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池上本門寺の『池上日和』、そして名物の「くずもち」へ [大田区散歩]

池上本門寺の『池上日和』、そして名物の「くずもち」へ

さる3月17日の日曜日。池上本門寺で、『第3回池上日和』という催しがありました。晴天だったので終了間際でしたがちょっと顔を出し、帰りにくず餅の浅野屋へ。池上本門寺界隈は、関東の三大くず餅どころのひとつとして、川崎大師、そして亀戸天神とともに有名です。

本当は、昨日ご紹介しようと思っていましたが、1日遅れてしまいました。

「池上日和」というのは、東京都大田区にある池上本門寺の総門前を中心に開催される新しい定期市です。地元のお店が出店しています。

池上本門寺は、日蓮宗の総本山ですが、地元では信仰を超えて、街の一大ランドマークになっています。

池上日和は、池上地区商店会連合会が主催し、3ヶ月に1度、3月、6月、9月、12月の第3日曜日に行われます。

イベントのコンセプトは、「池上で過ごすのに最高の一日」とされており、地元の商店や住民、来街者が交流し合い、町に賑わいをもたらすことを目指しています。

出店者は様々な商品を提供し、ワークショップや食品、手工芸品などが販売されます。

行くのが遅れて撮影できなかったので、主催者が作った動画をご紹介します。


せっかくですので、池上本門寺についてもう少し書きます。

池上本門寺の催し


池上本門寺は、もう何度もご紹介しましたが、定期的な催しとしては、4月6日のお釈迦様の生誕を祝う『春祭り』、現在はお休みしていますが、毎年3月から6月、そして9月から12月の間の第3日曜日に年8回開催されていた今回の『池上日和』と同じような趣旨の『朝市』、7月中は境内に500個の風鈴を飾る『風鈴市』、そして最大イベントは、毎年10月の日蓮命日に、傘下寺院の檀徒が万灯を担いで商店街を練り歩く『お会式』などがあります。

万灯練り行列

お子さん4人衆の晴れ姿
お子さん4人衆の晴れ姿、最年少の女の子の脚の踏ん張り方が本格的!

また、日蓮宗を信仰する著名人は多く、力道山の墓があるのは有名ですが、その墓所の隣には、江戸幕府征夷大将軍家となった松平(徳川)家、そこから通路を1つ挟んで、右翼のフィクサー・児玉誉士夫、東声会会長・町井久之、衆議院議員だった大野伴睦、東京スボーツ会長の太刀川家、大映オーナー・永田雅一など、力道山プロレスを支えた、政治、右翼、裏社会、マスコミ関係者の墓群。

町井久之の墓の隣には、女優・栗島すみ子の墓もあります。

重要文化財(国指定)である五重塔のすぐ向かいには、

五重塔

フジテレビプロデューサー、吉本興業東京本社代表として仕事をした横澤彪家の墓があります。

作家・幸田露伴とその家族の墓も、五重塔と道を一つ隔てた場所にあります。

本門寺の子院、本行寺の墓地には、花柳章太郎(青山家)と溝口健二の墓が並んで建てられ、花柳章太郎の墓標に川口松太郎が名を刻んでいます。

池上本門寺には、こうした「墓マイラー」の興趣もあります。

葛の餅ではなかった「くず餅」の関東三大どころ


で、池上本門寺といえば、本門寺そのものではないのですが、もうひとつの名物として、関東の三大くず餅どころです。

川崎大師、亀戸天神、そして池上本門寺の参道にあるお店が有名です。

川崎大師は、参道の仲見世通りに何店かありますが、もっともお寺にちかい大正6年創業の「住吉」が有名ですね。

動物や星の形に切り取った久寿餅
動物や星の形に切り取った久寿餅が子どもに人気です。

梅干つきお汁粉
お汁粉もあります。梅干つきが特徴なのかな。

同店では、「くずもち」を「久寿餅」と表記しています。

池上も本門寺は、駅までの道に池田屋、藤乃家、浅野屋という3店があり、私が子供の頃から馴染みがあるのが、駅に最もちかい浅野屋というお店です。


亀戸天神の船橋屋は創業206年目。芥川龍之介や永井荷風、吉川英治ら文化人も愛した元祖くず餅を提供している東京・亀戸天神参道の名店です。

池上各店と船橋屋は、「くず餅」と表記しています。

つまり、「関東の三大くず餅どころ」は、いずれも「くずもち」と名乗りながら「葛餅」ではなく、「くず餅」もしくは「久寿餅」という商品名なのです。

これは、原材料が「葛」ではないからです。

つまり「葛の餅」ではないのです。

小麦粉を練って水にさらすと、でんぷんと植物性たんぱく質であるグルテンに分けることができます。

そのでんぷんが「小麦でん粉」といわれるものです。

そして、小麦でんぷんを1年貯蔵し、蒸し固めて作ったのが、「久寿餅」もしくは「くず餅」だそうです。

小麦でん粉は、たとえばジャガイモのでんぷんに比べて、離水が少ない(吸水性がいい)ので、ソフトな食感の生菓子である「くずもち」を作りやすい材質なのだといわれています。

