PC資格は、IT時代の花形資格です。受験資格はなく、中には経済産業省が認定する国家資格もあります。ITパスポート、ネットワークスペシャリスト、プロジェクトマネージャなどについて、その内容と受験概要についてご紹介します。
ITパスポートってどんな資格?
ITパスポートとは、2009年度に新しく設立された情報処理試験の1つです。
経済産業省が認定する国家資格でもあります。
以前は、初級シスアドという試験がありましたが、それがITパスポートと同等レベルの試験だったとされています。
情報処理試験の中では、最も初級にあたる資格試験になります。
現代は、IT時代といっても過言ではありませんよね。
どんな職種でも、何かしらパソコンを使って仕事をしているのではないでしょうか。
この資格は、どのような職種であっても会社で働く人にとって、知っておくべき情報技術の基礎的な事を対象としています。
情報技術に関わっていく仕事はもちろん、直接情報処理とは関係のない仕事であっても、自分の持っている情報技術の知識をその仕事に活かしていこうとする人が取得する資格です。
今までの社会は、「読み・書き・計算力」が必要とされてきました。
しかし、これからは、それに加え、「IT力」や「英語力」も必要だといわれています。
特にパソコン力はこれからの社会では必要不可欠なものになってきているのです。
ITを正しく理解して、仕事に活用していけるように、この資格は設立されました。
これから社会人になる学生の方、社会人になって間もない方などの若い世代の方が数多くこの資格を受験しています。
でも、若い世代の方よりも、むしろ、パソコンを苦手としている世代の方が取得した方がいい資格かもしれません。
ITパスポートの受験概要って?
ITパスポート試験は、受験資格に制限はありません。
4月と10月のそれぞれ第三日曜日に試験があります。
申し込み期間は、4月の試験では1月中旬から一ヶ月間、10月の試験では7月中旬から一ヶ月間です。
試験時間は165分ですので、半日で終わりますね。
ただ、出題数は100問にも及びます。
かなりの問題数ですよね。
経営全般(ストラテジ系)に関する問題が35問、IT管理(マネジメント系)に関する問題が25問、IT技術(テクノロジ系)に関する問題が40問で、合計100問になります。
合格するには、満点の60%以上の点数を取り、なおかつ各分野別(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)の得点が、それぞれ満点の30%以上の点数であることが条件です。
そのため、トータルの点数が良くても、各分野別の点数が平均的に取れていないと合格できません。
ただ、このITパスポート試験は、情報処理試験の中では初級の試験になりますから、合格率もかなり高くなっています。
受験者数の半数以上の方が合格していることもあり、この資格を持っているからといって、就職に有利だとか、収入がアップするとか、そういったメリットはあまりないでしょう。
初級の試験だけに、IT関連の職種に就く方にとっては、取って当たり前の資格と判断されてしまうようです。
とはいえ、さらなる上位資格を目指すためにも、まずは、初級の試験突破を目指して頑張りたいですね。
ネットワークスペシャリストってどんな資格?
ネットワークスペシャリストとは、ネットワークに関する知識を豊富に所持していることを証明し、それを余すところなく活用していくことができる資格です。
携わっている仕事に、最も適しているネットワークのシステムを企画したり、開発や運用、保守などを行っていきます。
ネットワークという固有技術のスペシャリストとして、ネットワークの資源を管理したり、技術を支援したりしていくのです。
ネットワークは、情報システムの基本的な役割を果たしています。
それは、とても大切な役割であり、その重要性は今後ますます増していく傾向にあります。
ネットワークスペシャリストとしての業務を滞りなく遂行するためには、実践能力はもちろんのこと、幅広い知識や経験が要求されるでしょう。
この資格を持っていると、情報システム系やネットワーク関連の企業に就職するのに有利になるはずです。
さらに実務経験があれば、すぐにでも採用される資格と言っても過言ではありません。
でも、この資格を取得するのは、大変難しいです。
とても難易度の高い資格なのです。
ネットワークに関する情報処理試験の中では最難関の資格の1つと言われています。
自分1人で参考書などを使って独学するだけでは、合格するのは難しいかもしれません。
通信講座を受けるとか、情報処理関連のスクールなどで効率よく勉強しないと、なかなか合格することはできないでしょう。
並大抵の努力では取得できない資格です。
ネットワークスペシャリストの受験概要って?
