裏バイトレポート(鈴木キスズ著)グレーゾーンを含む請負仕事 [社会]

裏バイトレポート(鈴木キスズ著)は、「借金四百万円からはじめる裏副業」というサブタイトルが付いたグレーな何でも屋体験記です。定職につかず、大学の奨学金の返済に迫られた著者が、「珍しい仕事」でネット検索してたどり着きました。
『裏バイトレポート: 借金四百万円からはじめる裏副業』は、鈴木キスズさんがKindle版初出で上梓しました。
著者は、母子家庭で貧困家庭。
そして私立大学中退。
恋人も職も貯金もなし。
いわゆるニートで、奨学金(旧育英会)の借金400万円。
著者曰く「人生が詰みそうになった」ので、手を出した「裏バイト」。
著者が言うには、便利屋には3種類あるそうです。
1.完全合法の仕事だけ請け負う便利屋
2.合法・違法の境目の仕事を中心に請け負う便利屋【裏バイト】
3.違法の仕事だけを請け負う便利屋【闇バイト】
著者が選んだのは、そのうちの「2」です。
時給換算では「割がいい」裏バイト
著者は2015年~2018年、夜中の清掃アルバイトと並行して、「裏バイト」として、便利屋エックスという会社の仕事を請けていたといいます。
雇用契約ではなく、仕事があるときだけ発注される請負契約。
Amazonの販売ページでは、具体的に「裏バイト」の概要がわかる第2章の目次が明らかになっています。
手紙を投函するだけのお仕事
文章を手書きに直すお仕事
封書を「手渡す」お仕事
特定の人物に成りすますお仕事
電話で「ある事」を伝えるだけのお仕事
やきもちを焼かせる仕事
「サイン」を貰うだけのお仕事
ひとりで旅行に行くお仕事
座っているだけのお仕事
こういう「求人」、2023年の今も見かけますよね。
Facebookの、メンバーが約1万人の、ある副業紹介グループで、毎日のようにこれらの投稿を見ます。
どんな内容かは、メッセンジャーで教えるからメッセージくれ、と必ず書かれています。
メッセージを出したことはありませんでしたが、本書を読んで、その内容がどういうものかわかりました。
本書にはグレーとありますが、完全にシロのものもありますよ。
たとえば、私が20代の劇団にいた頃、経験した仕事もありました。
仕込み客です。
観客を入れて、拍手とか笑い声を出して盛り上げる番組ありますよね。
バラエティ番組とか、歌番組。
観客は一般に募集して入れているわけではなく、仕込みなんです。
遺品を片付けたり、遺体のあった部屋を清掃(特殊清掃)したりするのも、合法な裏バイトです。
出会い系サイトの「サクラ」も、裏バイトの定番です。
ただ、これは素人考えですが、グレーですよね。
それに、どこまでヤるかにもよりますが、相手が怨みをつのらせストーカーになり、危害を加えられる事件はしばしば発生していますよね。
着ぐるみの仕事も、「立っているだけ」の仕事で裏バイトの一つです。
中は蒸し風呂で大変ですよね。
目次にあった、封書を「手渡す」お仕事というのは、「ほとんどは密告書」だそうです。
「従業員の不正を忠告する手紙」とか、「夫の不倫を奥さまに伝える手紙」とか。
密告しようと思っても、消印とか、何かでアシがついてしまうと心配になりますよね。
そこで、第三者がそれを行うというわけです。密告代行業ですね。
「文章を手書きに直すだけのお仕事」も、密告者が誰かバレないために、密告内容の書き換えをするのだそうです。
どうなんでしょうね。ひと様を手にかけたり、違法薬物を扱ったりはしませんが、密告の内容によっては、法的にまずい場合もあるような気がします。
一方、闇バイトというのは、完全にクロです。
たとえば、特殊詐欺の被害者からの現金・キャッシュカードの受け取り(受け子)や、ATMでの現金の引き出し(出し子)などの「仕事」がそうです。