現在では、読んで字の如くの本葛由来の「くずもち」を売っているのは、関西以西の一部の地方だけで、もはや「くずもち」イコール「小麦澱粉餅」といってもいいほどだそうです。

私は、小さい頃から、もう何度も、川崎大師と池上本門寺はお参りに行きましたし、池上本門寺に至っては、現在も96段の階段を、1日1回は往復して体ほぐしに利用させていただいています。

ですから、すっかり「くずもち」の地元民気取りでしたが、「本物」の「葛の餅」ではなかったんですね。

くず餅はお好きですか。

首都圏にお住いの方、遠方の方でも東京に来られた際は、ぜひ池上本門寺と界隈にお寄りください。

ご近所体験 大田区観光ガイド - 西村敏康
ご近所体験 大田区観光ガイド - 西村敏康
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赤面症

本来の「葛」がどういうものかもわからないのですが(^_^;)
by 赤面症 (2024-03-19 01:09) 

我流麺童

葛の根から澱粉を取り出すために何回も水に浸しては洗うので水が綺麗で豊かな場所でないと本葛粉はできないですね
by 我流麺童 (2024-03-19 06:22) 

pn

え?葛はもしかして高級品?ひらがな表記のくず餅は俺に優しくしてくれていると思ってたが材料の都合かぁ(笑)
by pn (2024-03-19 06:23) 

mm

池上本門寺、一度行きたいと思いながらまだ一度も行っていません。
片栗粉もそうですが、葛にしても本物はなかなか手に入らないですかね。
吉野葛が有名ですが、吉野辺りで一度食べてみたいです^^
by mm (2024-03-19 06:56) 

Take-Zee

おはようございます!
私たちは”くず餅”といえば川崎大師さんです。

by Take-Zee (2024-03-19 07:36) 

AKAZUKIN

有名な方々のお墓があるところなんですねー
by AKAZUKIN (2024-03-19 12:06) 

ムサシママ

有名人の方が多く眠っていらっしゃるんですね
中には怪しい人のお名前も見受けられます
大野伴睦は無理に岐阜羽島駅を作った人ですね
積雪のある場所に遠回りをさせて新幹線が徐行していた記憶があります
乗降客は殆どいないのに。
よくスキーに行っていたので被害者です
by ムサシママ (2024-03-19 16:10) 

tochimochi

くず餅は葛ではなくて小麦でんぷんだったのですか。
目から鱗でした。
のど越しがつるんとして好きなスイーツです。
by tochimochi (2024-03-19 17:20) 

猫またぎ

池上本門寺は残念ながら訪問していません。
くず餅は亀戸天神の船橋屋ですね。
本葛の葛餅知っていますが、
食べた事ありません、
by 猫またぎ (2024-03-19 17:26) 

コーヒーカップ

くずもち良いですね
お汁粉もおいしそうで、お茶と頂きたいです。
東京の良さを感じます。
行く機会があったら寄ってみたいです。
東京に行くと、もう駅で迷うので案内が居ないと移動できません。
by コーヒーカップ (2024-03-19 18:26) 

tai-yama

本来の「葛」ですと、日持ちしないと言う弱点も。
裏社会の方々のお墓もあるとは・・・

by tai-yama (2024-03-19 22:47) 

SWEET

小学校の写生大会で池上本門寺に行きました。
力道山のお墓を描いたのですが、何人かは像を写生していたのを気付かず。
お墓を描いたのは、私だけでした。
子供の頃は、くずもちの美味しさがわかっていませんでしたが。
今は大好きです。
by SWEET (2024-03-19 22:54) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

>吉野辺りで一度食べてみたいです^^
そうですね。私も未経験なので、ぜひ食べてみたいです。

>子供の頃は、くずもちの美味しさがわかっていませんでしたが。
>今は大好きです。
私の子供の頃は、少食かつ偏食だったのですが、のどごしの良いくずもちは、よく口にしておりました。
by いっぷく (2024-03-20 01:05) 

mau

型抜きしてあるくず餅は初めて拝見しました。可愛いですね
by mau (2024-03-20 01:17) 

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