あやしい求人広告、応募したらこうなった。(多田文明著、文庫ぎんが堂) [社会]

あやしい求人広告、応募したらこうなった。(多田文明著、文庫ぎんが堂)をご紹介します。実体験による「ビジネスのカラクリ」をルポしています。着ぐるみバイトや芸能オーディションなどに応募して実態を暴露。人気バイトの裏側「実体験」ルポ、というサブタイトルがついています。

Facebookで、「知り合いかも」と、友だちになることを勧める欄がありますよね。
あそこに、なぜか本書の著者、多田文明さんが出てくるのです。
面識もないのに、なんか捨て置けなくて、つい本書を読んでしまいました(笑)
テレビ・ラジオで話題のキャッチセールス評論家・多田文明さんが、取材とあわよくば実益を兼ねて、「おいしい仕事」に自分から応募して、あえて罠にハマった話です。
報酬を得るための応募なのに逆にカネを出す
著者が応募した仕事を列挙してみます。
軽作業、警備員、マンション清掃員、行政書士補助作業、チラシ配り、着ぐるみバイト、芸能エキストラ、コールセンター、ファーストフード店……などです。
どれも見たことある「求人」ですよね。
「チラシ配り」までは、定年後の第二の人生であり得る仕事です。
でも結構きついですね。
それ以降は、本書の眼目である「怪しい求人」でした。
少しネタバレ御免させていただきますが、たとえば、着ぐるみバイトですが、重い着ぐるみ自体、着続けることは大変です。
しかも著者のしごと場はパチンコ店。
パチンコで負けた客から、「殴っていい?」なんて言われるそうです。
著者は殴られなかったようですが、そうやって聞いてくるうちは良い方で、問答無用で殴ってくる客もいそうですよね。
それでも、広告の内容よりも仕事がきつかった、というだけなら、まだましです。
著者は、「ただでさえお金に困っている求職者から、なけなしの金をかすめ取ろうとする悪徳業者」を経験しているのです。
仕事ですから、働いてお金を稼ぐわけですよね。
ところが、稼ぐために応募したのに、逆にお金をとられてしまうのです。
オーディション商法と言って、芸能エキストラに応募すると、オーディションが必要だから、レッスンが必要だからといって金を取るというのです。
私は、多田さんより少しだけ歳上なので、このくだりを読んだとき、芸能界のロッキード「大原みどり事件」を思い出してしまいました。
大原みどり
— ねひつじ (@nehitsuji) August 1, 2022
黒いピーナツ・芸能界版ロッキード事件(昭和51・3・12) pic.twitter.com/FTsiAb9Q8B
歌手として売り出してやっからといって、どんどん金を搾り取られたわけです。
それが莫大な額になったので社会的な問題になりましたが、たぶん大なり小なりあるんじゃないかな。
事務所を渡り歩いて仕事しまくったのは昔の話か
本書の中で、私が一番興味深かったのは、「芸能エキストラ」です。
多田文明さんは、エキストラのベテランだそうですが、私もヤッてましたね。
1980年代です。
媒体は忘れましたが、新聞の折込広告のモデルなどを登録する事務所が、その始まりでした。
そこで最初に来た仕事が、『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』という映画のエキストラでした。

その時は、食堂で飯を食う労働者役だったんですが、一緒に食っていた役の男性に、「この仕事をするんなら、専門の事務所の方がいいよ、一緒にやろうよ」と言われて、クロキプロというところを紹介してもらいました。
私はその頃、結核の病み上がりでブラブラしていたので、平日でも仕事を受けていたため、事務所も信用してくれて、台詞もある端役の仕事もすぐに来るようになったのです。
上の『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』では3役で3場面出ていますが、新聞記者の役のときは、財津一郎さんからやりとりの「打ち合わせ」を持ちかけられる小芝居もありました。
私自身も仕事に慣れてきて、端役なりに芝居の「間」もわかってきたりして(笑)、だんだん欲が出てきたのです。
クロキプロは、調布の日活撮影所の近くにあったのですが、映画の仕事が多かったので、「今度はテレビドラマも出たいな」と思い、白鳥座という劇団に自分を売り込んで入れてもらい、主にTBSの緑山スタジオで撮影するドラマにずいぶん呼ばれるようになりました。
当時の白鳥座の運営事務所は、「わらべ」という3人組の「たまえ」が稼ぎ頭でしたね。覚えてますか。
#わらべ #メンバー名
— 鈴木敦 (@zcr6unjr9hj3dvm) August 24, 2020
『のぞみ・かなえ・たまえ』 pic.twitter.com/C8gl5DAkbo
彼女たちは3人とも事務所は別だったんですよ。『欽どこ』のオーディションで選ばれた人たちですから。
子供の頃、父親に連れられて映画館で見た『喜劇駅前シリーズ』のヒロインだった大空眞弓さんと、橋田壽賀子ドラマ『ああ家族』のあるシーンで「共演」できたのは嬉しかったですね。

