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ヤクザと芸術の戦後史 [社会]

戦後史上、現在は暴力団にとってもっとも生き辛い時代になっているかもしれない。

暴力団排除条例自体は矛盾だらけだが、暴力団を「弱体化」させるという目的ははっきりしているからだ。

戦後史を紐解くと、警察が持てない暴力性を使って事を沈静化させたい時、警察はヤクザを自分たちの代わりに利用した事実がある。それでいて、用が済むと排除しようとした。

たとえば、戦後史上まもなく1945~50年頃は、“戦勝国民”と称して身勝手に振舞った一部の在日朝鮮人を鎮めるために自警団が活躍。

その多くは、60年代~70年代に活躍したヤクザたちだったといわれるが、彼らは自主的なだけでなく、当時の警察に頼まれて動いたこともある。戦後史上の裏話であるが……

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ところが、戦後史上の「民主」化を進める50年に団体等規制令によって暴力団解散に動く。

それが朝鮮戦争が勃発すると、その規制はいつのまにかうやむやに。さらに、60年安保闘争のさなかには、警察はヤクザと共存する方策をとった。

戦後史上、警察は政治的なご都合主義で暴力団対策を二転三転しているのだ。

そして、今年の春、田岡一雄・山口組三代目組長の長男・田岡満氏が、黄綬褒章受章が発表されたが、2日後に取り消しとなっる騒動があった。

本人は別に勲章がほしいといったわけでもないし、ヤクザの息子だからといって本人がヤクザなわけでもない。
だから、ずいぶんと人を馬鹿にした話である。

ちなみに、田岡満氏の妻は東映の女優だったが、そうした心労で自殺したといわれている。

なぜそのようなことを書いているかというと、今から9年前の2002年11月12日付の各スポーツ紙では、元暴力団組長という異色の経歴を持つ画家、山本集氏プロデュースによる映画賞「日本DV(デジタル・ビデオ)シネマ大賞」の開催決定が報じられているからだ。

これは、ビデオ映画界にとって初の映画賞になる。結局、受賞はできなかったが、本人は「今度は得意分野の笑いもやりたいな」(11月30日付「スポーツニッポン」)などと意欲を示した。

こちらは、正真正銘の「元ヤクザ」である。今なら、これも取り消しになったのだろうか。


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えがみ

今後もし仮に移民が増えるとなると、警察以外の治安組織が有った方が良いのかな、と思いますね。
by えがみ (2011-11-14 00:33) 

ハマコウ

いっぷくさん ご訪問とnice!をありがとうございます。
by ハマコウ (2011-11-23 06:43) 

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