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空腹こそ最強のクスリ(青木厚著、アスコム) [健康]

空腹こそ最強のクスリ(青木厚著、アスコム)

空腹こそ最強のクスリ(青木厚著、アスコム)をご紹介します。先日記事にした16時間断食、オートファジーについて書かれた「半日断食」の書籍です。「無理なくやせる!」「頭がさえる!」「疲れにくい体になる!」、そして何より健康になるなど興味深い内容が書かれています。



このブログでも、時々ご紹介していた、佐藤のりひろ医師のYouTube動画ですが、短期間のファスティング(断食)が、抗がん剤の副作用が減ったり、がんの治療成績が高まったりるという論文を紹介していました。


これは、修行僧のように長期間断食をスるのではなく、1日とか、限られた時間の断食によって、免疫力がパワーアップするという話です。

すでに、このブログでは、オートファジーといって、16時間断食が、体内の老細胞や悪い細胞をリサイクルして新しい細胞に作り直し、体をリフレッシュする効用をご紹介したことがありましたが、それは健康な人だけでなく、がん治療中も効果を発揮することを、医学論文が裏付けたことになります。


ということで、今回ご紹介する本書『空腹こそ最強のクスリ』(青木厚著、アスコム)は、16時間断食を世に広めたパイオニアであることを標榜しています。

16時間食べることを断つと、「無駄な栄養」を摂取しないだけでなく、細胞内のタンパク質のリサイクルや、病原微生物の排除などを行うといいます。

今や30万部を突破。私も実践中の「16時間断食」について、改めてご紹介します。

1日3食では胃腸や内臓を休ませることができない


本書の結論は明快で、健康に大切なことは、何を食べるかではなく、食べない時間を増やすこと。

睡眠時間を合わせて、1日16時間は食べるな ということです。

この半日断食によって、細胞内の悪いタンパク質や、感染症を引き起こす病原微生物などが排除され、体の細胞がみるみる修復されるという話です。

栄養をたくさんとったほうがいいじゃないか、と思われますか。

食事の後に、疲れを感じたり、眠くなったりしませんか。

本書では、胃や肝臓を働かせることによる疲れのサインかも知れない、と警鐘を乱打しています。

そりゃそうですよね。

口から胃袋に食べ物が運ばれ、胃では1分で3回ぐらい蠕動があるらしいですが、摂取物を溶かしてしまうだけの大量の胃酸を発し、3時間ぐらいで小腸に。

そこから5~8時間かけて栄養を吸収して大腸に。

大腸から肛門までの蠕動は、15時間ぐらいかかるそうです。

つまり、いったん食べ物が入ったら、まる1日は、胃⇒腸が稼働していることになります。

1日3食ですと、睡眠時間8時間を除いて18時間に3回胃の中に食べ物が入るわけですから、そうすると、胃は9時間、小腸や大腸に至っては、24時間動きっぱなしというわけです。

これは激務ですね。

しかも、胃腸の消化吸収だけでなく、消化液を出したり(膵臓や胆のう)、解毒(肝臓)したりする内臓も働き続けるわけです。

胃の疲弊は、胸焼けや胃もたれ、食欲不振につながっていきます。

肌や髪にも悪影響をもたらします。

腸内環境が悪化すると、免疫力も低下します。

さすれば、風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなったり、アレルギーやがんのリスクが高まったり刷るわけです。

そこで、少し休む時間を与えよう、ということです。

とくに、糖質のとりすぎについては、本書は強く止めています。

16時間以上の断食でもっともオートファジーがはたらく


すでにこんにちでは、多くの研究で、断食することで

1.体重・体脂肪の減少につながること
2.糖尿病、悪性腫瘍、心血管疾患の予防に効果的であること

などの効用が、述べられています。

そこで本書は、具体的に1日16時間以上の空腹を作ると、最大限の効果が得られるとしています。

最大限の効果とは、具体的にはオートファジーというリサイクルの機能です。

詳細は本書をご覧いただくとして、16時間の断食は、

内臓の疲れがとれて、内臓機能が高まる。
腸内環境が改善されて免疫力もアップする。
血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促されることで血管障害が改善される。
脂肪は分解され、ダイエツト効果がある。
細胞が生まれ変わることで、疲労、体の不調、老化の進行などが改善される。

