細胞が自分を食べるオートファジーの謎(水島昇、PHP研究所) [健康]
『細胞が自分を食べるオートファジーの謎』(水島昇、PHP研究所)は、細胞内のリサイクルの仕組みや病気との関わりを解説しています。今やシンプルな健康法としてトレンドにすらなっているオートファジー。はたしてそれほど万能なのでしょうか。
著者である、医学者・生物学者の水島昇さんは、オートファジーの研究者です。
オートファジーの研究でノーベル賞を獲得した、大隅良典東京工業大学栄誉教授のもとで研究をされているそうです。
オートファジー(Autophagy)といえば、今や年間3000本以上の研究論文が発表される、生物学のテーマがあります。
パーキンソン病など、神経変性疾患にも関係すると言われ、その研究は今、世界中で大きな注目を集めています。
オートファジーとはなんだ
この本のp27に
— とっきー(減量灯) (@danjikilove) January 26, 2024
細胞のリソソーム内において不要になったタンパク質や小器官を脂質で包んで、そしてリソソーム内の酵素によって分解、再利用するシステムを
オートファジーだって書いてあるのですが。初耳。
全身の35億?兆?の細胞内の大半に入ってるリソソームでこの自食作用が発動したら激ヤセする pic.twitter.com/saOM9B3DAP
オートファジーというのは、私たちの細胞の中で起こっている「自食作用」です。
古くなった細胞を新しく生まれ変わらせる、真核生物というジャンルの生物特有の仕組みです。
具体的には、ご飯を食べない、つまり栄養を入れない状態で、このオートファジーは活性化するそうです。
飢餓状態で生きのびるために、細胞の老廃物や細菌などの有害物質、正常な組織など細胞内のタンパク質を回収・分解し、リサイクルして新しいものに作り変える営みです。
するとどうなるのか。
もたらす効果としては、古い細胞が淘汰される細胞の鮮度保持、飢餓時に対応するための栄養確保、分化のための細胞の再構築など。
さらには免疫系としての機能など非常に多彩な役割を果たしています。
リサイクルすることで、体がリフレッシュするわけです。
体内の脳神経以外の細胞は、飢餓によるオートファジーでリサイクルを行うそうです。
胃や腸、肝臓や膵臓などがそうです。
心臓のように、生涯休むことなくはたらいている器官ですら、オートファジーは行われるそうです。
本書では、線虫などの生物が、オートファジー活性化で、長寿になったことも解説されています。
イスラム教では、ラマダンといって、ある一定の時間、断食を行う儀式があります。
栄養を入れないのは、たんなる「信仰のなせるワザ」ではなく、生物学的に断食は可能であり、それどころか細胞をリフレッシュする意義のある行為であることが、オートファジーの発見でわかったわけです。
一方、オートファジーの働きが悪くなると、病気になることが実験で分かっているそうです。
オートファジーが関係するといわれている病気として、神経変性疾患やがん、2型糖尿病、筋萎縮症などが枚挙されています。
オートファジーを行わせるようにすることは、がんの予防に有望ではないかといわれています。
ひとつは、体に炎症を起こす細菌など有害物質を分解し、細胞をリサイクルしてくれること。
もうひとつは、ミトコンドリアというエネルギーを産生する細胞も活性化されるからだそうです。
ミトコンドリア自体は、抗がんに貢献する小器官なのです。
ただ、オートファジーは、「腫瘍の自然発生を抑えている」一方で、「細胞活性化」だから、正常細胞だけでなく、がん細胞を活性化させることもあり得るとも書かれています。
いずれにしても、研究は近年急速に発展してきた分野で、まだまだ未解明な部分が多いことも本書は告白しています。
著者は、「オートファジーがどのような病気の治療にもっとも関連するかは現時点ではわからない。」としています。
16時間「断食」でオートファジーを
最近はファスティング(断食)による健康法が提唱され始め、実際に「食間」の長い人ほど糖尿病のリスクが低いという報告もありますね。
食べないことによる健康法というのは、やはりオートファジーによる効果ではないかと私は思っています。
では、具体的にどれぐらいの断食だと続けられるか、ということですが。私は1日2食で、夕食から次の日の昼食まで16時間あける「16時間断食」を実践しています(20時~翌12時)。つまり朝食を摂らないわけです。
