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古事記ーまんがで読破ー(イースト・プレス) [文学]

古事記ーまんがで読破ー(イースト・プレス)

古事記ーまんがで読破ー(イースト・プレス)をご紹介します。文官・太安万侶が、日本で初めて書き残した「最初の神話」をまんがで翻案したものです。日本語も文法が体系付けられたものがない時代の表現物を、わかりやすく漫画化しています。

古事記といえば、文官・太安万侶(おおのやすまろ)による、日本最古の書物です。

世界のはじまりから、神様の出現、推古天皇までの皇位の継承など、日本の成立がドラマチックに描かれています。

日本最古の歴史書でありますが、とくに前半は日本神話を含むので、日本文学の発生や源流を見る上でも重要な文学書とも言われています。

神話というのは、神々の性質や力を理解するための手段として用いられる創作です。

原本は上中下の三巻からなり、神代の天地の始まりから、様々な神々の誕生と活躍、そして人間社会の形成に至るまでの物語が綴られています。

特に、出雲神話を重視するなど、歴史的事実を目的とした日本書紀とは異なる内容も含まれており、日本の宗教文化や精神文化に多大な影響を与えてきました。

いずれにしても、日本語も文法が体系付けられたものがない時代の表現物。

翻案も様々で、これまで古事記や日本書紀の漫画翻案・解説本は、かなりの数が出ています。

しかし、いずれにしても、ちょっととっつきにくい面はあったのではないでしょうか。

そこで、本書『古事記ーまんがで読破ー』(バラエティ・アートワークス著、イースト・プレス)は、他の漫画のように「原作」をそのまま漫画化するのではなく、高等学校を舞台にして、文学部出身の図書館司書が、生徒に対して古事記における自分の解釈を説明をする、という体裁をとってわかりやすく構成しています。

