小林悠元アナウンサーの「適応障害だった」報道が話題になっています。TBSを電撃退社した小林悠元アナウンサーが16日発売の『週刊文春』で退社理由は「適応障害」などと語ったのです。記事には、2014年の土砂災害取材がきっかけで、「心身共に疲れている」と感じることが増え、今年2月に適応障害と診断されたと書かれています。
ところで、適応障害(Adjustment Disorders)とは何でしょうか。
適応障害を一言で述べるとと
適応とは、社会生活のこと。
すなわち、社会生活上のストレスに対する反応が、一般の人以上に強くあらわれ、仕事上、学業上、家庭内の生活が著しく障害された状態をいいます。
環境変化がきっかけとなることが多いといわれ、例を挙げると転勤や異動・昇進、学校生活なら上級学校への進学、日常生活においても結婚や引越しなどの環境変化が原因となりえます。
では、適応障害ではどのような症状が現れるのか、それを具体的にチェックしてみましょう。
適応障害ではどのような症状がみられるか?
適応障害の症状は、誰もが反応するストレス反応の延長線上にあります。
どういう「延長」かというと、その重症度が進んでいるということです。
大きく分けると、次の4つの状態に分かれるといいます。
1.不安症状……不安、恐怖感、焦燥感などと、それに伴う動悸、吐き気などの身体症状
2.うつ症状……憂うつ、喪失感、絶望感、涙もろさ
3.問題行動……勤務怠慢、過剰飲酒、ケンカ、無謀な運転
4.身体症状……頭痛、倦怠感、腰背部痛、感冒様症状、腹痛
これらのいずれか、もしくは複数が混合した状態となって現われるといわれます。
ただし、適応障害は、そのストレスの原因から離れると、症状が改善することが多くみられます。
たとえば、仕事上のストレスが原因だった場合、休みの日には気分が楽になったり、趣味を楽しむことができる場合もあります。
逆に、ストレスの原因を取り除けない場合には、症状が慢性化することもあります。
もちろん、それは症状の出方や重さにもよります。
うつ病の場合には必ずしもそうは行きません。
小林悠元アナウンサーが3月4日にTBSを電撃退社した際、マスコミがいろいろ憶測で記事を書きましたか、小林悠元アナウンサーは、それが我慢ならないと週刊誌の取材を受けて、こう述べています。
「当時の私は、心身ともに臨界点を超えていました。でも、自分が疲弊しているとか、周囲には言えなかった。そういう素振りを見せることも失礼ではないかと思っていました」(週刊文春2016年3月24日号『スクープ速報』より)
つまり、TBSを電撃退社したのは、ストレス因を取り除いたわけです。
ストレス因によって自分の精神がどう影響を受けているか
環境の変化で、誰でもストレスは感じるでしょう。
要は、それが正常範囲の反応か、適応障害の範疇に入るのかが問題なわけですが、それはどのように判断すればいいのでしょうか。
・家庭や学校、職場などの人間関係などに明確なストレス因子があるか
・そのストレス因を感じてから3ヶ月以内に、精神面や肉体面で異常を感じるようになったか
・精神面や肉体面で異常で、社会的・職業的に障害があるか
・ストレスを感じる状況にあるかないかによって、その異常の現れ方が異なるか
といったことが病院では問診されます。
なお、疾患の診断は医師しか行うことはできません。
適応障害かどうかは、必ず医師(精神科医)の診察を受ける必要があることを付記しておきます。
2012-08-10 21:01
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