オートファジー、16時間ひたすら我慢して8時間の間におなかいっぱい好きな物食べてるのに2日で1kg減っててゲラゲラワロてる
— 花志詩夜??????? (@Hanashi_Shiyo) January 25, 2024
最初だから減りが早いだけかもしれんけど
でもこれも、365日必ず守れということではなく、スケジュールの関係で昼食を摂れなさそうなときは、朝食は摂っています。夕食が20時以降になってしまうこともあります。
基本は2食ですが、それは「16時間あける」からであり、子供がいるときは(肉まんとか比較的重い)おやつのお相伴をするので、2食の中間に軽食が入る事実上3食ですね。
あまり厳格にして、プレッシャーを掛けると、できなかったときに、一気に挫折まで転落してしまうので、長続きするよう、「なるべく食間はあける」ということだけ心がけて、あとはお釈迦様の教えどおり「中道」の精神で緩やかにヤッています。
いうまでもないことですが、オートファジーがいくら体に良さそうだと言ったって、断食を続けていたらいずれは餓シしてしまいます。
ですから、食べない時間をどこまでも無限に伸ばせるわけではありません。
本書によると、「つまりオートファジーが重要なのはおそらく最初の数日間であろうと推測される。」と書かれています。
まあ「数日」というのは「上限」ということで、やはり「16時間」が自分にはちょうどいいところかなと思っています。
なお、これはあくまでも私の生活サイクルによる個人の話であり、朝食は摂ったほうがいいという報告もありますから、真似しろ、という意味ではありませんので、各自でご判断ください。
ファスティングによる健康法はご存知ですか、実践されている方はいらっしゃいますか。
細胞が自分を食べる オートファジーの謎 (PHPサイエンス・ワールド新書) - 水島 昇
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朝食ではなくて昼食をカットするのもいいかも(・∀・)
by 赤面症 (2024-01-30 01:08)
おはようございます!
オートファジー・・初めて聞きました!
悪さをしないか不安になりますね!
by Take-Zee (2024-01-30 08:17)
健康診断前の断食は効果あるのだろうか?(笑)
by pn (2024-01-30 10:02)
食べないでいると眩暈を起こしそうです。今も眩暈のため体調不良。
by mm (2024-01-30 10:11)
人間の体ってそう簡単に死なないような仕組みがいろいろありますね
飢餓状態になるとケトン体が増えて独特に臭いが体から出るというのも聞いたことがあります。
by 青い森のヨッチン (2024-01-30 14:57)
30年ほど前にバイクで北海道を放浪した時、出来るだけ沢山の観光地を巡る為に走り続けたい(且つ費用を抑えたい)ので食べるのは朝食だけでしたけど、その時は不思議と体調が良かったのを思い出しました。
今から思えばオートファジーだったんですねー。
by Rifle (2024-01-30 16:43)
いい事尽くめと読んでいったら、がん細胞を活性化でガクンと来ました
解明できた頃にはこっちの命は尽きているでしょう
by ムサシママ (2024-01-30 17:05)
オートファージーと言うのを知りませんでした。
確かに、僧侶の断食とか、修行僧の粗食
栄養的にどうかと思いますが
病気になったとはあまり聞きませんね。
by そらへい (2024-01-30 20:55)
食費を抑えるため、平日はほぼ1食/日ですね(笑)。
バイクツーリング中もトイレに行く回数を減らしたい
のでほぼ1食。体に良かったのかー。
by tai-yama (2024-01-30 22:57)
断食の効果はこういう所にあるんですね。
日本でも禅宗などは、断食したりしてますね。
by 風の友 (2024-01-31 00:45)
髪や爪が伸びるのは細胞の働きとしか知らなかったし、老化は細胞の衰えと思っていたので、へぇ~そうなのか、ということばかりでした。ためになりました。
by TaekoLovesParis (2024-01-31 11:31)