松本人志報道で確認できるマスコミの「ビジネスモデル」とは [マスコミ]

あいかわらず、松本人志報道でネットはかまびすしいですが、裁判官でも弁護士でもないくせに裁判の予想や、現場にいたわけでもないくせに、それがあったのなかったのと、テレビにしろネットにしろ岡目八目ばかり立派で、本質をはずした、やくたいもない議論に興奮しているのは閉口します。
とくに、松本信者のムキになっている週刊誌憎悪には興ざめなのですが、これも元はといえば、メディアがまともなコメンテーターに解説をさせず、利害関係のある吉本芸人や、文春に叩かれて文春が憎くて仕方ない元宮崎県知事や、元ライブドア社長らに話を聞くからややこしくなるのです。
そんな中で、興味深い話題を見ました。
モーニングショーで、こういう話題になったというのです。
「ゴシップ記事は週刊誌の書き得だから、どうせ火のないところに煙をたたせて事件をでっちあげているのだろう」
週刊誌の書き得論争 玉川徹氏は「結局は信頼」報道の世界で「最初からデタラメ、見た事ない」/芸能/デイリースポーツ online https://t.co/jxgZul8xfc @Daily_Online 松本信者は文藝春秋社の「マルコポーロ」も知らいないんだな。タレントだけでなくメディアもスポンサーの信頼で成り立っている。
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) January 25, 2024
コメンテーターの玉川徹さんはそれに対して、「そんなことしたらメディアとして信用を失う。『書き得』なんてありえない」と反論しています。
玉川さんのおっしゃるとおりなのです。
松本信者よ、言うに事欠いて、大概にしろよ。
ジャニーズ問題、木原官房副長官報道、桶川のストーカー事件……
これ、全部真実でしょう。
文春が率先して記事にしたことで、最初は動かなかった既存のマスコミや警察が動いたじゃないですか。
この件で、私が気になったのは、松本信者に限らず、メディアのビジネスの仕組みを、もしかしたら多くの国民がわかっていないんじゃないか、ということです。
出版社だって広告収入が柱なのです
モーニングショーで言う「書き得」というのは、文春が今回の報道で完売した、という話を知ったからでしょう。
今回の報道で、文春が完売になり2億円売り上げた。
裁判をしても負けても何十万、何百万だ。
だから、訴えられても書いたもの勝ちなのだと。
デタラメ承知で書くのだと。
元宮崎県知事が、口角泡で興奮してそう話している光景には、うんざりしました。
常識のある人はわかると思いますが、2億円は純利益ではなく、おそらくは年に1回もないことです。
号によっては、赤字のこともあります。雑誌の売上なんて水ものです。
一方、あれだけの記事を毎週出すためには、外部ライターを含めて取材記者を3桁は使っています。
従業員は348名。
それだけの人々を食わせていかなければならないのです。
さて、雑誌の売上だけで、出版社の経営が安定的に成り立つと思いますか。
そんなもん、かりにでっち上げの記事を書きまくり、部数を伸ばしたって、たかが知れているでしょう。
では、会社の経営の屋台骨を支えているのはなにか。
広告です。
元請けの出版社は、裏表紙の定期カラー広告掲載なんて、何千万単位の契約でしょう。
以前、同社の「マルコポーロ」という雑誌が、「ガス室による大量虐サツが行なわれていなかった」というホロコーストを否定の記事を掲載したところ、広告主が引き上げたために、雑誌を廃刊しただけでなく、編集長は辞表を書きました。
といっても、「ガス室はなかった」という記事の内容が世間で叩かれたことが問題ではないのです。
広告主が引き上げたから、他の媒体の広告も引き上げられたら困るので、同社は雑誌を潰して担当責任者の首を切ったのです。
世間に叩かれて、部数が減っただけでは、ただちに廃刊にはしません。
なにを言いたいかというと、テレビ局にとっては、今回、松本人志が合意でシたのかシないのか、なんて記事の内容なんか実はどうでもいいのです。
スポンサーが、「イメージが悪いから出すな」と、松本人志を切ることを求めたのに従っただけです。
