材も活かしている食卓だからだそうです。
『日刊ゲンダイ』(2015年1月31日付)より
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たとえば昭和30年代の食事では、食材の数が少なく、味付けも濃くなってしまう弱点があった。
それに比べて昭和50年は、牛乳や肉の摂取が増えたため、カルシウムやタンパク質をとれるようになったとしています。
つまり、都築毅氏は、欧米化を全面否定しているわけではなく、欧米食の良い所はとりいれて、バランスを考えた上で昭和50年の食事がベストとしているわけです。
「昭和50年の食事」によって、がんや認知症のリスクが4分の1に、糖尿病のリスクが5分の1になるそうです。
そればかりか、「ハゲの予防と改善」「代謝を活発にする遺伝子が発現」「シミ、シワ、肌の老化をストップ」「寿命が100歳になる」などいいコトずくめです。
ご飯の方が、パンやパスタよりもダイエットや血糖値対策には有利であることは、素人でも直感的にわかります。
なぜなら、パンやパスタなどはご飯のような「固形」と違って小麦を挽いているので消化が速く、血糖値の上昇も急であると想像できるからです。
以前ご紹介した、『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』の著者である幕内秀夫氏も、堀江貴文氏を例に出して、「刑務所の食事は御飯の量が多いがそれでも痩せる」と書いています。
要するに、ラーメンの大盛りを食べるなら、普通盛りに半ライスを食べたほうがいいということか。
麺類にはご飯ですよね
ちなみに都築毅氏は、『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む』で、ラーメンを食べるならトッピングは全部載せて汁は残そう、と書いています。
それによって麺を食べる量が減り、かついろいろな食材をバランスよく食べる一石二鳥だからだそうです。
都築毅氏ら東北大学の研究チームの説には、砂糖を禁忌としていないという特徴があります。
高脂肪食を避けよという説はめずらしくありませんが、砂糖はどうして禁忌ではないのでしょうか。
都築毅氏は、近年砂糖の消費量は減っているのに、ダイエットは流行しているし、糖尿病は減っていないことに着目。
要するに、「砂糖は肥満や糖尿病の直接の原因ではない」といいます。
曰く、75年は、煮物や白和え、胡麻和え、照り焼き、玉子焼き、茶碗し、酢の物、佃煮などに砂糖を使っていた。砂糖は、食材のうまみやコクを引き出すだけでなく、臭みを抑えたり傷みを抑えたりする効果もある。
それに引き換え05年は、いわゆるスイーツ類の摂取が増えたにもかかわらず、砂糖の摂取量は減った。
それは、いかに砂糖を使った和食を口にしなくなったかという証左であり、一方でスイーツに含まれる脂分で高カロリーになるから太るのは当然、というわけです。
料理の味付けに砂糖を使うことは問題ない。
ただし、スイーツはたいがいにしろよ、ということですね。
それ以外には、タンパク質は大豆や魚から摂取する、.濃い味(塩分)が生活習慣病の原因としている、食事の後は果物を食べよう、1日2杯はみそ汁を飲め、卵は1日1~2個は食べよう、といったことを提唱しています。
詳細は同書をご確認ください。
都築毅氏は、いっとき流行っても消えていく、○○ダイエットという「単品ダイエット」には懐疑的です。
「要はバランスの問題。いろんな食材を少しずつ取って、結果的に各種の栄養素をバランス良く取ることが最強のダイエット法、長寿法といえると思っています」(『日刊ゲンダイ』)という立場です。
「バランス」。まさに昭和50年の食事こそ、都築毅氏によれば、完全に欧米化させず、さりとて全否定もしないバランスのある食事というわけです。
食材というのは、本来人間にとって、栄養になる部分も、毒になる部分も、どうでもいい部分も含まれています。
私たちは、幾種類もの食材を食べることで、それらの栄養を補完したり、毒を相殺したりしているのです。
ある食材だけを集中的に食べたり、また逆にやめたりしたら、そのバランスが崩れてしまいます。
その意味では、現在活発な(?)議論になっている食べ物の論争
糖質制限、肉を食うな、1日1食がいいetc
ありますよね。提唱者の名前は書きませんが……。
こういう「バランス」を無視した極論には気をつけようと個人的には思っています。
巷間、実にいろいろな健康法やダイエットがありますが、著者の都築毅氏ら東北大学の研究チームは、昭和50(1975)年の頃の、日本家庭の食事こそ理想の食事だといいます。
具体的には……
「ご飯と魚介類、海藻類が多く、欧米の影響が少ないことですね。よくダイエットのために“ご飯をパンやパスタに変えた替えた”という声を聞きます。実際75年以降、ご飯に代わってパンや麺類の摂取量は増えますが、全く逆効果です。当時は05年より1.5倍のご飯を食べていた。さらにいえば、意外なことに食事の総カロリーも05年の1.2倍も取っていた。にもかかわらず、『肥満』の人は05年の半分しかいなかった。これは何を意味するか。パンやパスタよりもご飯の方が太りにくいということです」
「欧米化の影響で肉の摂取量は75年以降どんどん増え続けます。逆にそれまでの主なタンパク源だった魚の割合が減り続けている。では肉と魚ではどちらが食品として優れているか。私は迷わず魚をおすすめします。その理由は脂の質にあります。肉に含まれる脂は『飽和脂肪酸』で、人間の体内でドロドロに固まり、動脈硬化を促進させる効果がある。一方、魚の脂は『不飽和脂肪酸』といねれ、血栓をできにくくし、動脈硬化を防ぐ作用があるからです」(都築准教授)(『日刊ゲンダイ』2015年1月31日付より)