諸外国の神話と日本の神話の違い


本書は、諸外国諸宗派の神話と、日本の神話の違いについての解説から始まっています。

簡単に述べると、一神教と多神教の違いを説明しています。

日本の神道は、複数の神々を信じる多神教に基づき、外国のユダヤ教、キリスト教、イスラム教など、有名な宗教は一つの神を崇拝する一神教ということです。

外国にも、ヒンドゥー教や、古代ギリシャ・ローマの神話など多神教はあるんですけどね。

多神教は、自然現象や人間の営みについて、それぞれ複数の神々が崇拝されています。

科学者でも、目の前の自然現象については客観的に考察しますが、ではそもそもその自然はどこからどうやって始まったのか、というと、“神の一撃”から始まったとします。

いくら進化論を説いても、その最初を作ったのは神になってしまうのです。

ところが、日本の神話は違うと、司書は述べています。

最初は無であり、次に宇宙物理学でいうビッグバンがあり、その直後に姿かたちの無い神が誕生したというのです。

その神が子どもを作って、空間などの概念、土地、生命などを創造し、それからようやく人間の形の神々が登場します。

すなわち、自然科学的な世界観を前提としてファンタジーがある、ということです。

面白いですね。

科学のおおもとは一神教で、逆に神道のおおもとは自然科学的な世界観ということです。

いずれにしても、何かを拠り所にするところから、人間の思考や価値観は成立しているということでしょうか。

神道とは何だ


神道は、神様を祀る日本固有の宗教であり、惟神道(かんながらのみち)とも呼ばれます。

開祖や教祖、教典を持たず、森羅万象に神が宿るという思想に基づいています。

教典を持たないということは、具体的な教義がなく、清らかで明るく正しく素直な心を徳目とし、どちらかというと道徳的な特徴があります。

そして、神と自然は一体と認識され、神と人間を結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社です。

まあ、神道における神様とは、私たちが「清らかで明るく正しく素直な心」を持っているかどうかの「お目付け役」のようなものです。

神道の具体的な「教え」としては、朝日を浴びて1日が始まるというのは、眠りが仮りのシであり、一方、光に包まれる朝は再生の象徴だといわれます。

そこで、朝、顔を洗い、歯を磨くことは、夜の間にまとわりついた「穢れを祓う」ともいいます。

食事の際の箸は、食器の手前に横置き。

中国や韓国でも箸を使いますが、日本のように食べ物に対して横向きではなく縦向きに置きます。


日本が横向きというのは神道的に意味があり、「命を捧げたもの」(食べもの)と「生きている者」(人間)の間の結界を表しているといいます。

そこで、いただくときは感謝の一礼をする。

私は、二拍一礼してからいただいています。

神道信者ではありませんけど、道徳として。

還暦過ぎたオヤジが、「いっただっきま~す」なんて声を上げるのも、なんか照れくさいし(笑)

私たちは、神道に対する特別な信仰がなくても、生まれたらお宮参り、七五三、初詣、人によっては神前結婚などでお世話になっていますからね。

いずれにしても、仏教でいう「戒律」の「戒」にあたるもので、守らなくても誰かからペナルティを課されるわけではなく、自分の判断で気をつけることばかり。

ですから、宗教と言っても「ゆるい」もので、そのゆるさが、信仰のない人も含めて、日本の文化に幅広く根付いているのでしょう。

神道については、またわかりやすく解説された書籍をいずれレビューしたいと思います。

みなさんは、初詣やお祝いごとなどの参拝は、神社派ですか、お寺派ですか。

古事記 ─まんがで読破─
古事記 ─まんがで読破─

古事記/日本書紀 (まんがで読破Remix)
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コメント 10

mm

おはようございます^^
古事記、ビギナーズクラッシック、という本でかなり前に読みました。もう覚えていないほど(__;
神道と仏教、両方支えられています^^;
毎日は仏壇に手を合わせ、祝い事は神社ですね。
by mm (2024-04-11 06:20) 

夏炉冬扇

古事記はほとんど読んだことがありません。いけないですね。
ブルーベリーは畑のものですが、酢漬けは娘が作って、冷蔵庫に入れてあります。体にはいいと思います。
by 夏炉冬扇 (2024-04-11 07:10) 

Take-Zee

おはようございます!
いま、ローカル局で”ごりやくさん”という各地の
神社巡りの番組が放送されています。
その中で神様が出て来ますが、人間以上に人っぽいのが
面白いです (いわれを漫画解説)!
TVKや千葉テレビでやってます。

by Take-Zee (2024-04-11 07:44) 

猫またぎ

源氏物語や古事記はとっき難いですね。
どちらも読んだことありません。
初詣富岡八幡宮と深川不動堂が
並んでいるので、
一緒にお参りしています。

by 猫またぎ (2024-04-11 09:55) 

pn

おお、これなら読めそうな気がする。
小声でいただきますと言っています(笑)
by pn (2024-04-11 12:00) 

ムサシママ

初詣は神社派ですが最近は行っていません
森羅万象に神が宿るは分かるような気がします
木1本、花一輪にしても切られていると心が痛みます
花は枯れるまで見てありがとうと言ってお別れをします
いただきますを言う前に手がビールを掴んでいます^^;
by ムサシママ (2024-04-11 13:14) 

コーヒーカップ

古事記は苦手で、まぁ古文の授業が苦手でした。
興味がわかなかったんですよね。
by コーヒーカップ (2024-04-11 16:27) 

そらへい

若い時に手にしたのかどうかもわからなくて
去年、和訳古事記を図書館で借りて読み始めましたが
カタカナの神々の羅列に結局挫折しました。

by そらへい (2024-04-11 19:41) 

tai-yama

神様の名前が長いのが印象。漢字表記だとすごいことに
なりますし(笑)。神道だと巫女さんが重視されますね。
by tai-yama (2024-04-11 22:46) 

mau

漫画で授業なら頭に入りやすいかも
by mau (2024-04-12 00:46) 

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