こういう仕事は、それ自体が犯罪行為であるだけでなく、闇社会との繋がりができてしまうので、嫌ならやめればいいや、と気楽に始めてはならないそうです。
詳しくは、本書をご覧ください。
裏バイトは「闇バイト」とは違うが潮時はある
本書は、裏バイトの探し方、「闇」と「裏」の見分け方なども具体的に教示しています。
そして、もし「裏バイト」ではなく「闇バイト」であるとわかったら、すぐに見切りをつけることを勧めています。
恒常的に仕事があり、1回の報酬が高い。
そのようなバイトは闇バイトと考えて間違いないそうです。
闇バイトの雇用主は、違法行為に手を染める集団なので、脅迫されてもおかしくない。
たとえば、仕事のミスにツケ入れられるおそれがある、と警鐘を乱打しています。
一方、裏バイトは、1回で数千円~数万円。
安定はしていないけれど、通常のバイトよりも、時給換算ではやや割がいい仕事だそうです。
私の若い頃、資格も職能も不問でできる日給のアルバイトというと、製缶工場とか製本工場などのラインに入る作業員でしたが、私はそれが苦手で、正直1日の作業を終えるまでが苦痛でした。
「はやく3時の休憩にならないかな」「早く夜食休憩にならないかな」
なんて、就業中に何十回も、いえ、何百回も時計を見ていました。
体力消耗というより、そのストレスだと思うのですが、何日か働くと必ず熱を出していました。
そういう堪え性のないだめな人間にとって、裏バイトは多くが数分~数時間ぐらいの勝負なので、緊張はしても時間の切り売りを苦痛に感じることはないと思います。
もっとも、グレーゾーンに踏み込む以上、緊張することはあるそうです。
だから、発注元の便利屋エックスが廃業を決めたとき、まだ続ける気なら同業他社を紹介すると社長にいわれても、著者はそれを求めなかったそうです。
ま、潮時、というものもある仕事なんでしょうね。
著者は、たとえば家族のある人なども、裏バイトは勧めていません。
こういう裏バイトの経験はありますか。

裏バイトレポート: 借金四百万円からはじめる裏副業 - 鈴木 キスズ
興味はあっても、いざ求人があると手を出せない気がします
by 赤面症 (2023-07-28 01:05)
メンタル弱いのでこういうバイトはできないですね。
何かあると直ぐヘタレてしまいます。
出来る人ってよっぽどなのかと思います。
by コーヒーカップ (2023-07-28 03:16)
若い頃副業しようと思って説明会に行ったらねずみこうだったのでとっとと逃げた(笑)
by pn (2023-07-28 06:18)
こんにちは!
あまい言葉やうまい話にはご用心!
by Take-Zee (2023-07-28 07:56)
こんにちは♪
コメントいただいていたのに、お返事が遅くなってすみません。
モラタメもモラの商品が昔ほどありませんね。
私は見かけたときにポチッとしているだけです。
お役にたてなくてすみません。
当たるといいですね(^^)
by ふうりん (2023-07-28 10:07)
闇ではなく裏バイトだと都市伝説的なものも多くありますよね
死体洗いなんて大江健三郎の「死者の奢り」で描かれていましたね
裏バイトはSNSで溢れているけど規制が進まないのは取り締まりが追い付かないからなのかなぁ?
最近はキナ臭さを感じ取る臭覚がなさすぎる人が多すぎます
by 青い森のヨッチン (2023-07-28 10:37)
裏バイトもいろいろな種類があるので、驚きましたが、たしかにあるにはあるんですね~。私はやったことがありませんが、世の中には苦労して生活している人もいますので、裏バイトは否定できませんね~。闇バイトは許されませんが、やはり色々な理由があってやらざるを得ないのでしょうね。世の中もっと良い方に変わってほしいです。
by drumusuko (2023-07-28 14:40)