「大田の工匠 Next Generation展2014」という催しが、JR蒲田駅ビルであるグランデュオ蒲田で行われています。タイトル通り、京浜工業地帯の中核である東京都大田区でがんばっている町工場の職人たちの仕事を紹介したり、体験できるワークショップを公開したりして、モノづくりの大田区をアピールしています。
工業立国日本を支えた有力な工業地帯が日本にはいくつかありますが、その中心といえばなんといっても京浜工業地帯。
東京の海側である
大田区、川崎市川崎区、横浜市鶴見区、中区あたりがその中核だったわけですが、神奈川に比べると東京側は、二次三次下請けの町工場が多かったように思います。
「多かった」と過去形で書いたのは、ここ20年ぐらいで町工場の倒産、廃業が相次いでいるからです。
そこで、大田区の町工場を守ろうという取り組みが行われるようになりました。
たとえば、大田区の町工場に活力を与えるという趣旨で作られた、住宅棟付き工業団地は昨年8月24日の記事、「
テクノWING大田、21世紀の大田区町工場」でご紹介しました。
ここは、私が子供の頃はニンジンやキャベツの畑でした。キャベツの葉に産み付けられた卵をいただいて、モンシロチョウになるまで育てたこともありました。
個々の職人については、「大田の工匠100人」という、町工場の優れた技術や知恵を持つ人を表彰する制度が作られたそうです。
選考委員会副会長をつとめる元旋盤工の作家・小関智弘氏は、『どっこい大田の工匠たちー町工場の最前線』(現代書館)という書籍で受賞者の技芸と生き様についてまとめています。
そして、その工匠たちのインタビュー動画公開や、作っているものを展示している大田区とJR東日本の夏休み特別企画、「大田の工匠NextGeneration展2014」が、7月30日~8月10日までグランデュオ蒲田(JR蒲田駅ビル)の3階東西館連絡通路で行われています。
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モノづくり大田をアピールする展示とワークショップによる催し
mimoe(ミモエ)さんという方によるライフペインティングです。
展示物はいろいろありました。
どんなものを作っているか。いくつかご紹介します。
「こびとづかん」のソフト人形
粉末の樹脂をレーザーで焼結させて作る「粉体造形品」
大森学園自動車部が作った省エネカー
精密加工コマ。文字通り精密に作ったので安定して長く回るそうです
弁計測用のサイザー「Ozサイザー」
心拍動下冠動脈バイパス手術訓練装置。大田区には東邦大学医療センター大森病院があります
歯石除去器「サリー」
一応元町工場の子弟として一言しておくと、町工場には2種類あって、こういう職人としての複雑な仕事をある工程までパッケージで行う場合と、大メーカーの下請けや孫受けや孫々受けとして分業的に単純な作業を行っている場合とがあり、本当は後者の方が圧倒的に多いんですよね。
ネジ作るだけとか、旋盤で穴あけるだけとか、そんな仕事です。
ですから、町工場=職人というのは、イメージアップを狙ったいささか美しすぎる表現かなという気もしますが、いずれにしてもモノづくりの町としての大田区をアピールして、地域の活性化を目指した催しということです。
地元、近隣で関心のある方はご覧ください。
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