羽田弁天橋、海老取川付近の大鳥居と『釣りバカ』のロケ地 [大田区散歩]
羽田弁天橋という、東京国際空港(羽田空港)の敷地と、海老取川を隔てた大田区羽田町とを結ぶ南端の橋があります。弁天橋付近では、伝説の大鳥居と、『釣りバカ日誌』(1988年~2009年、松竹)の撮影がしばしば行われていた土手があります。天気がいいので、行ってきました。
大田区の羽田町と、羽田空港(大田区羽田空港一・二丁目)は、海老取川という川を隔てています。
そこをむすぶ、いくつかの橋のいちばん南にあるのは、羽田弁天橋といいます。
弁天橋の羽田側沿いの土手は、かつて『釣りバカ日誌』(1988年~2009年、松竹)で、浜ちゃんが羽田に住んでいるという設定だったので、よくロケが行われました。
一方、弁天橋を羽田空港側に渡ると、南端の河川敷に羽田大鳥居がたち、それほど大きくない場所なのですが、いつも少なくない人が訪れます。
羽田空港が沖合に移転してからできた“観光スポット”です。
かつては「呪いの大鳥居」に「平和の鈴」がかかる
弁天橋東詰にある大鳥居。穴守稲荷神社の旧大鳥居でそこに社殿があったそうです。穴守稲荷神社の移動に伴い、工事が入るものの事故が相次ぎ、「穴守さまのたたり」といううわさが流れたほど。現在は鳥居中央に平和の鈴がかけられており、多くの人が訪れます。 pic.twitter.com/efD3LPnSxL
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 30, 2024
羽田空港をめぐる「呪い」のエピソードを書きます。
成田空港とともに、国際線に利用される、日本の空の玄関といわれるのが羽田空港。
その土地は、もともと多摩川河口の干潟でできたもので、戦前は鈴木新田といって、穴守稲荷神社や鉱泉などがある観光地でした。
干潟地と、海老取川という川を隔てた西側の町が、羽田とか羽田本町といいます。
その鈴木新田側に、今の羽田空港の前身に当たる飛行場が1931年にできたのですが、1945年に駐留したアメリカ軍が、利用するため接収。
当時の鈴木新田には3つの町がありましたが、住人は、穴守稲荷神社を含めて、無慈悲にも「48時間以内に出ていけ」と、アメリカ進駐軍から強要されました。
ですから、今、羽田町にある穴守稲荷神社は、鈴木新田から移転させられたのです。
穴守稲荷神社は、鈴木新田にあった社殿も大鳥居も、そこに置き去りにして放棄せざるを得ませんでした。
そして、進駐軍によって鈴木新田にあった3つの町は一夜にしてブルドーザーで跡形もなく壊されましたが、大鳥居だけは何度か試みたものの動かせず、作業員が大怪我をするので、「呪い」と思われ大鳥居が残されました。
【都市伝説】羽田空港に残された呪われた鳥居【穴守稲荷神社】https://t.co/v9eih9ob8M#都市伝説#羽田空港#鳥居 pic.twitter.com/Jn4dTdeFhm
— Umaoka/楽器演奏おじさん (@umaoka) March 26, 2023
ですから、国際空港を作ってからも、そのロータリーのど真ん中に大鳥居は残ったのです。
『クレージーの怪盗ジバコ』より
その後、空港が沖合移転の際に、現在の場所に移動しました。
弁天橋東詰にある大鳥居。穴守稲荷神社の旧大鳥居でそこに社殿があったそうです。穴守稲荷神社の移動に伴い、工事が入るものの事故が相次ぎ、「穴守さまのたたり」といううわさが流れたほど。現在は鳥居中央に平和の鈴がかけられており、多くの人が訪れます。 pic.twitter.com/efD3LPnSxL
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 30, 2024
今は、大鳥居に「平和の鈴」がかけられ、訪れた人は鈴を鳴らしていきます。
羽田空港の南西端に、ポツリと立つ真っ赤な鳥居があります。この鳥居は「羽田大鳥居(Haneda Otorii)」という愛称で知られています。正式名称は「旧穴守稲荷神社大鳥居」です。元々は羽田空港に鎮座していた「穴守稲荷神社」の大鳥居を多摩川の河口の海老取川近くに移設したものです。 pic.twitter.com/U9RdoKkyZe