だから、吉本興業は、最初は「事実無根」とイッていたのに、スポンサーが降りると慌てて功労者であるはずの松本さんをあっさり見捨てて、第三者委員会に尋ねています、と態度を変えたのです。
つまり、出版社も、テレビ局も、ラジオ局も、芸能事務所も、実はみんな広告主に生殺与奪を握られているという点では同じなのです。
話を戻すと、玉川さんの言われた「信用」って、そういうことなんです。
事実無根の記事を書いて、売上が増える(かもしれない)メリットより、広告主の信頼を失うデメリットのほうが大きいから、そのまんま元知事が言うような「火のないところに書き得記事を書く」なんて常識的に考えてありえない話なんですよ。
文藝春秋という会社は1923年に創業され、芥川賞や直木賞をはじめとする多くの文芸賞を手がけており、史料的価値のある研究書などはもう数多上梓しています。
たかが一芸人のカストリ記事で、目先の利益を追うようなことをするとは考えにくいのですが、同社が目先のカネに困っているというアングラ情報でもあるのでしょうかね。
週刊誌を憎んで完結する問題なのか
ですから、メディアの目指す本質は「視聴率」とか「部数」そのものではないのです。
それは、スポンサーへのプレゼン材料のひとつでしかありません。
大事なのは、とにかく「広告主の意向」なのです。
たとえば、昔、アントニオ猪木の新日本プロレス中継が土曜の昼間だったことがありますが、しょっちゅうゴルフ中継で潰れるのです。
でも、視聴率は、ゴルフが3%程度、プロレスが7~9%とっていて、数字的にはプロレスを放送スべきなのです。
その真相は、スポンサーから「ゴルフを中継してくれ」という要請があったためといわれています。
では、メディアはもう電通(広告代理店)に頭が上がらないのでしょうか。
そうではない唯一のメディアが、インターネットなのです。
Amazonは、取次店という「出版界の電通」にあたる従来の流通を通さない販売ルートを作りました。
そのために、町の本屋さんは消えてしまいましたが、一方Kindleのように、素人さんでも(電子)書籍が出せるようになったのです。
Googleのアドセンスという広告掲載は、コンテンツを広告(主)のタブーで潰さない仕組みといえます。
もっとも、検索エンジンはGoogleが「神」になってしまった面は否めませんが、SNSはそこからも自由なツールになっています、
今回の一連の出来事は、そうした「マスコミのビジネスモデル」について改めて論考し、その本質を捉えて、今後のマスコミとの付き合い方(番組や記事の捉え方)を考える材料にスべきではないでしょうか。
今回はちょっとむずかしい話を短い字数で詰め込んじゃいましたが、松本信者があまりにも不毛なんでね。
以前の記事の繰り返しになりますが、人間はカネや権力や人気などを得ると、勘違いして驕ってしまうのです。
松本さんもね、「尼リカンドリーム」と自らの成功を呼んだわけです。
尼崎のあんちゃんが成り上がったという意味ですね。
でも、それだけ、世間からは注目される立場になったという自覚が、覚束なかったんじゃないかと私は思います。
たぶん、彼の実態は、人と如才なくコミュニケーションをするのが苦手なタイプなんじゃないでしょうか。だからなかなか人に心を許せず、自分を正してくれる側近もいなかったんじゃないんでしょうか。

マスコミが報じない〝公然の秘密〟 - 大村大次郎
泉谷しげる氏は、ワイドナショーで松本氏に
苦言を呈してました
スッキリしました(・∀・)
by 赤面症 (2024-01-29 01:10)
結局お金
そんな世の中焼け野原になって
原始時代みたいにならないといけないのかもしれません。
by コーヒーカップ (2024-01-29 02:25)
純利益とか知らん人が偉そうな事を言っている訳ですね。
視聴率と言う数字に囚われていると数字しか見なくなるんでしょうかね。
by pn (2024-01-29 06:31)
おはようございます!
松本人志さん、災難ですね~!
by Take-Zee (2024-01-29 08:52)
世の中がお金を中心に複雑になり過ぎています
by ムサシママ (2024-01-29 16:26)
町の本屋は、エキナカという商売形態にやられて
衰退していき、Amazonにとどめを刺されたと。
by tai-yama (2024-01-29 23:13)