睡眠時無呼吸症候群。昨今、マスコミで取り上げられることが増えてきました。今週号の『週刊大衆』(3月31日号)では、今月3日、北陸道小矢部川SAで夜行バスが駐車中の大型トラックに激突した大惨事が、運転手の睡眠時無呼吸症候群のC判定(要経過観察)だったことを指摘。「潜在患者数は300万人!無呼吸症候群の闇」という記事が掲載されています。
記事では、2009年の長崎遊漁船の岩場衝突事故(釣り客3人が死傷)、12年の関越道でのツアーバス事故(乗客45人が死傷)、首都高速湾岸線での衝突事故(6人が死傷)なども無呼吸症だったことを紹介。
さらに、スリーマイル島原発事故やスペースシャトル・チャレンジャー爆発事故も、「原因が無呼吸症候群と一部で指摘されるなど、世界的な問題」と続けています。
一言留保をつけておくと、スリーマイル島原発事故やスペースシャトル・チャレンジャー爆発事故は、間違いなくそれが原因であると結論が出たわけではありません。
まあいずれにしても、睡眠時無呼吸症候群がそれだけ問題視されているということでしょう。
ただ、これは自分だけではわからないことです。寝ている自分を確認することはできませんから。たんなる寝不足かもしれないし、別の原因で眠りが浅いのかもしれません。
私はこの問題はよくわからないので、さっそく何冊か書籍に目を通してみました。
入門書としてわかりやすいと思ったのは、『快眠家族のススメ マンガでわかる不眠と無呼吸症候群』(宮崎総一郎編著、駒田一朗・田中俊彦著、大川匡子監修、恒星社厚生閣)です。
この書籍には、文章と漫画で睡眠障害全般について解説されています。
もちろん、睡眠時無呼吸症候群についても詳しく書かれています。
編著者の宮崎総一郎氏は、滋賀医大の睡眠学講座を担当されているそうです。
漫画の部分は、夫婦と息子の3人家族の話で、夫が睡眠時無呼吸症候群、息子がゲームのやり過ぎで寝不足という設定です。
睡眠が不足すると、免疫力が下がる、注意力が落ちる、血圧や心臓に悪い、ひまん・糖尿病の原因になる、といった健康や疾病との関係、快適な睡眠がその15時間前に朝陽を浴びることから始まる話、寝酒が良くないことなど、日常生活で睡眠を妨げる気をつけるべき点を端的にわかりやすく説明しています。
まとめの部分を引用すると、
1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気に困らなければ十分
2.毎日同じ時間に起床
3.光の利用でよい睡眠を
4.昼寝をするなら、午後3時までの20~30分
5.眠くなってから床につく。就床時間にこだわりすぎない
6.眠りが浅いときはむしろ積極的に遅寝・早起きを
そして、睡眠時無呼吸症候群は
太った人の方がなりやすい
日本人に多い、のっぺりして面長で顎の小さい弥生型の骨格・顔立ちの方がなりやすい
ということです。
理解を助けてくれるので、おすすめしたい一冊です。
私は今のところ自覚もないし、家人から何か異常を指摘されたこともありません。
ただ、自覚症状からの早期発見がむずかしいといいますから、たとえば寝ているのに寝不足な感じがする、同居者にいびきが気になると言われた、など気になる“睡眠の異常”を経験された方は、1度医療機関に相談をされた方がいいと思います。
循環器科、呼吸器内科などのほか、睡眠○○と標榜する診療所も最近は増えてきましたしね。
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