インフルエンザの流行するシーズンが近づいてきました。ネットでも予防や治療薬についての情報がいろいろ出ていますが、『日刊ゲンダイ』(2015年12月4日付)の「役に立つオモシロ医学論文」という連載で、著者の青島周一氏は、緑茶によるうがいの効果について言及しています。
Googleの検索エンジンで「緑茶 うがい 効果」という3語の複合キーワード検索をすると、「約141,000件」出てきました。
普通、複合のキーワードが増えるほど検索数は絞りこまれてくるのですが、3語でも「約141,000件」出てくるということは、「緑茶によるうがいの効果を知りたい」というニーズが高いということなんでしょうね。
緑茶には、カテキン(お茶の渋味成分)やサポニンが含まれ、それが抗酸化作用や抗ウイルス作用を持っているといいます。
また、ビタミンCやビタミンEが、皮膚や粘膜の健康維持(コラーゲン形成)や抗酸化作用があるそうです。
そこで、緑茶でうがいをすれば、口腔を通じて侵入するウイルスや細菌が、粘膜から侵入するのを防き、同時に保護もしてくれる効果があり、さらに抗酸化作用が免疫機能を助けるはたらきをするというわけです。
だったら、いちいちガラガラペッと出さないで、ガブガブ飲めばいいんじゃない?
という気もするんですけどね
あるサイトでは、「約4割も風邪などの病気にかかる確率が減少」と書いていますが、どんな調査による数字なのかは一切書かれていません。
ケチを付ける形になりますが、出処のはっきりしないデータは、あまり本気にしなくてもいいでしょう。
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という前置きはともかくとして、『日刊ゲンダイ』(2015年12月4日付)の「役に立つオモシロ医学論文」という記事では、「緑茶によるうがいの効果」について述べています。
記事では、「プロス・ワン」という学術誌に掲載された、緑茶によるうがいと水によるうがいの2グループで、インフルエンザの発症を比較した調査報告が紹介されています。静岡県の高校生757人を対象に、11年12月~12年2月のインフルエンザ流行期、「1日3回、緑茶でうがいするグループ」(387人)と「1日3回、水でうがいするグループ」(370人)にランダムに振り分け、インフルエンザの発症を比較したそうです。
その結果、「緑茶でうがいをしていたグループで4.9%、水でうがいをしていたグループで6.9%と、緑茶でうがいをしていたグループで31%低い傾向にありました。しかしながら、統計的に明確な差はありませんでした。」ということです。
しかも、これは、いわゆる二重盲検試験ではなく、方や「水」、もう一方が「緑茶」と当事者はわかっています。
緑茶うがいをしていたグループは、より予防意識が高まった可能性を考慮しなければならず、そう考えると、「実際にはほとんど差がない可能性もあ」るわけで、要するに、「緑茶のうがい」はインフルエンザの有意な予防効果はないということです。
効果が同じなら、費用対効果に優れる「水のうがい」を推奨する、というのが記事の結論です。
治療薬・イナビル
このブログでは、私がインフルエンザに罹った時、イナビルを処方されたことを書きました。
イナビルは効果があるか
イナビル
粉を吸い込むことで、それが血中に広がって1日後ぐらいに効果が現れる、ということなのですが、使ってみたところ、きちんと吸い込めるのかどうかという点で、どうなのかなという気がしたと前回は書きました。
ただ、最初の1回だけ吸入すればいいので、飲み忘れなく服用できます。
薬価はタミフルより高いみたいですけどね。
ワクチン(予防接種)
これはだいぶ浸透してきましたが、ワクチンは完全な予防にはならないと厚労省も認めています。
インフルエンザ予防接種論争、今年もあるのか?
「重症化を防ぐ」といいますが、何をもって「重症」か、また、ワクチンを接種したからこそ防いだといえるかどうかの判断は何をもって行うのか、ということは未だに謎です。
もっとも、こういう問題は、「がんもどき」と同じで信者がいるので、私の書き方は「ワクチン信者」から叩かれて炎上するかもしれません(汗)
前にもそういうことあったし。
いずれにしても、「リスク=ハザード×確率」なのに、医学的なお墨付きを得ている確率で検証せずに「リスク」ばかりを大仰に報じるのは、国民を必要以上に不安にさせるだけの非合理なものだと思っています。
その意味では、ワクチン信者にも、一部のワクチン絶対禁忌者にも懐疑的にならざるをえない私です。
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