解体屋ゲン(漫画/石井さだよし、原作/星野茂樹、電書バト) [文学]
解体屋ゲン(漫画/石井さだよし、原作/星野茂樹、電書バト)は、様々な現場を経験しながら日本一の解体屋を目指す現在も雑誌連載中の物語です。kindleunlimitedでは、全102巻を読み放題リストに公開中。連載中の人気漫画では異例のことです。
解体屋ゲン(漫画/石井さだよし、原作/星野茂樹、電書バト)は、原作が星野茂樹さん、漫画を石井さだよしさんが描き、芳文社発行の週刊漫画誌『週刊漫画TIMES』にて連載中の漫画です。
『週刊漫画TIMES』は、最新号がkindleunlimitedの読み放題リストにあります。
単行本がKindleになり、バックナンバーが読み放題リストに入ることはありますが、本作は全102巻がすべて入っているのが異例のことです。
こういう場合、最初の何巻かだけ読み放題にして、あとは買わせたり、雑誌の連載を読ませたりするものです。
作者、気前良いですね。
ストーリーは、タイトル通り建築物の解体業者の話です。
作る側の話はいろいろありそうですが、解体する側の話というのは、私は初めてだったので、大変新鮮でした。
たぶん、多くの人がそう思っているので、これだけ長く連載が続いているのだと思います。
ちょっと時間はかかりましたが、単行本は読ませていただきました。
一本独鈷の解体屋として奮闘
かつては、世界を股にかけて活躍する爆破解体のエキスパートだった、ゲンこと朝倉巌。
婚約者の事故もありやる気を失い、帰国後は孫請け解体業者「朝倉工務店」として、何となく暮らしていました。
そこへ、大手ゼネコンの三友重機リース社員・大月慶子が持ち込んだ爆破解体の仕事をきっかけに、世界を股にかけて活躍していた爆破解体技師としての情熱を取り戻し、困難な仕事にものぞむようになります。
ビルの林立する都会で、どうやって建物を破壊するのか、というのがよくわかります。
解体屋ゲン。今週は週漫が合併号の為に休みです。なので解体屋のグルメ。今回はジンギスカン。俺はラムじゃなくて癖の強いマトンでも平気。ジンギスカン食べながら飲むビールは最高でしょ!でも、もう少し涼しくなってから食べよう。まだ暑い!#解体屋ゲン pic.twitter.com/dFQmDwCb11
— 石井さだよし (@isshy22) September 20, 2023
もちろん、大手ゼネコンが、名も無い孫請けに発注するのは偶然ではありません。
大月慶子が、朝倉巌の華々しい時代を知り、その技術と経験を信頼したことと、それがなぜ帰国後は孫請け解体業者として細々とくすぶっているのかに興味があったことなどが発注の理由でした。
途中、慶子の尽力で、三友グループの資本が入った新会社「三友爆破株式会社」になったり、他社を吸収合併したりもありましたが、建設業界に根強く残る談合などの因習に囚われない仕事をしたいからと、改めて一本独鈷の解体屋「五友(いつとも)爆破株式会社」として再出発しています。
では、三友重機リースの大月慶子とも縁が切れてしまったのかというと、そちらはまた別で、彼女とは結婚して子供も生まれました。
新婚生活は、ゲンが懇意にしていたオーナーのボロアパート。
しかし、複数の部屋を借りていて、そのひとつは解体技術に関する専門書の書斎になっており、解体屋としての飽くなき情熱は失われていませんでした。
大月慶子は、エリートサラリーマンとの離婚歴がありますが、ゲンこと朝倉巌は、そういう過去のことは内心はどうあれ表向きは目をつぶり相思相愛の関係です。
男女のあり方も議論できる
2人は第一話で出会うわけですが、結婚するのは第15巻です。
いやー、引っ張ってくれました(笑)
というのも、大月慶子はゲンさんの会社に入って、一緒に仕事をするようになるのですが、彼女のことは、元夫、元同僚が狙っていて、元同僚にはプロポーズされても断らないし、元夫とは仕事を請け負って食事までするなど、もしそれが現実なら、潔癖症の私からはちと嫌なタイプの女性です(笑)
大月慶子も、ゲンさんが本当に好きなら、もう少し分別ある行動を取らないといけませんね。
物語中、慶子の父親も、バツイチで歳も取っていて、「もらってくれてありがとうの立場」と言ってましたが、1回失敗している人がお盛んだと、「またかよ」と不安になりますよね。
男女なんて愛だの恋だのいったところで、やはり前提になるのは信頼関係ですから、相手を不安にさせるのは、良いパートナーではないと思います。
すべてがそうだと決めつけるわけではありませんが、仕事をバリバリする女性というのは、たぶんすべてにおいて自分の欲求がすごく強い人ではないかなと思います。
だから、自分に気がある相手が近づくことは、快感なのかな。
たとえ元夫でも、求めてくれるならという潜在意識が働くのでしょう。
仏教でいうと、渇愛という煩悩の一つですね。
「そんなもの、物語として恋の鞘当てを作った方が盛り上がるだけだろ」
と思いますか。
いえいえ、キャラクターというのは、たとえ最初は創作でも、ストーリーを進めていくうちに、自分で転がっていくものなんです。
生命力をもってしまうんですよ。
不思議なものです。
昔の読み物は、男性の方がモテモテだったんですが、昭和の末期、トレンディドラマが流行するあたりから、どちらかというと女性の方が主導権を握るようになってきましたね。
ということで、解体の技術的な話だけでなく、男女のあり方も議論できる奥の深い物語です。
解体屋ゲン 1巻 - 石井 さだよし, 星野 茂樹
よく102巻もストーリーが続きますね
by 赤面症 (2023-09-25 01:09)
断らなかったプロポーズは宙に浮いたままだったらめんどくさい事に(^_^;)
ビル解体は散らかって当然ですが最近の部屋内の改装業養生しねーから共用廊下がすごい事になって掃除大変で。
by pn (2023-09-25 06:25)
おはようございます!
いま、NHKで解体ショーを番組として
放送していますね・・・
by Take-Zee (2023-09-25 08:41)
解体屋という知らない世界を描いているだけでも惹かれますね。そこへ恋愛話も噛んでくると、
つい引き込まれてしまいそうです。
by そらへい (2023-09-25 20:51)
人間関係をクラッシャーする話もできたり(笑)。
解体する建物への思いれとかで話もできそう・・・・
by tai-yama (2023-09-25 23:28)