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なぜあなたの英語はカタカナに聞こえるのか?(渡辺真子著) [生活]

なぜあなたの英語はカタカナに聞こえるのか?(渡辺真子著)

なぜあなたの英語はカタカナに聞こえるのか?: 日本人は発音ではなく「発声」を学べ!(渡辺真子著)という書籍をご紹介します。英語の発声に着目したレクチャー本です。「英語学習にかけた時間は20年以上、費用は留学を含め3千万を超える」著者の指摘は、「なるほど」と膝を打ちます。

渡辺真子さんの書籍は、いきなりタイトルが惹きつけます。

ははは。そうだよな、カタカナだよな、と思いましたもの。

中学1年の英語の教科書に出てきますね。

Come here Andy.(こっちにおいで アンディ)

この文章を覚えるために、あなたはどうしていましたか。

私は正直、原則ローマ字的読みを採用していました(笑)

そこで、「Come here」を「コメヘレ」と読んで覚えたわけです。

もちろん、「Come here」のことを「コメヘレ」と言っても通じません。

といっても、「コメヘレ」ならダメだが、「カムヒヤ」ならいいというわけではありません。

そもそも、英語の発音をローマ字で表現するものではないのです。

ネイティブの発音をしっかり学びましょう。

ここまではわかります。

では、発音さえちゃんとすればいいのか。

そもそも発音はどのような発声によるものなのか。

だって、いくら発音をヒヤリングして自分で真似しても、なかなかマスターできないですよね。

巷間、英語は発音が大事たと唱える書籍は山ほどありますが、それはいかなる発声によるものなのか、というところまでは解説していません。

ま、舌を下の歯の裏につけろとか、その程度ですね。

でも、そのとおりやってもできないのです。

長嶋茂雄さんが、「アメリカの子どもたちは英語が上手いなあ」と言った話は笑えますが、実際、アメリカ人なら子供でも話せるのに、日本人は大学まで英語の科目があるのにコメヘレ英語をやっている。

アメリカ人しか話せないから英語なのか。

いや、日本人の血が流れている日系人だって普通に話してるし……。

では、いったい何が足りないの?

実は、英語と日本語の根本的な違いは、そもそも発声にあるのだ、というのが、本書の内容です。

子音のみ発音+意味のまとまりを一気に+アクセント


著者の渡辺真子さんは、アメリカの大学を卒業後、通訳・翻訳者、英語講師、英語アシスタントなど、英語を活かしたさまざまな仕事を経験したスピーキングのオーソリティー。

英語学習にかけた時間は20年以上、留学を含め3千万を超えるといいます。
「英語をもっと上手く話せるようになりたい」「ネイティブの早口英語が聞き取れるようになりたい」「ネイティブと対等に議論できるようになりたい」それであれば発音ではなく「発声」から始めてください。

「発音」ではなく「発声」に着目しているところが新機軸です。

日本語と英語は、文法が違います。

発音も違います。

加えて、「発声」がそもそも違っているというのです。

日本語と英語は、ここが違うといいます。

喉の奥の広がり
舌の状態
喉の状態
息の出し方
バック音とフロント音
息継ぎ

ですから、いくら発音のレクチャーを受けても、それだけでネイティブな英語を話せるようにはならないというわけです。

著者によると、日本人の英語が伝わらないのは、大まかに2つの理由が考えられるといいます

1.単語を1つ1つ、区切って言ったから
2.単語の1つ1つを、同じ強さで言ったから

しかし、ネイティブ英語はそうではない。

ネイティブは、日本語のように母音と子音を同等に発音せず、子音しか発音しない。

そして、意味のまとまりを一気に話し、意味を持つ単語にストレス(強勢)を置いて強く高く言い、日本語の「てにをは」に当たる部分を弱く言うことで、本当の話し言葉の英語になるというのです。

