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犬塚弘さんの訃報、山田洋次作品や『飛び出せ!青春』を思い出す [懐かし映画・ドラマ]

犬塚弘さんの訃報、山田洋次作品や『飛び出せ!青春』を思い出す

犬塚弘さんの訃報です。1960年代はハナ肇とクレージーキャッツの一員(ベース担当)として活躍しました。70年代以降は俳優としてテレビ・映画に出演。『馬鹿まるだし』『男はつらいよ』など山田洋次作品のほか、舞台にも数多く出演しました。(画像は左最上段が『飛び出せ!青春』右隣が『クレージーメキシコ大作戦』その下が『クレージー作戦 くたばれ!無責任』その下が『クレージー黄金作戦』より)



ハナ肇とクレージーキャッツで唯一人存命だった、犬塚弘さんの訃報です。


1960年代のクレージーキャッツといえば、テレビ、映画に大活躍したジャズバンドです。

が、OGPの山田洋次さんのコメントにもあるように、犬塚弘さんを含めて、メンバーは比較的育ちの良い善人が揃っていたことや、そもそもお笑いが本職ではなかったことから、ピークと言える1960年代を過ぎ、1970年代に入ると、メンバーはクレージーとしての活動に固執せず、個別の活動にシフトしました。

犬塚弘さんは、俳優として山田洋次監督の『馬鹿』シリーズや『男はつらいよ』、数々のテレビドラマなどに出演。


寅さんシリーズの最終回となる『寅次郎紅の花』(1995年)では、リリー(浅丘ルリ子)と彼女を空港まで送る寅次郎(渥美清)をイヤイヤ乗せるタクシーの運転手として出演しました。

クレージー時代から巧い方でしたが、そこでも遠距離を嫌がる素っ気ない素振りを見せながらも、結局はのせてくれる実は気のイイおじさんぶりがにホント巧い演技で、犬塚さんの仕草を見るだけで笑ってしまうシーンでした。


犬塚弘さんは、それだけでなく、舞台俳優として一から出直してみたいと、俳優としてピンで仕事をするようになってからは劇団の入団を希望。

「クレージーキャッツで一斉を風靡したのに(また一からやり直す必要はない)」と、ナベプロの渡辺晋社長にそれは止められたものの、所属事務所はナベプロという大樹から離れ、舞台の仕事に実績を持つ小さな事務所に移籍しました。

晩年は、舞台を中心に活躍しましたが、小さな公演でも、さりげなく植木等さんが見に来ていて、「あそこはこうしたほうがいい」と後で批評をしてくれるのが楽しみだったそうです。仲間っていいもんですね。

飛び出せ!青春


山田洋次監督ではないのですが、私の好きなドラマを再度ご紹介します。

『飛び出せ!青春』第12話は、以前もご紹介しました。


音楽の教育実習生(水沢有美)が来る話です。

今までやる気のなかった生徒たちが、フォークソングを歌ったり、ギターを弾いたりする斬新な授業で、音楽の授業に関心をもつようになります。

河野先生(村野武範)は好意的ですが、本倉先生(酒井和歌子)は懐疑的、江川教頭(穂積隆信)や塚本先生(柳生博)は断固反対。

権限のある音楽教師(犬塚弘)は、オケの指揮者になりそこねたデモシカ教師のため、どうでもいいと思っていますが、長いものに巻かれて一応反対。

しかし、江川教頭(穂積隆信)はこれをテコに、河野先生(村野武範)の処分まで計画していることを知り、本倉先生(酒井和歌子)は態度を変えます。

そして、ガラクタ呼ばわりされていた落ちこぼれの生徒たちが、ギターをうまく弾けるようになったことに感極まった犬塚弘先生は、「音楽とは音を楽しむものなんだ。これが音楽というものなんだ」と、水沢有美先生を一転支持。

自分も諦めず前向きに生きることを決意するストーリーです。

主題歌を歌う、青い三角定規も出演。『太陽がくれた季節』と『青春の旅』を歌っています。

『青春の旅』の最後の2小節は、いつ聴いても胸にぐーっと染み入って前向きな気持になれます。

犬塚弘さんは、本職はベースですが、ギター演奏も絵になっていて、ああ、さすがクレージーキャッツはミュージシャンとして素晴らしかったんだなと思いました。


犬塚弘さんの、生前のご遺徳をお偲び申し上げます。合掌

最後のクレイジー 犬塚弘  ホンダラ一代、ここにあり! - 犬塚 弘, 佐藤 利明
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馬鹿が戦車(タンク)でやって来る - ハナ肇, 岩下志麻, 小沢昭一, 東野英治郎, 山田洋次, 山田洋次
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飄飄として訥訥―クレージーが青春、いまも青春

飄飄として訥訥―クレージーが青春、いまも青春

  • 作者: 犬塚 弘
  • 出版社/メーカー: 労働旬報社
  • 発売日: 2020/03/23
  • メディア: 単行本


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赤面症

合掌
by 赤面症 (2023-10-28 01:11) 

萌田かずきち

飛び出せ青春って、特撮戦隊ヒーロー・バトルフィーバーJのバトルジャパンの谷岡弘規さんが出演されてる作品ですね。
学ラン姿が素敵です(*´ω`*)。
by 萌田かずきち (2023-10-28 04:34) 

いっぷく

>飛び出せ青春って、特撮戦隊ヒーロー・バトルフィーバーJのバトルジャパンの谷岡弘規さんが出演されてる作品ですね。
おっしゃるとおりです!
役名も谷岡でした。
by いっぷく (2023-10-28 05:01) 

pn

ダイゴロウ対ゴリアスにも出てんだ!
by pn (2023-10-28 06:18) 

mm

おはようございます^^
犬塚弘さんって言うとクレイジーキャッツのことくらいしか知らないですが、その中で名前をしっかり覚えているのは、彼がほかに出演されていたから覚えたのかしら。芸能界痴のmmでした^^
by mm (2023-10-28 06:43) 

Take-Zee

おはようございます!
悲しいニュースが続きますね~
これでクレージーキャッツの皆さんみんな
あちらで再結成しているでしょうか・・・
犬塚さんのご冥福をお祈りしたいと思います(ーv-*)!

by Take-Zee (2023-10-28 07:48) 

十円木馬

先日録画保存していた『寅次郎紅の花』を見たばかりで、いっぷくさんの書いている通り、タクシー運転手役の犬塚さんのいぶし銀の演技が心に残ります。
by 十円木馬 (2023-10-28 09:31) 

そらへい

ハナ肇や植木等ほど派手ではないですが
いい味わいのある方でしたね。

by そらへい (2023-10-28 10:13) 

エンジェル

クレージーキャッツは大好きなグループでした。
幼い時は植木等が好きでしたが大人になってからは犬塚弘さんの方が好みのタイプです。
ご冥福をお祈りいたします。
by エンジェル (2023-10-28 13:39) 

drumusuko

これでクレージーキャッツのメンバーすべて天国に行ってしまいましたね~。メンバー全員ジャズ演奏にも素晴らしいものがありました。時代の流れを感じます。
by drumusuko (2023-10-28 13:52) 

tai-yama

ドリフと言い、クレイジーキャッツと言い、
バンドとしても本格的だったんですよね〜。
by tai-yama (2023-10-28 19:03) 

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