健康食として和食が見直されている、というのは昨今の傾向ですが、ではどうして同書は「昭和50年」と具体的に時期まで指定しているのでしょうか。たとえば、昭和30年だって「和食」には違いないはずです。
それは、「昭和50年」が、そこそこ欧米的な食文化も入りながらも、従来の食材も活かしている食卓だからだそうです。
『日刊ゲンダイ』(2015年1月31日付)より
なぜ昭和50年の食事なのか
たとえば昭和30年代の食事では、食材の数が少なく、味付けも濃くなってしまう弱点があった。
それに比べて昭和50年は、牛乳や肉の摂取が増えたため、カルシウムやタンパク質をとれるようになったとしています。
(昭和50年頃の食事は)肉より魚が多く、豆類や海藻類が豊富で、味噌汁をよく飲んでいた。戦後の貧しさからは遠く離れ、オムレツ、ハムエッグ、シチューなどの卵料理や洋食もよく食べている。やや素朴な感じはするが、決して一汁一菜の純日本風粗食ではない。そのような多少欧米化した食卓が、思い浮かぶのではないだろうか。
この食事こそが、人類史上最強の長寿ダイエット食なのだ。(『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む』より)
つまり、都築毅氏は、欧米化を全面否定しているわけではなく、欧米食の良い所はとりいれて、バランスを考えた上で昭和50年の食事がベストとしているわけです。
「昭和50年の食事」によって、がんや認知症のリスクが4分の1に、糖尿病のリスクが5分の1になるそうです。
そればかりか、「ハゲの予防と改善」「代謝を活発にする遺伝子が発現」「シミ、シワ、肌の老化をストップ」「寿命が100歳になる」などいいコトずくめです。
パンやパスタよりもご飯を
ご飯の方が、パンやパスタよりもダイエットや血糖値対策には有利であることは、素人でも直感的にわかります。
なぜなら、パンやパスタなどはご飯のような「固形」と違って小麦を挽いているので消化が速く、血糖値の上昇も急であると想像できるからです。
以前ご紹介した、『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』の著者である幕内秀夫氏も、堀江貴文氏を例に出して、「刑務所の食事は御飯の量が多いがそれでも痩せる」と書いています。
要するに、ラーメンの大盛りを食べるなら、普通盛りに半ライスを食べたほうがいいということか。
麺類にはご飯ですよね
ちなみに都築毅氏は、『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む』で、ラーメンを食べるならトッピングは全部載せて汁は残そう、と書いています。
それによって麺を食べる量が減り、かついろいろな食材をバランスよく食べる一石二鳥だからだそうです。
砂糖は使ってよし、ただしスイーツは×
都築毅氏ら東北大学の研究チームの説には、砂糖を禁忌としていないという特徴があります。
高脂肪食を避けよという説はめずらしくありませんが、砂糖はどうして禁忌ではないのでしょうか。
都築毅氏は、近年砂糖の消費量は減っているのに、ダイエットは流行しているし、糖尿病は減っていないことに着目。
要するに、「砂糖は肥満や糖尿病の直接の原因ではない」といいます。
曰く、75年は、煮物や白和え、胡麻和え、照り焼き、玉子焼き、茶碗し、酢の物、佃煮などに砂糖を使っていた。砂糖は、食材のうまみやコクを引き出すだけでなく、臭みを抑えたり傷みを抑えたりする効果もある。
それに引き換え05年は、いわゆるスイーツ類の摂取が増えたにもかかわらず、砂糖の摂取量は減った。
それは、いかに砂糖を使った和食を口にしなくなったかという証左であり、一方でスイーツに含まれる脂分で高カロリーになるから太るのは当然、というわけです。
料理の味付けに砂糖を使うことは問題ない。
ただし、スイーツはたいがいにしろよ、ということですね。
それ以外には、タンパク質は大豆や魚から摂取する、.濃い味(塩分)が生活習慣病の原因としている、食事の後は果物を食べよう、1日2杯はみそ汁を飲め、卵は1日1~2個は食べよう、といったことを提唱しています。
詳細は同書をご確認ください。
「ばっかり食べ」も「絶対禁忌」もやめよう
都築毅氏は、いっとき流行っても消えていく、○○ダイエットという「単品ダイエット」には懐疑的です。
「要はバランスの問題。いろんな食材を少しずつ取って、結果的に各種の栄養素をバランス良く取ることが最強のダイエット法、長寿法といえると思っています」(『日刊ゲンダイ』)という立場です。
「バランス」。まさに昭和50年の食事こそ、都築毅氏によれば、完全に欧米化させず、さりとて全否定もしないバランスのある食事というわけです。
食材というのは、本来人間にとって、栄養になる部分も、毒になる部分も、どうでもいい部分も含まれています。
私たちは、幾種類もの食材を食べることで、それらの栄養を補完したり、毒を相殺したりしているのです。
ある食材だけを集中的に食べたり、また逆にやめたりしたら、そのバランスが崩れてしまいます。
その意味では、現在活発な(?)議論になっている食べ物の論争
糖質制限、肉を食うな、1日1食がいいetc
ありますよね。提唱者の名前は書きませんが……。
こういう「バランス」を無視した極論には気をつけようと個人的には思っています。
昭和50年の食事で、その腹は引っ込む なぜ1975年に日本人が家で食べていたものが理想なのか (講談社+α新書)
- 作者: 都築 毅
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/01/21
- メディア: 新書
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