思い当たるイントロ部分


私は、そんなに洋楽は詳しくありませんが、数少ないご贔屓のグループにスリー・ディグリーズがいます。

で、彼女たちの持ち歌の歌詞を見て、そのとおりに歌おうとしても一致しないのです。

公認ページからの孫引きになります。


『A WOMAN IN LOVE - THE THREE DEGREES 』(1978)(https://youtu.be/J5QcRuLEI4U @YouTubeより)のイントロの部分、頑張っても「イッツァ、セイムドゥ、ストーリー」としか聴き取れないのですが、正しくは「It's the same old story」なんです。

「オールド」の「オー」が隠れちゃってるんです。

子音しか発音しないという本書の著者の指摘どおりです。

英語の挫折は、文法をマスターするのも大変ですが、やはりこのリスニングが大きな原因になっていますね。

その意味では、本書の指摘はまさに目からウロコの思いです。

英語、そりゃ、できるようになれるならそうなりたい、と思われますか。

そんな方に、ご一読をお勧めします。

なぜあなたの英語はカタカナに聞こえるのか?: 日本人は発音ではなく「発声」を学べ! - 渡辺真子
なぜあなたの英語はカタカナに聞こえるのか?: 日本人は発音ではなく「発声」を学べ! - 渡辺真子
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赤面症

タイトルでいきなり笑いました\(^o^)/
by 赤面症 (2024-02-18 01:11) 

mm

語学は苦手です。そのことに気づかず随分わたくしも英語に無駄な時間を費やしました。
アメリカの短大に通っている時、歴史の教授が「ポーリー」と言う言葉を何度も言います。わたくし(うん?)意味が取れません。
何度目かでやっとそれが「ナポレオン」のことだと解しました。
日本語でナポレオン、米語だと「ポーリー」と聞こえてくるのです。
by mm (2024-02-18 07:48) 

Take-Zee

おはようございます!
英語は6年以上も学んだはずなのに聞き取れないし
話せもできません。
 
by Take-Zee (2024-02-18 08:21) 

pn

中学の英語の成績10段階で1取ってるので何も言えませんが単語が消えるシステム(笑)が判明しただけでもなんか嬉しいf^_^;
by pn (2024-02-18 09:34) 

プー太の父

覚えないし面白くない英語の授業が6年間も続きましたが
この本は英語を覚えれない本質をついてるようですね(^^
昔若い頃でしたが、長距離電車の中でドイツ人の旅行者と
英単語の辞書を見ながらあれこれ会話する機会があり
ましたが、苦労しながらもお互い言いたいことが結構
通じたので6年間もつまらない勉強するよりも直接
外人さんと興味を持って接するのが一番かなと思いました。
会話とは言えませんが気持ちの通じるのが嬉しかったです。
by プー太の父 (2024-02-18 14:16) 

beny

 ある人がアメリカのレストランでmilkをミルクと注文したが一向に通じず、隣の外国人のようにメウと発したらすぐに通じたの事。習うより慣れる方が大事かなと。
by beny (2024-02-18 17:35) 

猫またぎ

日本語をマスターできていないのに、
英語などマスターするのはとても無理です。
日本に住んでいるので、
英語できなくても問題なく生活できます。


by 猫またぎ (2024-02-18 17:51) 

コーヒーカップ

留学して生活するのが、一番早道なのかもしれませんね。
ただ随分お金かかるようですが。
by コーヒーカップ (2024-02-18 18:57) 

ライス

こんばんは。
仕事で英語で電話や会議することもありましたが、
アジア系やドイツの人は丁寧な発音で聞き取りやすく、
北米系は全然聞き取りにくく苦労しました(汗)
発音以前に単語を覚えるのが苦手なので、
基礎の英語と漢字で会話が成立した台湾の人が楽でした。
by ライス (2024-02-18 19:31) 

tai-yama

アメリカ人の日本語発音はおかしいとも言えたり。
その内、スマホが自動翻訳して代わりにしゃべって
くれる時代になる気もしたり・・・・
by tai-yama (2024-02-18 22:45) 

mau

発声、もっとハードルが上がった気がします
by mau (2024-02-18 23:15) 

そらへい

何かの予兆ではないかと、心配の種が増えてしまいそうです。
by そらへい (2024-02-19 18:57) 

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