レ・ミゼラブル(あゝ無情)ジャン・バルジャンとジャベールが警察署長の因縁 [文学]
レ・ミゼラブル(あゝ無情)はロマン主義のフランス文学。『まんがで読破』シリーズとしてバラエティ・アートワークスが漫画化しました。パンを盗んで投獄されたジャン・バルジャンと、ジャベールが警察署長の因縁をヴィクトル・ユーゴーが描きました。
『レ・ミゼラブル』は、『あゝ無情』というタイトルで日本でもお馴染みです。
フランスの作家ビクトル・ユーゴーによって書かれた長編小説です。
物語は19世紀のフランスを舞台にしており、1832年6月5日~6日にかけて発生した、パリ市民による王政打倒の暴動、「パリ蜂起」(6月革命、六月暴動)も物語中に出てきます。
フランス革命後の、社会的不平等と人間の善悪についての物語となっています。
基本のストーリーは、パンを盗んだジャン・バルジャンを追う、ジャベール(牢獄の看守⇒刑事⇒警察署長)の物語です。
ルパン三世と銭形警部の関係を、大映ドラマ仕立てにしたストーリーと表現したら、わかりやすいかもしれません。
発端はパンを盗んだ微罪から
#VIVANT 今週も面白くてあっという間だった!#吉原光夫 さんはジャン・バルジャンだから力持ちなのです??
— ジヌジナ (@Jinwoo_Jinah) August 20, 2023
来年のレミゼも楽しみにしています??
(出ると信じてる??) https://t.co/RyRpOlLFyd
時は1815年の秋。
ディーニュのミリエル司教の司教館に、ジャン・ヴァルジャン46歳が訪れます。
ジャン・ヴァルジャンは、姉の子ども達のために、1本のパンを盗んだ罪と禁猟区で猟をしたした罪で19年も服役していました。
司教は温かく迎え入れてくれましたが、ジャン・ヴァルジャンは司教が大切にしていた銀食器を盗んで逃げてしまいます。
ところが翌朝、彼は憲兵とともに戻ってきます。
「こいつ、盗んだんでしょ。司教様からいただいたと言い張っているんですがね」
ところが、司教は、「ええ、たしかに食器は私が与えました」と言って放免させました。
その上、残りの2本の銀の燭台も彼に差し出し、こう言いました。
「私は、この銀器であなたの魂を悪から買い戻しました。あなたはもう、悪と縁を切ったのです。私はあなたを信じています。正直な人間になるのですよ」
「正直に生きる」という決意をしたジャン・ヴァルジャンですが、今度は誤解から若い煙突掃除の給金を盗んだカドで、また警察に目をつけられます。
かつてジャン・ヴァルジャンの看守だったジャべール刑事は、「犯罪者はどこまでいっても犯罪者だ」と、以後不思議と彼の転居先に転任し、終生追い回します。
その後、ジャン・ヴァルジャンは別の名前を名乗り、銀食器「事件」からたった4年で、何と市長になっていました。
このへんが、さすがに19世紀といえども「それはないだろう」と思うのですが。
しかも、またジャべールと再会するのですが、ジャン・ヴァルジャンは自分から正体を明かして終身徒刑(終身刑)に。しかし、ジャン・ヴァルジャンは脱獄します。
刑事が都合良く転勤したり、ジャン・ヴァルジャンがわざわざ自分で正体を明かしたり、いくら逃亡したからといって窃盗で終身刑になったり、そこから脱獄したりと、現実離れしたストーリーが続きます。
その後も、ジャン・ヴァルジャンの逃亡先に、必ずジャべール刑事は転勤になります。
もちろん、偶然ということになっています。
ジャヴェール刑事は警部になりますが、ジャン・ヴァルジャンを捉える前に、王政打倒を目指す労働者や学生たちによって結成された「共和派」の秘密結社ABCにとらわれてしまいます。
パリでは、共和制を実現しようという勢力(共和派)がいたので、官憲はそれを鎮圧しようとしていました。
ジャヴェール警部は、体制側としてとらわれるのですが、ジャン・ヴァルジャンは、彼らによって柱にくくりつけられたジャヴェール警部を逃してやります。
「何を考えているのだ。なぜ私を殺さないんだ。私を逃したら、またお前を死ぬまで追い続けるぞ」
しかし、ジャン・ヴァルジャンは、「キミは自由だ」と見逃します。
そして、自由になったジャヴェール警部は、予告通りジャン・ヴァルジャンを逮捕しようとします。
