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竹脇無我の生まれた日に『まごころ』を思い出す [懐かし映画・ドラマ]

まごころ

竹脇無我が生まれた日が2月17日です。私が住む近く(同じ区内)を終の棲家とされていたことや、幸薄い方だったことから、印象に残っている俳優の一人です。ドラマ全盛の時に仕事をしているので、出演作はいくつも挙げられるのですが、その中でもぜひまた観たいと思っているのが『まごころ』というホームドラマです。これは、大原麗子の隠れ代表作でもあると私は思っています。

竹脇無我
Google検索画面より

竹脇無我といえば、松竹映画でデビュー。

同い年で、高校野球のスターだった柴田勲(のち巨人)とともに、「法政二高の柴田勲か、青山学院の竹脇無我か」と騒がれたそうです。←野球中継アナだった島碩弥(ひろみ)の放送中に1度は出てきた一つ話。

しかし、いつも竹脇無我には、暗さがつきまとっていました。

アナウンサーだった父・竹脇昌作は自殺。

やはりアナウンサーを選んだ長兄・竹脇義果は視力障害。

その次の兄・真理は脳腫瘍で18歳で早逝。

そんな“お家断絶”を宿命付けられたような「ほしのもと」じゃ、暗くもなりますよね。

竹脇無我は、テレビドラマでも、『姿三四郎』『二人の世界』『坊っちゃん』『だいこんの花』『大岡越前』『いろはのい』など人気ドラマに次々出演。

ただ、仕事には恵まれたのですが、いつもどこか寂しげなキャラクターでした。

本人は違う役も演じたかったようですが、そんな気の毒な境遇では、突き抜けたような役を演じさせても、観る側が感情移入しにくかったかもしれません。

しかし、それが逆に、ニーズに合ったのでしょう。

当時は、薄幸・不遇なヒロインが、どんな“星の王子さま”を獲得できるか、というテーマのドラマがウケる時代でした。

そこで、竹脇無我には、“他人の心の痛みが分かる人”“不遇でもキラリと光るものをもっている人を見逃さない人”という、女性視聴者にとっては申し分のない“星の王子さま”の役どころが定着しました。

たとえば、『だいこんの花』という全5シリーズのドラマがありました。

『だいこんの花』向田邦子が描く父親と“星の王子様”のドラマ



竹脇無我は、大学を出て、社内でも嘱望されているエリートの技術者(技師や編集者など)と設定されています。

近所に、カップルとしてちょうどいい、きれいな女性(武原英子)もいるのです。

にもかかわらず、毎回その人を選ばず、親のいない学校も出ていないお手伝いさん(川口晶)、やはり親のいない同僚の妹(関根恵子高橋恵子)、連れ子ありの女性(川口晶)、バーのホステス(いしだあゆみ)といった境遇の女性を選ぶのです。

恵まれない境遇、複雑な出自の女性が寂しげな表情を見せる時、竹脇無我演じる永山誠は、その女性を選ぶのです。

wikiに面白いエピソードが書かれています。

リアルの竹脇無我はプロレス好きで、当時の贔屓レスラーはドリー・ファンク・ジュニアとハーリー・レイスだったそうです。

その理由が、「いやあ、体が大きくて寂しげなレスラーが好きなんです」

『だいこんの花』の永山誠は、まさに竹脇無我のアイデンティティそのものだったのかもしれません。

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大原麗子の“隠れ代表作”


やはり、竹脇無我キャラクターを象徴するようなドラマが、冒頭に述べた『まごころ』(1973年4月6日~1973年9月28日、大映テレビ/TBS)です。

父の伴淳三郎と、兄の竹脇無我が刑事、弟の西郷輝彦が新聞記者でありながら、事件ドラマではありません。

「朝の来ない夜はない 陽が昇らぬ空はない~」という西郷輝彦歌うテーマソングは、青春ドラマ、もしくし恋愛ドラマのものです。

『俺たちの明日』

竹脇無我が入社試験の日、チンピラにからまれていた女性(大原麗子)を救います。

その女性は、ちぎれた銀色のロケットを残して去っていきました。

そのために竹脇無我は入社試験に失敗。

しかし、竹脇無我はその女性の面影を胸に抱き、正義感に燃え、刑事の道に進むことになりました。

そして、ある事件を解決した時、犯人の仲間の少年(内田喜郎)を、引き取りに来た少年の姉が大原麗子でした。

その後の、センセーショナル路線に進む、大映ドラマの片鱗を見せてくれるようなストーリーです。

竹脇無我は、不遇な大原麗子と結婚します。

そこからは温かいホームドラマです。

竹脇無我の実家は、温かい家庭で、母親が加藤治子(途中で風見章子に交代)、姉が冨士眞奈美、その夫が前田吟、西郷輝彦の妻が早瀬久美です。

温かい家庭を触れて、大原麗子の心の豊かさが開花していくという展開です。

刑事の同僚に谷村昌彦、父親の元同僚に進藤英太郎も出ていました。

大原麗子というと、『雑居時代』(1973年10月3日~1974年3月27日、ユニオン映画/日本テレビ)をハイライトのように言う人は多いのですが、私はこの薄幸の女性を演じた『まごころ』こそ、彼女が演じたもっとも印象深いドラマだと思っています。

大原麗子
Google検索画面より

大原麗子さん、ドラマにも出てこないエピソード

冒頭の画像はTBSチャンネルにあるものですが、肝心の放送予定がありません。

つまり、視聴者のリクエスト次第ということでしょう。

面白そうだな、と思われた方は、ぜひリクエストをお願いいたします。

凄絶な生還、うつ病になってよかった

凄絶な生還、うつ病になってよかった

  • 作者: 竹脇 無我
  • 出版社/メーカー: マキノ出版
  • 発売日: 2003/07
  • メディア: 単行本


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