↑左から山口崇さん、大空眞弓さん、私、ベンガルさん
スタッフに顔を覚えられると、ADから「明日空いてない?」とか聞かれるんですよ。
正直、え、私ごときにスケジュールの確認なんてするの?と思ってびっくりしてしまい、どう答えていいかわからないでいると、「事務所に聞いてみないとわからないよね」と、逆に向こうから収めてくれたりしてね。
「事務所にスケジュール確認」なんて、芸能人になった気分でね、なんか嬉しくて(笑)
昨今、BS、CS、DVDなどで、過去のテレビドラマ見ていると、同じ事務所で一緒にヤッていた人が結構でているので、懐かしい再会をするような気持ちで見ています。
このように、いい思い出しか無いのですが、本書を見ると、もうそういうことはないのかもしれないですね。
どことはいいませんが、「シニアタレント募集」のコピーにつられて応募しても、オーディション代とかとられて、それでいて仕事は来ない、というようなめにあいそうです。
私はそうした事務所にいた頃、もちろんそんなお金は一銭も払わなかったですから。
私は、いい時代に仕事ができたのかもしれませんね。
本書の結論は、おいしい話には気をつけよう、ということです。
そのための情報として、本書を読まれることをおすすめします。

あやしい求人広告、応募したらこうなった。 人気バイトの裏側「実体験」ルポ (文庫ぎんが堂) - 多田文明
マンション清掃員とチラシ配りは敵対してると思うよ、チラシを入れられなければ清掃員としては仕事が一つ減るので楽になる。って言うか入ってたチラシをそこら辺に捨てる住人が一番悪いか(笑)
by pn (2024-02-15 06:23)
おはようございます!
昨日は小田原フラワーパークまで1日がかりで
出掛けていました。 訪問出来ずにすみませんでした!
梅ももう終盤戦の様相でした、春が早いです・・・
by Take-Zee (2024-02-15 08:33)
ああ~のぞみ・かなえ・たまえ知ってますよ、大好きでした。
そうだったんですか、目の前に居たとは(^_-)。
by お散歩爺 (2024-02-15 09:17)
そんなお仕事をされていたなんて
いっぷくさんの知られざる?一面が見えてびっくりです
大空眞弓さんはお奇麗な女優さんでしたね
怪しい仕事は巷に溢れていそうです
ヤミばいとなども社会問題化していますね
by ムサシママ (2024-02-15 11:31)
駅前シリーズの大空真弓さんはマドンナ的役柄でしたね。先日徹子の部屋に出ていてその変貌ぶりに驚きました。結構男性的な気質だったようです。
by 扶侶夢 (2024-02-15 12:21)
高校生のころ(s62年頃)同級生が映画ゴジラのエキストラのバイトで映画デビューしと自慢していました。
普通にアルバイト情報誌から応募したらしいのですが自衛隊員の格好をさせられて富士山の見える空き地でみんなで逃げ惑ったそうです。ちょっと当時は羨ましかったです。
by 青い森のヨッチン (2024-02-15 18:30)
芸能界のお仕事
なんか夢のようです。
怪しい仕事っていぱいあって
少しでもって思ってしまい引っ掛かりそうです。
by コーヒーカップ (2024-02-15 18:47)
のぞみは「積み木くずし」のたばこを吸う役で・・・
わらべは(キャンディーズに近いぐらい)すごい人気
だったのに。
by tai-yama (2024-02-15 23:06)
シニア声優の広告見ましたが、そっくりな感じでした!
by mau (2024-02-16 00:52)