といった効果を期待できます。

無理なく、ストレスなく、病気を遠ざける


本書は、たんに机上の仮説をぶちあげているのではありません。

本書の著者、青木厚さんのプロフィールにはこう書かれています。
糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病が専門。糖尿病の治療に本書の食事術を取りいれ、インスリン離脱やクスリを使わない治療に成功するなど成果を挙げている。 自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践してがんの再発を防いでいる。

ご自身が、40歳のとき舌がんになり、「無理なく、ストレスなく、病気を遠ざける」には、どうすればよいのか、必死に考えたそうです。

その結果、命がけでたどりついたのが、16時間断食という、空腹の力を活用する食事法だったといいます。

何を食べるか、という健康法ですと、それを買ったり、料理したり、決まった時間に決まった量を食べたりなどしなければなりませんが、オートファジーは、とにかく食べなければいいのです。

これは実にシンプルで明快な健康法です。

といっても、「食べない」のはあくまで時間だけであり、食べるときの制限はありません。

つまり、食べない時間を16時間作れれば、それ以外の食事の時間では何を食べても良い、と著者は述べています。


私の場合は、先日の記事で書いたように、朝食はいただきません。

もちろん、これは基本的に、運動をほとんどしない人の食事法であり、運動選手のようにたくさんの栄養が必要な人には適応外です。

もとより、体質に合う合わないもあるので、その見定めも必要です。

ということで、どこか不調や既往症のある方は試みてみませんか。

「空腹」こそ最強のクスリ - 青木 厚
「空腹」こそ最強のクスリ - 青木 厚
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赤面症

昼を抜くと、朝晩で12時間空きますね
あとはいつがいいかな(´・ω・`)
by 赤面症 (2024-03-25 01:15) 

我流麺童

イスラム圏のラマダンは健康にも良いのでしょうかね?
でも、夜になると結構な量の食事と甘いものも食べてるらしいからどんなものやら???
by 我流麺童 (2024-03-25 06:16) 

mm

おはようございます^^
未だ結構食いしん坊なわたくしにはちょっと無理みたい。
でも健康だからま、良いか(^^ゞ
by mm (2024-03-25 06:44) 

夏炉冬扇

小さな手助けかなぁ、と思って買いました。
by 夏炉冬扇 (2024-03-25 07:37) 

Take-Zee

おはようございます!
ケージの中のニワトリのように3食きちんと
食べてます (^_^)!

by Take-Zee (2024-03-25 08:18) 

pn

仕事辞めたらこれやろうと思ってます(^ν^)
by pn (2024-03-25 11:54) 

ムサシママ

そうなんですか~(-_-)
3食バッチリ食べおやつを食べているので問題外ですね
内臓の事なんか考えたこともありませんでした
今の所、健康です。多分。そうだと良いですが。
by ムサシママ (2024-03-25 16:38) 

コーヒーカップ

試してみようかな。
少し良くなるかもしれないので。
by コーヒーカップ (2024-03-25 16:56) 

猫またぎ

毎日3食食べています。
空腹になると全然身体力がはいりません。
朝雨が降らなければ1時間20分散歩してから
朝食をたべます。
血圧は30代くらいから投薬治療しています。
でも、いつも元気です。

by 猫またぎ (2024-03-25 17:55) 

そらへい

空腹は一番のごちそうと聞いたことがありますが
一番の薬なんですね。
確かに、いつも満たされているお腹
たまに刺激を与えてやるのもいいかもしれませんね。
by そらへい (2024-03-25 19:07) 

ぷち

好きなものを好きなだけ好きな時に食べるのが最高なんですが、
朝プロテイン置き換えからやってみよっかな。

by ぷち (2024-03-25 19:13) 

tai-yama

私の場合は金が無いので一日2食もしくは1食になった
と(笑)。1日3食は食べ過ぎだと思うこの頃。
by tai-yama (2024-03-25 22:51) 

ミケシマ

夕食から次の日のブランチまで13時間ほど空きます。
1日2回、大量の服薬があるわたしには断食は無理かなぁ…
(すごくやってみたいんだけど!)
by ミケシマ (2024-03-25 23:48) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。
>でも、夜になると結構な量の食事と甘いものも食べてるらしいからどんなものやら???
栄養素の総量にもよるでしょうね。
ただ、同じ量を食べるとして、できるだけ長い食間を作ったほうが、体には良いということだと思います。
by いっぷく (2024-03-26 00:04) 

mau

実践されてるとはすごいです。
ついつい間食しちゃう私には無理ですねー
by mau (2024-03-26 00:37) 

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