ジャン・ヴァルジャンは、市長時代にファンティーヌという女性を里子にしていました。
彼女の娘コゼットは、共和派のマリユスの恋人でした。
ジャン・ヴァルジャンは、彼女のもとにマリユスを送っていくところでした。
「頼む。彼はコゼットの恋人なんだ。私を捕えるかわりに、彼を自由にしてくれ」
さっき助けてもらったからか、ジャヴェール警部も譲歩します。
「よし、わかった。そいつを送ったら、またここに戻ってこい」
バカ正直に戻ってきたジャン・ヴァルジャンに対して、ジャヴェール警部は「なぜ戻ってきた。この私を憎んでいないのか」
「恐れてはいたが、憎んでなどいない」と、ジャン・ヴァルジャン。
「ジャン・ヴァルジャン。キミは自由だ」
ジャヴェール警部は、ジャン・ヴァルジャンにはめていた手錠を自分にはめて、セーヌ河に身を投げました。
フランス版大映ドラマ
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— 赤べコム (@akabecom) May 28, 2022
ジャヴェール警部は、ジャン・バルジャンが正直に戻ってきたというだけで、なんで命まで落とすの?
それまで、あんなにしつこく追ってたじゃないって思いました。
しつこく追い詰めるほどのものかどうかはともかくとして、ジャン・バルジャンに嫌疑があるのは事実なのに、なんで追いかける側が命まで絶つ必要があるのでしょうか。
はっきり述べてしまえば、死なせるのは過剰というか「蛇足」ではないかと。
時代が違うといえばそれまでですが、ストーリー全体がいささか大仰になっている印象がありました。
それだけ、逆境を生き抜く不屈の人生と、スリリングでドラマチックな展開を描きたかったということでしょうね。
ま、やっぱりフランス版大映ドラマです。
ちょっと長い話ですが、原作に関心のある方は読まれてみてはいかがでしょうか。
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エンタメに徹したのかな
by 赤面症 (2023-08-23 01:16)
この話はよく観たっていうか聴いた読んだって感じです。
パンを盗んだところ
お皿を盗んだ話に印象が強かったです。
by コーヒーカップ (2023-08-23 06:15)
銀食器を盗んだジャン・バルジャンに銀の燭台も与える司教の話は
道徳の教科書に出ていました。
本当はもっと長いお話だったんですね。
by starwars2015 (2023-08-23 07:45)
こんな内容だったのか(^◇^;)
by pn (2023-08-23 08:59)
おはようございます!
大昔、中2のとき初恋の人と朗読劇を
みんなの前で演じました (^-^)!
by Take-Zee (2023-08-23 09:04)
永代橋にコメントありがとうございます。
男女七人夏物語はよく知りませんが、
レ・ミゼラブルは子供の頃に、よく読みました。
今の子は、知らないのではないですか。
by kohtyan (2023-08-23 09:56)
フランスは文学にしても映画にしても音楽にしてもご独特な「人間」を感じさせます。
いや、暗さの表現がうまい、と私は思っています。
by HOLDON (2023-08-23 14:31)
数年前にBBC版のTVドラマをNHKで放送していたものを見てから興味が深まり感書籍を何冊買いました。
NHKのドラマサイトではフランス文学の教授による作品解説があり放送回ごとに面白い話が書かれていました。
何時か帝劇でレミゼを見るのがちょっとした夢です。
by 青い森のヨッチン (2023-08-23 14:32)
子供の頃、世界の名作読み物があって
「ああ無常」を読んだ記憶では
ジャンバルジャンが銀食器を盗んだことを告白して
再び牢獄に入れられるところまででした。
NHK放送のBBC版のTVドラマを見て
初めて全体のストーリーを知って驚きました。
by そらへい (2023-08-23 19:49)
「あゝ無情」と言えばアン・ルイス(笑)。
大映ドラマと言えば熱血・根性物ですね〜。
by tai-yama (2023-08-23 23:07)