マイルド加温療法(HSP)、風邪をひいた時でも実践できるか [ヒートショックプロテイン]
マイルド加温療法(ヒートショックプロテイン・HSP)について書きます。ヒートショックプロテインのマイルド加温療法について、このブログでは何度か記事にしました。お金のかからない日常的な健康法としてマスコミにも注目されていますが、では、健康ではない時、たとえば風邪をひいた時でも実践したほうがいいのかどうかを調べてみました。
ヒートショックプロテイン(HSP)というのは、熱や加圧や低酸素や放射能などいろいろなストレスによって、傷ついた体内の細胞を修復してくれるタンパク質のことです。
これは、熱によってもっとも増えると言われており、したがって、40~42℃の熱めのお湯に入浴することで、体内に常に多くのHSPをもって治癒力を高め健康な体にしましょうという「マイルド加温療法」が話題になっているわけです。
私は、ヒートショックプロテイン(HSP)のマイルド加温療法について、週に1~2回実践してきました。
そのおかげかどうかわかりませんが、年齢的に心配しなければならない血圧、血糖値、コレステロール、尿酸値などはすべて正常値です。
とくに、運動もせず食生活も変わらないのに、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増えている感じがします。あ、これはあくまでも主観で、エビデンスはありません(汗)
そんな私ですが、ちょっとここ数日体調がよくありません。
熱も上がらないし、肺や気管支は大丈夫なようですが、痰のからむ咳がしつこく出ます。
連休後の妻の肺炎以来、子どもも咳をするようになり、とうとうこちらにうつってきたようです。
もらい風邪はよくある話で、それは仕方ありません。
問題は、その状態でマイルド加温療法を実践してもいいのかどうか、ということです。
体が病気を抱えて弱っている時でも、お風呂健康法は実践できるのでしょうか。
伊藤要子氏の見解
ヒートショックプロテインといえば、伊藤要子氏こそが、その研究者であり、世間にマイルド加温療法を拡めておられる方です。
その伊藤要子氏の著書『HSPが病気を必ず治す』(ビジネス社)には、「風邪をひいたときの加温のしかた」という見出しで、風邪を引いた2人の加温実践の被験者(学生)についてこう書かれています。
1人は、風邪をひいてフラフラするので、加温はできないといって棄権。もう1人は、風邪をひいたといいながらも加温実験に参加してくれました。
加温実験に参加した学生は、遠赤外線加温装置を使って、汗をしっかり出し(途中から寝ていました)、体温は38℃近くまで上がりました。加温時間は35分です。加温した学生は、1日後の筋肉痛の実験も元気に参加し、風邪はひどくなりませんでした。加温しなかった学生は風邪のままで対照的でした。
お風呂での加温も可能です。ただし、その際はかなりしっかり加温してください。湯温42℃で10分間、舌下温38℃以上を目安につかります。汗が大量に出ますから水分補給を忘れないこと。(中略)
風邪かなと思ったら、早めに加温してHSPを増加させておくと風邪はひどくなりません。人によって、加温温度や時間は異なりますので、自分で適切な条件を見つけてください。
要するに、風邪を引いてもマイルド加温療法はできるし、また実践することで風邪も治る、ということです。
同書より発行年の新しい、『「ヒートショックプロテイン」があなたを健康にする加温生活』(伊藤要子著、マガジンハウス)では、もっと踏み込んで、「風邪を一日で治す必殺の近道」という見出しのもとにこう書かれています。
風邪かなと思ったとき(できれば悪寒を感じる前が一番良いですが、感じたときでもいい)に自分で熱を作って体温を39℃近くまで上げるのはとても大変なので、この熱を体の外から取り入れる (お風呂から熱を取り入れる) のです。チョットずるいのですが、自分で熱を作る変わりにお風呂に入って体温を上げてしまうわけです。そのほうが、うんと早いし、楽に体温を上げられます。お風呂で体温は、37℃でも38℃でも39℃でも自由に上げられるのです。
しかし、中途半端な温め方では熱が不充分なためにまた自分で熱を作る悪寒が続き、よけいに風邪が長引くので必ず38℃以上に上げましょう。
人間がなぜ風邪で発熱するかというと、細菌やウイルスなどが、平熱の設定温度を39度や40度にあげてしまうからだといいます。
しかし、急に設定温度を変えられても人間の体温は急には変わらないので、悪寒という風邪の前駆的症状があり、その後体温が上がっていくそうです。
その体温を上げる作業を、マイルド加温療法でやってしまえば、風邪ははやく収まるというのです。
要するに、風邪を引いてもマイルド加温療法は行いましょう、という話です。
結論は出ませんでした
以前は、風邪をひいたら入浴はするなといわれました。
『「ヒートショックプロテイン」があなたを健康にする加温生活』にもその点は触れられていて、
「医師の見解に関するある報告では、お風呂禁止‥10%、許可‥59%、どちらとも言えない‥31%でした」と書いています。
伊藤要子氏はそれを受けて、「昔は、風邪の子はお風呂禁止が常識でしたが、これは、「屋外風呂」が一般的であり、屋外の冷気で湯冷めしやすかったのが原因」だっただけで、今は、「風邪をひいたら、HSP入浴法で思いっきり温め、充分に汗を出して、その日はゆっくり休む! これが、風邪必殺の近道です」と断言しています。
ただ、マイルド加温療法実践者である私としても、個人的にはどうかなあと思う点もあります。
たとえば、『HSPが病気を必ず治す』に出ている風邪を引いた人は、学生と書かれています。
年齢は書かれていませんが、まあ学部生か前期の院生としても、せいぜい20代の前半でしょう。
つまり、人生の中で体力がピークにある人ですから、風邪で多少体が弱っていても、マイルド加温療法ができたのだと考えられます。
もはや、その親の世代である私が同じことを実践したとして、体力が違うのですから、同じ結果になるかどうかはわかりません。
後半も、悪寒を感じた時、つまり風邪の初期症状時の実践であり、すでに風邪をひいているさなかの人に適しているかどうかはこれだけではわかりません。
う~ん。ということは、風邪をひいた時のマイルド加温療法、実践すべきかどうか、これだけでは結論が出ません。
マイルド加温療法が普及するために、引き続き調べていただきたいことですね。
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