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『仕事力のある人の運動習慣』脳細胞が活発化は心臓血管能力から [生活]

『仕事力のある人の運動習慣ー脳細胞が活発になる二倍速生活』(角川書店)を読みました。一昨日に続き、吉田たかよし氏の著書です。学力や仕事における論理的知性や言語的知性の高い人は運動能力がある。それは持って生まれた素質ではなく、自らが運動することで高めることができる、と吉田たかよし氏は同書で説いています。



吉田たかよし氏は、Youtubeに『90秒でわかる 医学解説』という動画を何本もアップしていますが、これまで見てきたように、紙媒体(書籍)では、脳にはたらきかけるテーマで上梓しています。

吉田たかよし氏については、これまでも4度、このブログで書籍や動画、新聞の連載などをご紹介しました。

Jカーブ効果と疫学調査の虚実
『危険な病気の意外な予兆69』意外なところからシグナル
『仕事のギリギリ癖がなおる本』先送りの原因は自己愛だった!?
『なぜ、東大生はカレーが好きなのか』カレーを食べて脳機能向上

吉田たかよし
Google検索画面より

スケジュール管理、カレーに続いて、今回は運動に関する書籍です。

吉田たかよし氏は、灘中・灘高から東大工学部、国家公務員上級経済職、新聞研究所、NHKアナ、北里大医学部、医師免許取得と、試験脳抜群の経歴です。その吉田たかよし氏によると、頭のいい人には運動が常識というのです。

私の世代ですと、“頭のいい人”は、長時間勉強するガリ勉で、体育が得意な子どもは、お勉強の方は不得手というイメージがあります。

“頭のいい人”は、長時間勉強するガリ勉

体育なんかやるんなら勉強しろ。詰め込む機会が多いほうが、丸暗記できる知識も増える、という理屈です。

もちろん、学力にかぎらず、知識や技能を身につけるには、一定の時間をかけた努力は必要です。

しかし、現在の教育カリキュラムは詰め込み式が改善され、読解力や論理的能力も必要な時代にかわっており、ひたすら机にかじりつく丸暗記のガリ勉だけでは通用しない時代になっている、と吉田たかよし氏はいいます。

では、暗記力だけでない脳はどうすれば鍛えられるか。

吉田たかよし氏によると、脳トレでは不十分で、運動が必要というわけです。

アメリカ・イリノイ州では、毎朝、ランニングなどを組み合わせる運動を行ったところ、TIMSS(算数・数学や理科についての知識と知能)において数学は世界6位、理科は世界1位だったそうです。

スウェーデンでは、122万人という徴兵時のデータから、運動能力(心臓血管能力)と知的能力(IQ)、とくに論理的知性と言語的知性の関係について強い相関関係が見られたといいます。

心臓血管能力とはなんでしょうか。

有酸素運動で心臓血管能力を鍛える


脳は血液中のグルコースだけをエネルギー源にしているので、大量の血液でグルコースを供給しなければならず、そのために供給能力が必要。

心臓血管能力とは、脳を含む「全身に大量の血液を送れる心臓や血管の能力」だと吉田たかよし氏は解説しています。

脳の力は心臓から。そのために運動が必要というわけです。

心臓血管能力というのは、運動の中でも、筋トレのような無酸素運動ではなく、全身に酸素を行き渡らせる有酸素運動によって鍛えることができるそうです。

そこで、吉田たかよし氏が同書で推奨しているのは、走ることです。

走る

その根拠として同書には、人間が走ることで進化してきたことが解説されています。

もちろん、同書のタイトルの最初には「仕事力」とあるように、吉田たかよし氏は受験脳だけを眼目においているわけではありません。

記憶力、糖尿病、アルツハイマー病などを例に上げ、受験生だけの話ではなく、老若男女のテーマなのだということを強調しています。

たとえば、人間は運動しないと、海馬という記憶に関わる脳の部位が衰えることがわかっていると指摘。

運動不足は血糖値が上昇しやすくなり、糖尿病のリスクが高まるだけでなく、記憶力や認知能力にも悪い影響を与えるといいます。

また、糖尿病予備軍はアルツハイマー病予備軍でもあるといい、運動でアルツハイマー病が予防できることも紹介しています。

運動でアルツハイマー病が予防できる

さらに、吉田たかよし氏は運動の必要性を解説するだけでなく、脳機能を高める具体的な運動についても提案しています。

たとえば、「1分間に100歩歩く」「休み時間は体を動かす」など、いつでもどこでも誰でも運動ができるよう、さまざまな体の動かし方を紹介しています。

走ることは、一方では心臓の負担もかかりますから、リスクやデメリットを心配すべき人たちもいます。

今まで走っていなかった人が、急に「走ること」を「ねばならない」と生活にとりいれようとしても長続きしないかもしれません。

が、「速く歩く」ことなら、近所に買い物に行く時から実践できます。

速く歩く

いくら運動不足の人でも、1日中、ひとところにじっとしているわけではありません。

移動も貴重な機会と思えば、工夫次第で運動はできるわけです。

詳しい内容は同書をご覧ください。

仕事力のある人の運動習慣    脳細胞が活発になる二倍速生活 (角川oneテーマ21)

仕事力のある人の運動習慣 脳細胞が活発になる二倍速生活 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 吉田 たかよし
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/08/10
  • メディア: 新書


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