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『西遊記』堺正章、夏目雅子らが出演「中国四大奇書」のドラマ化 [懐かし映画・ドラマ]

西遊記

『西遊記』(1978年10月1日~1979年4月1日、国際放映/日本テレビ)が、久しぶりに日本映画専門チャンネルで3日から放送開始されます。斉天大聖孫悟空を堺正章、三蔵法師を夏目雅子、猪八戒を西田敏行、沙悟浄を岸部シローが演じた半年もののテレビドラマです。エンディングテーマにはゴダイゴの『ガンダーラ』が使われました。(上の画像は日本映画専門チャンネルより)



以前、このブログで『水滸伝』をご紹介したことがあります。

『水滸伝』中村敦夫主演テレビ版と原作の違い

中村敦夫

『水滸伝』は、12世紀初めに、36人が梁山泊の近辺で反乱を起こした史実をもとに、108人の義賊による壮大な物語に創作された、明代中国の伝奇歴史小説と言われています。

日本でも翻訳・翻案作品がいろいろ出ました。

民放の日本テレビは、開局20周年記念番組として、中村敦夫演じる元軍人の天雄星・豹子頭・林冲を主人公にした『水滸伝』を1973年にドラマ化しました。

ちょっとむずかしい大人のドラマのはずでしたが、当時、学校では毎週ストーリーが話題になっていたので、たぶん人気番組だったのでしょう。

そして、5年後の1978年には、開局25周年記念番組として、やはり明の時代の中国で作られた「中国四大奇書」と称される、伝奇小説の『西遊記』が放送されました。

制作会社は、『水滸伝』で明の中国を描くノウハウを身につけた国際放映が担当。

主演は、冒頭に書いたように、斉天大聖孫悟空を堺正章、三蔵法師を夏目雅子、猪八戒を西田敏行、沙悟浄を岸部シローが演じました。

孫悟空は天界で暴れ回り、釈迦(高峰三枝子)に石牢に閉じ込められますが、天竺に仏教の経典をもらいに行く三蔵法師に、旅のお供をする条件で助けてもらいます。

天界でおつとめをしていた猪八戒と沙悟浄も、それぞれしくじりをやらかし、旅の供に合流するというのがドラマの第一回だったと思います。

ただ、私は原作には詳しくないのですが、沙悟浄が人喰い鬼として描かれていた絵本の記憶があるので、ドラマとしての脚色があるのかもしれません。

ま、伝奇小説ですから、そのへん変わってても、クレームもないのでしょうし。

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「自己実現」と「自己中心」の衝突を問う


15年ぐらい前には、別のCS局でも放送されたことがあったのですが、1978年に一通り観ているにもかかわらず、毎回録画して観ていました。

とくに「なるほどなあ」と思ったのは、第6回の『悟空破門!三妖怪の罠』という話です。

人の命を奪うことで、自分が長生きできるという宿命を負った、赤袍怪(片桐竜次)青袍怪(根岸一正)黄袍怪(高橋長英)の三妖怪が登場します。

そこで、三蔵法師が黄袍怪(高橋長英)に対して、「そんなことをして長生きして何になる。ただ長生きしても、その時は同じ世代の友達もみんないないのだ」と、ゴダイゴの『ガンダーラ』をバックに諭すシーンがあります。

ドラマでは、人間の命を奪うのは妖怪ですが、現実の社会は、人間が動物や魚や植物の命を奪って生きています。

食べ物にしたり、増えすぎると邪魔だと言って間引きしたり……。

仏教の世界では、一切の有情は罪深い生き物であるといい、また数えきれない連綿と続くいのちのバトンがの上に私達が成り立っている、という考え方もあるそうですね。

輪廻転生があるかどうかはともかくとして、他者を犠牲にしても「生きる」ことに賭ける自己実現と、自己中心的な生き方・考え方に執着することを戒めるという価値観の衝突が伝わる、なかなか深いストーリーでした。

今もFacebookの昭和関連グループでは話題になることが多いドラマですが、最初の放送から38年もったっているので、西遊記自体はご存知でも、このドラマは観ていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

明後日の7月3日から放送が始まります。

ぜひご覧ください。

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