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 31, 2024
海老取川沿いは、桜並木の遊歩道ですが、3月31日現在で、咲きそうな気配はありませんでした。
本当は、この記事に合わせて咲いていると良かったんですけどね。
空港名物電光看板も移転とともに……
一方、羽田町側の土手は、『釣りバカ日誌』の主人公、ハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)の自宅があったところで、しばしば映画に登場しました。
羽田町側の土手は、『釣りバカ日誌』の主人公、ハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)の自宅があったところで、しばしば映画に登場しました。今は空港名物電光看板もなく、後方にあるダイエーのネオン看板も懐かしい。 pic.twitter.com/OdSxmLmCqv
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 31, 2024
三國連太郎と石田えりが歩いている後ろで光っているのは、空港名物電光看板です。
今は、もうガイコツになってしまいました。
以前は、こんな感じで並んでいました。
いずれも『喜劇女は度胸』(松竹)より
『釣りバカ日誌』で、ハマちゃん夫人のミチコさんは、最初の7作は石田えり、後半の15作は浅田美代子が演じていました。
浅田美代子には悪いのですが、交代してからは、ちょっと作品の質が変わってしまったような気がしました。
もともと同作は、三國連太郎と谷啓のリアル老化が著しかったために、終盤はちょっと見ていて辛いものがありましたが、石田えりの出演した前半の7作は、なぜダメ社員のハマちゃんに、婚約者までいたミチコさんが惹かれたのかが、スーさん(三國連太郎)を通して描かれていて、当時独身の私は、この作品にたんなる喜劇ではない魅力を感じていました。
たぶん、親の縁が薄い西田敏行と三國連太郎、養護施設の生活を経験している石田えりという3人による、演技を超えた人生の影のようなものが、作品に深みをもたせたのかもしれません。
中学お受験でお嬢様学校に入り、デビューしてすぐ売れた天然系の浅田美代子では、なかなか超えられない3人でした。
みなさんのお住まいの桜は、もう開花されましたか。
羽田時空旅行: 〜観て・知る・歩く羽田〜 - 森重和雄, 菊竹裕二, 村石裕, 村石裕
三國連太郎。いい俳優さんでした。飢餓海峡。思いだします。カスミサンショウウオ、うまく孵ってくれるように。
by 夏炉冬扇 (2024-04-01 07:56)
おはようございます!
そうそう、この鳥居はいろんな噂話が
ありましたね!
by Take-Zee (2024-04-01 09:44)
そーなんすよなんで浅田美代子に変わっちゃったのか疑問なんすよ。
それにしても桜遅いよね(^◇^;)
by pn (2024-04-01 13:59)
最初の方の方がお色気があって良かったですね。
鳥居とか御神木どかすこと出来ない所ってあって神秘です。
by コーヒーカップ (2024-04-01 15:51)
「釣りバカ日誌」は漫画も映画も見ましたね。
羽田が舞台だったとは、知らなかったか忘れたか。
by そらへい (2024-04-01 20:15)
当時のアメリカ軍なら絨毯爆撃で更地にしそうだけど
できなかったと・・・。AIWAの看板があったと。
by tai-yama (2024-04-01 23:00)
地元の沼でも進駐軍が神の使いの大白鳥を撃ったとの話が残ってます。他国の宗教的なものに対しては乱暴ですよね
by mau (2024-04-02 00:00)
我が家の周辺にあるソメイヨシノは、今週初めにやっと開花しましたが、あまり気温が上がらないので、今週末はまだ見ごろにならなそうです。
by しのぴん (2024-04-04 05:17)