梅宮辰夫といえば、料理の人というイメージを持つ人も少なくないと思いますが、役員を務めていた「梅宮辰夫漬物本舗」(当時の商号)のフランチャイズ店とトラブルが発生して、訴訟になったことがあります。有名人のお店というと、たまにトラブルも報じられます。「タレントの味」商法のトラブルと当時は報じられた訴訟でしたが、和解したのが2003年5月8日でした。
「梅宮辰夫漬物本舗」のフランチャイズ店であるカレーの「梅辰亭」を開店した女性が、「適切な需要予測や立地調査がなく、閉店を余儀なくされた」として、総額約3030万円の損害賠償を求めた訴訟を99年に起こし、同社が和解金777万円を支払うことで和解したものです。
訴状によると、女性は97年12月、同社との契約でカレー店「梅辰亭」を開店。契約前、女性は「1日19万円以上の売り上げが見込める」などと説明を受けたが、見込み額に一度も達しないまま99年4月、閉店。昨年2月に提訴した。
女性側弁護士は「和解金は女性が支払った内外装費、調理室機器費の一部など。説明義務が尽くされていない点が認められたと思う」と説明。同社の弁護士は「額の算定根拠は言えない。円満解決したと思う」と話している。梅宮さんは昨年3月、同社役員を退任している。(2003年5月8日『毎日新聞』から)
かつては「夜の帝王」といわれた東映の〝不良番長〟梅宮辰夫。娘が話題になって「アンナパパ」などといわれる前から、番組で家庭料理の腕をふるう機会がしばしば見られました。
そうしたタレントとしてのイメージを利用して、「梅言辰夫」のブランドを前面に打ち出した外食産業のフランチャイズ商法が行われるようになりました。
〝辰ちゃんコロッケ〟なる宣伝をしていた「梅宮亭」や、漬物のフランチャイズ店事業の「梅宮辰夫漬物本舗」などがそうです。
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2002年2月7日、京都府内の女性が、立地調査もないまま開店を勧められて売り上げ不振に陥り閉店を余儀なくされたとして、梅宮が役員を務める「梅宮辰夫漬物本舗」を相手取り、タレントの設備費や赤字分など3030万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしました。
雑誌で同社のフランチャイズ店募集を知って連絡した女性に同社は、「最低でも日額19万円の売り上げを見込める」と、カレーハウス 「梅辰亭」を京都府山城町に開店するよう勧めた。女性は1997年11月にフランチャイズ契約を締結して12月に開店したものの、日額平均6万円の売り上げしかなく1999年4月に閉店。「営業ノウハウなどを持つフランチャイザーは、正確な情報を提供する信義則上の義務がある」と主張して訴えました。(『毎日新聞』2001年2月7日付)
それに対して、冒頭の和解が成立したのです。
タレント商法のトラブルはいろいろあると思いますが、なぜ今件を取り上げたかというと、この手のトラブルは、梅宮辰夫にとって初めてではありません。
1998年2月には、元コロッケ店経営者に「経営指導がいい加減で閉店に追い込まれた」として、総額約3000万円の損害賠償訴訟を徳島地裁に起こされたこともありました。
そもそも梅宮辰夫は、料理のプロでも実業家が本職でもありません。料理ができる、もしくは料理が好きな俳優に過ぎません。
それに梅宮辰夫本人が直接作って売るのならともかく、フランチャイズというのはその会社の直営店ですらなく、たんに看板に梅宮辰夫の名前が出ているだけであり、作る人も売る人も別人です。
もとより、どんな有名人や腕のいい料理人の看板を掲げようが、その商売が成功するには、徹底したマーケティングやその店独自の努力が必要です。そうした認識が双方ずれていると「タレント商法のトラブル」になるのです。
タレント商法の弱点として、タレント側も、その名前を利用して商売する側にも教訓がある事件でした。
2013-05-16 15:29
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