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片山善博氏(元総務大臣)「民主党政権は官僚の言いなり」 [政治]

片山善博・元総務大臣の緊急インタビューが掲載された、今週号の「週刊現代」の売れ行きがいいらしい。

週刊誌だから数ページずつたくさんの記事があり、何がお目当てで売れたのかはわからない。

片山善博氏のインタビューか、ダウン・タウン・ブキウギバンドで活躍した相原誠の肝臓がんを消した「でんぷん療法」か、立川談志さんのお墓の話か……。

いずれにしても、消費税政局になりつつある現在、民間から民主党・管政権で入閣した片山善博氏が、民主党について何を語るかは興味深かった。

タイトルがあまりにも刺激的だ。「民主党政権『そのあまりの低能』」というのだから。

「『野田民主党に民主主義の素養はないんだな』と感じます」で始まる問わず語りの文章は、民主党政権で「低能」と感じる何を経験したかが書かれている。興味深いくだりを一部抜粋しよう。

「はじめに結論ありきで、いくら異論や反論があっても聞く耳を持たない。期限を区切って、『時間切れ』で無理やり押し切ろうとする」

「財務大臣だった野田(佳彦現首相)さんは、閣僚が議論しなければならないときでも、いつも官僚が作ったペーパーを読んでいました。

 それを見ていましたから、昨年9月に野田内閣がスタートするとき、『この内閣は官僚の言いなりになるのではないか』という危うさを感じていましたが、案の定その通りになりましたね。」

「野田さんは閣僚会議でいったん合意したことを、次の会議で平気で蒸し返すんです。なんなんだろう、この人は、と思いましたよ。おそらく役所に戻ったら、官僚に受け入れてもらえなかったんでしょう。またペーパーを持たされて、それを閣議で読み上げていた。

 さすがにある閣僚が見るに見かねて、『野田さん、あんた財務大臣なんだから、もっとしゃんとしなさい』と碧(たしな)めたこともありました。」

「自民党政権時代は、それぞれの派閥の長や族議員らが官僚の要望を開く見返りに自分たちの要求も押し付けて、官僚と「取引」をやっていた。だから官僚の側も身構えるというか、ここで借りを作ったらあとで何を要求されるかわからないな、という慎重さがあった。

 民主党はどちらかと言えばウブですから、官僚の言うことがそのまますっと頭に入ってしまう。総じてピュアで取引の発想もない」

「09年の政権交代選挙では、「消費税を上げない」とご本人も大見得を切っていたはずなのに、政権の座に就いたらいつの間にか消費税を上げることが大義に変わっていた。

 野田さんは、「私は代表選で消費税引き上げを訴え、その結果代表に選ばれたんだから問題ない」と言うんでしょうが、それは党内の話で、国民とは関係がない。国民から見れば、「民主党が変節した」としか見えないんです」

「自民党の公約破りもひどかったが、マニフェスト破りのほうがよほどひどい。公約とは違い、マニフェストは絶対守られるものだというのを「ウリ」にしていたのですから。民主党は、消費増税と引き換えにそのほとんどを自ら反故にしてしまった。国民はもう民主党の言うことは何も信用しなくなるでしょう」

私も心配しているのは最後のくだりだ。

民主党は次の選挙で壊滅的な打撃を受け、消滅に向かうかもしれない。しかし、民主党に限らず、政党はレーゾンデートルがはっきりしている日本共産党や公明党をのぞけば、その時々の政治情勢で離合集散を繰り返すものだから、民主党が消えても「そんなものだろう」と思うだけである。

しかし、政党の掲げる政策を有権者が信用しなくなってしまったら、政党政治も選挙も全く価値が変わってしまう。民主党の国民に対する裏切りはそこが問題なのである。

このままでは、その時々の人気者が圧倒的な数を得て、刹那的にその都度国の仕組みをがらがらポンで変えていく。そんな仕切り直しばかりの政治が続くかもしれない。

政治の仕組みを発展的に変えるには、何を継続して発展させ、何を始め、何をやめるのか、きちんと議論し、有権者に説明し、啓蒙し、納得させる手続きができる人や党を選ぶべきではないのか。

いずれにしても、党の綱領すらもたず、選挙互助会を公言してはばからないような民主党には、それははなから無理な注文だったのだろう。

立ち直れるか日本の政治―官僚の操り人形だった自民党 天下り根絶に失敗した民主党

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