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少食実践で考えた健康法の戦後史 [健康]

戦後史の激動。今日は健康法の「体験談」です。

ここのところ、雑誌や夕刊紙で話題沸騰の「南雲式」の少食+ごぼう茶健康法をやっているのですが、なんか運気が停滞しているというか、力がみなぎってきません(汗)。

南雲吉則医師によれば、人間は食べないと細胞が若返り健康で長生きできるといいます。

たしかに、自分の体験では、不規則な生活で睡眠時間が短くなって疲れているときなど食欲がなく、そういう時は一食抜くと胃腸の調子が戻ることがあります。

だから、それは本当かも、と思ってやってみましたが、どうもしっくりきません。

もともと食べても太らない人間ですから、食べた栄養が吸収されにくいのでしょう。それが少食になったら、そりゃ、力出ませんよね。

献血に行っても、血圧もコレステロールも低いし、体重も落ちてるし、かといって今更満腹の生活に急に戻したら、通風や糖尿病になってしまうのではないかという強迫観念のようなものがあり、戻せなくなっています。この発想は拒食症に通じるものがあるのかもしれません。ちと怖いですね。

幕内式だの甲田式だの石原式だの、昨今少食のススメが流行していますが、「少」というのはどれぐらいがいいのか、ということを具体的に示した人はいません。

私が思うに、年齢、体質、体重、身長、職種(肉体労働かデスクワークか)などによって「少」の量は変わってくると思うので、自分の勝手な判断で食事を制限するのは、むしろ健康を害すものになるのではないかと思いつつあります。

ましてや、痩せている人よりも小太りの人の方が長生きするという疫学調査もありますよね。

私は少食で痩せてしまいました。つまり、今やっていることは健康を目指しているはずなのに、疫学調査の結果とは正反対の方向に進んでいるわけです。

私にとって、少食健康法は合わなかったのかもしれません。

健康に関することは、あまり安易に流行に飛びつかないほうがいいかもしれませんね。

でも、巷間、これだけいろいろな健康法や健康食品があふれかえり、派手な宣伝やセンセーショナルな報道をされれば、つい、のってしまうことはあります。

そんな現代は、「朝ズバッ!」のMC、みのもんたの番組の果たした役割が大きい。

みのもんたが稀代の名物MCとみなされるようになったのは、かつての『午後は○○おもいッきりテレビ』からです。

中高年主婦いじりや、怒りの電話相談など個性的な進行で番組が注目されたことによりますが、やはり目玉は、番組前半に行われていた健康法特集でした。

実はこの番組、「歴史的」な役割がありました。

1980年代以降、我が国では第二臨調主導のもとで社会保障制度の見直しが積み上げられ、健康管理の自己責任化と社会保障制度を市場化へシフトさせる「構造改革」が企図されてきました。

わかりやすくいうとどういうことか。

医療費がパンクするから医療サービスを削減しますよ、という「行革」では国民は納得しないだろうから、「民活」と「自己責任」を強調することによって、健康「増進」を唱えるようになったのです。

ひらたくいえば、「国は医療費をケチるよ」とはいわずに、「みなさんのカラダなのですから健康はみなさん自身が守りましょう」と言い換えたわけです。時の為政者は狡猾です。

2002年に、野党欠席の中で与党が強引に成立させた「健康増進法」こそは、その総仕上げといえる健康自己責任の立法化でした。

つまり、巷間にあまた存在する玉石混交の健康法は、国が「どんどん出しなさい」と推奨しているようなものです。

そして、その立法化までの地ならし期間には、○○を食べると××によい、という様々な「健康食材」番組が登場しましたが、その先頭を切ったのが『午後は○○おもいッきりテレビ』でした。

番組制作者の意図や自覚がどうあれ、その意味で同番組は、国策プロパガンダ的な役割を果たし、見事に家庭の中高年主婦層に「健康自己責任」のイデオロギーを刷り込みました。

その賛否はともかくとして、マスコミ人としてそのような国策番組を仕切れたことは、みのさん、さぞやりがいがあったことでしょう。

「空腹」が人を健康にする

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  • 作者: 南雲吉則
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2012/01/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コメント 7

pandan

〜がいいってTVで放送されると次の日には
品薄になってることがありますね。
by pandan (2012-08-11 05:03) 

旅爺さん

普通の食生活で野菜を多めにしてご飯を少し減らす。
爺はその程度でやってます。7キロ減りました。
by 旅爺さん (2012-08-11 08:29) 

プースケ

こんにちは(^_^)
20代までは食べても太らなかったのですが代謝が
落ちたせいと、運動不足もあり段々と太りました。
自分に合う、食生活をして健康維持が大切ですね。
栄養バランスよく少しずつ食べるようにしたいと
思います。今回の記事も勉強になりました♪♪
by プースケ (2012-08-12 07:51) 

いっぷく

pandanさん、コメントありがとうございます。
マスコミの影響力は大きいですね。
それを利用して、メーカーからのリクエストで
その商品を取り上げる、という噂もありましたね。

by いっぷく (2012-08-12 12:10) 

いっぷく

旅爺さん、コメントありがとうございます。
そういえば、私の食卓は野菜が少なかったかもしれません。
何たら健康法よりも、まず野菜を食べなければいけませんね。

by いっぷく (2012-08-12 12:10) 

いっぷく

プースケさん、コメントありがとうございます。
私は特に偏食というわけではないのですが
もしかしたら、知らず知らずのうちにバランスを
欠いているかも知れません。
今ある食材や食品は、長年の人類の歴史で淘汰されてきたものですから
何を食べろとか、何を食べるなとか、極論に走らないで
当たり前の食生活をすることが大切なのかなと思っています。

by いっぷく (2012-08-12 12:11) 

φ(・ω・)かきかき

食べなかったら死ぬけどね(笑)
いっぷくさんはもっと食べて下さい。
by φ(・ω・)かきかき (2012-08-13 06:37) 

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