ネットワークスペシャリストの試験は、毎年10月の第三日曜日に行われています。
受験に資格制限等はありません。
試験は、午前と午後に分かれています。
午前1は、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の問題が30問出題されます。
試験時間は50分で、選択式の回答になります。
午前2は、テクノロジ系の問題ですが、コンピュータシステムや技術要素、開発技術などの問題が25問出題されます。
試験時間は40分で、選択式の回答です。
午後の試験は、ネットワークシステムの企画や要件定義・開発に関する事、運用・保守に関する事、技術・関連法規・標準に関する事、そして、ネットワークサービス活用に関する事などの設問があり、記述式で回答します。
午後1は、3問中2問を選択して回答し、試験時間は90分です。
午後2は、2問中1問の回答になり、120分の試験時間となっています。
午前1・2、午後1に関しては、満点の60%以上の点数が合格基準です。
ただし、午前1の点数が60%に満たない場合は午前2の採点はせずに不合格になります。
同様に、午前1は合格基準点に達していても、午前2において未達の場合は、午後1の採点は行いません。
このように、全部の合計点で合否を決めるのではなく、個々の試験での点数によって、合否が決まるのです。
ですから、どれか1つだけが出来ていても合格できません。
最難関と言われているネットワークスペシャリストの試験に合格して、仕事にも役立てていきたいですね。
プロジェクトマネージャってどんな資格?
プロジェクトマネージャって、良く聞きますよね。
ほとんどの人は、会社の中の何かのプロジェクトのリーダー的存在の人物だと理解していると思います。
実際、そのような人物の事をプロジェクトマネージャと呼びますよね。
プロジェクトマネージャは、プロジェクトチームの目標達成のため、資金のやりくりや優秀な人材の確保、設備や物資、スケジュールなどを調整して、チーム全体の進捗状況を管理していく能力が必要になります。
このプロジェクトマネージャの資格の重要性は、IT関係の職種だけに留まりません。
他の様々な分野の職業にも必要な資格です。建設関係や会社の管理・経営、ひいては軍備に関係するところまで、プロジェクトマネージャは必要とされているのです。
当たり前のことですが、プロジェクトマネージャはプロジェクトの完了まで責任持って任務を遂行しなければなりません。
どんな困難に遭遇したとしても、途中で投げ出すなんて以ての外です。
きちんと最後までやり遂げる能力と忍耐力が必要になってきます。
また、プロジェクトチーム内の業務を円滑に行うためにも、問題があれば速やかに把握して、的確な対応をすることが望まれています。
もちろん、プロジェクトマネージャの資格を取ったからといって、必ずしもプロジェクトマネージャになれるわけではありません。
経験や実績を積み、プロジェクトを任せられると判断されなければ、実際の業務でプロジェクトマネージャになることはできないでしょう。
プロジェクトマネージャの受験概要って?
プロジェクトマネージャには、受験資格や年齢などの制限はありません。
誰でも受けられる試験です。
しかし、難易度の高い試験になります。
合格率も6~8%と、かなり低くなっています。
プロジェクトマネージャ試験は、毎年4月の第三日曜日に実施されます。申込期間は1月下旬から約一ヶ月間です。
試験は、午前と午後に分かれています。
午前の試験は、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系から出題されます。
午前1は50分の試験時間で30問、午前2は40分の試験時間で25問出題され、両方とも多岐選択式の回答です。
また、どちらの試験も、満点の60%以上の点数を取らなければ合格基準にはなりません。
そして、午後の試験は記述・論述式の試験です。
どちらもプロジェクトに関する問題になります。
午後1は記述式の問題で90分の試験時間です。4問中2問を選んで回答します。
合格基準は、満点の60%以上の点数になります。
午後2は、3問中1問の回答ですが、小論文です。試験時間は120分あります。
日常生活で小論文を書く機会はあまりないでしょうから、ある程度、書く練習をしておく必要があると思います。
合格基準は、ランクAのみです。
ちなみに、午前1の試験で合格基準点を取得していなければ、午前2や午後にどんなに良い点数を取れていたとしても採点しません。
同様に、午前1は合格基準でも午前2で不合格になってしまうと、午後の採点はしてくれないのです。
なので、まずは、午前の試験をしっかりと合格基準に出来るように、頑張らないといけませんね。
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