「大阪西成女医殺人容疑事件」、いわゆる「さっちゃん先生事件」は、9年前、大阪西成区で女性医師・矢島祥子さん(当時34)が変死体で発見された事件のことです。事件は他殺としての操作を行いながらいまだに犯人はつかまっていません。今回は引き続きそのことについて述べます。
元刑事でテレビコメンテーターもつとめる飛松五男氏の著作『飛松五男の熱血事件簿 私だけが知っている不可解事件の裏側と真相』についてご紹介することを予告したのは、
12月23日の記事です。
飛松五男氏は、同書の中で、大阪西成女医殺人容疑事件(大阪・西成の女医不審死事件、いわゆるさっちゃん先生事件)とのかかわりについて述べています。
2010年8月、飛松五男氏のもとに“西成のマザーテレサ”といわれた矢島祥子医師のお母さんからメールが届きました。
娘が自殺したとされたが、自殺するような理由が見当たらない。納得できない……と。
飛松五男氏は、そこに事件性を感じたといいます。
同書から引用します。
「警察官退職後に被害者の相談に乗り、犯人の割り出しなどを行っている私だが、『溺死体』『自死として処理』『警察の捜査が進んでい』ないといった文言が気になった。
その4日後の8月5日、私は相談者である矢島晶子さん(65)のご自宅である群馬を訪ねた」
亡くなった“西成のマザーテレサ”こと矢島祥子さんは、07年から大阪西成区の「くろかわ診療所」に内科医として勤務していました。
土地の者は、昔の住居表示から釜ヶ崎という通称を使っているところです。
矢島祥子医師が勤務していた「くろかわ診療所」は、「あいりん地区」といわれます。
「あいりん地区」というのは、特定の住居表示ではなく、国や自治体などの行政機関、および報道機関の統一名称です。
何の統一か。いわゆるドヤ街です。
説明が回りくどくなりましたが、大阪・西成の「釜ヶ崎」というのは、日本最大のドヤ街です。
“西成のマザーテレサ”は、たんなる病院勤務だけでなく、そこで特別清掃業務に参加する、経済的にも恵まれず無権利状態で生活する労働者、路上生活者の健康診断や、ホームレスなどの支援活動を行っていました。
それ自体、医師としてはずいぶん割りの合わなさそうな仕事という気がしますが、矢島祥子医師は、自分の休日も返上し、自腹を切って路上やテント、簡易宿泊所等を往診していました。
そこから、“西成のマザーテレサ”といわれるようになり、同地区の労働者たちに知らない者がいないほどでした。
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そんな矢島祥子さんが、09年11月14日に姿を消し、2日後に西成を流れる木津川の船着き場において遺体で発見されました。
警察は10年6月、「自殺の動機はわからないが、自殺の可能性が大である。そして、捜査は打ち切る。もうおしまい」と家族に通告したといいます。
飛松五男氏は、現場に赴き、いくつもの疑問や矛盾から、警察の初動捜査の誤りを感じました。
同書では、そこから飛松五男氏が新たな真実を見つけ出す作業を始めている。
だが、まだ同事件は犯人逮捕の報はありません。
次回も、飛松五男氏の著書からご紹介しましょう。
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飛松五男氏が解き明かす「さっちゃん先生事件」
2011-12-26 02:11
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こんばんは、今後もよろしくお願いいたします。
by ryuyokaonhachioj (2011-12-26 19:36)