まんが実録業界絶体絶命最悪地獄SP(アンソロジー著、コアマガジン)は、芸能界のヤバい話、タブー、放送禁止などを漫画化しています。『アップダウンクイズ』や『若者たち』など人気番組打ち切りや、『オバケのQ太郎』DVD未発売の真相などに迫ります。
本書『まんが実録業界絶体絶命最悪地獄SP』は、芸能界のヤバい話、タブー、裏話、放送禁止などを漫画にまとめています。
Amazon販売ページには、『死ぬか生きるか!?喰うか喰われるか!? 不道徳ドキュメント芸能界絶望のどん底ルポ漫画大ボリューム収録!』と記載されています。
まさに「大ボリューム収録」です。
そこで、ほんの一部だけ抜粋してご紹介します。
人気番組が打ち切りになった理由
本書は、古今東西の番組打ち切りを漫画でまとめています。
たくさんあるので、「番組サイドの自業自得ではない打ち切り例」をいくつか抜粋してご紹介します。
まず、『(株)世界衝撃映像社』(フジテレビ)は、東日本大震災の影響で打ち切り。
震災以上の衝撃映像はあるわけがないことによる措置。
私の世代では懐かしい『アップダウンクイズ』(毎日放送)は、日航機123便の事故で打ち切り。
イメージと事業の両面で、日本航空の協賛継続が不可能となったため、だそうです。
アップダウンクイズは、正解してゴンドラがも一つずつしか上がれないのに、不正解だと一挙に0になる非情さが、リアル社会を象徴していて、見ていても緊張しました。
我々も、信頼関係を作るのは努力と時間の積み上げが必要ですが、信用を失うのは一瞬ですしね。
一発逆転はなく、コツコツと正解を積み上げた人だけがゴールに近づけるという、シンプルでも高度経済成長時代らしいオーソドックスなコンセプトでした。
まあ、日航がスポンサードどころではないということですから、致し方ないですね。
『少女コマンドー IZUMI』(フジテレビ)は、放送中に大韓航空機事件が発生。
ドラマの過激な復讐が、テロリストを想起させるとして打ち切りに。
『若者たち』(フジテレビ)は、在日朝鮮人問題をテーマにした話を放送しようとしたところ、北朝鮮の漁船が亡命を求めて日本へ密航した「平新艇事件」が発生。
局の上層部は、日韓関係の刺激を避けるため、その回のみ放送中止にするのではなく、ドラマ自体を打ち切りにしました。
テレビトラマ史を語る時に必ず取り沙汰される名作ですが、終わり方は残念だったですね。
封印されたアニメ!!
「記憶に残る様々なアニメが封印される理由とは!?」「視聴者から抗議殺到したアニメなんてんいのに」というサブタイトルが付いた『封印されたアニメ!!』の章。
つまり、制作側が自主規制したか、その番組を楽しむ人達ではない団体やグループからの横やりが入ったということです。
まず最初に登場するのは『オバケのQ太郎』。
このアニメは、オバQの唇と黒い足について、“黒人差別をなくす会”が抗議を行い、増刷が中止されDVD化もまだされていないそうです。
オバケのQ太郎が黒人なんて、私は還暦過ぎて初めて知りました。
私は子供の頃、タイツでもはいているのかと思いました。
幼稚園の頃、男女問わず黒いタイツ履いてましたから。
かりに作者が黒人を連想したとして、「黒人をオバケにするのはけしからん」という根拠であるなら、いったいどんな人種ならいいのか、という疑問は正直あります。
だって、オバQは愛されキャラなのに……。
『巨人の星』では、「日本一の日雇い人夫」がいけなかったようです。
「人夫」は、ネットで調べると普通に検索できますよね。
「日雇い」がいけなかったのかな。
だって、「日雇い」は昔も今も存在しませんか。
日本一とついてもダメなんでしょうか。
なんでも日本一というのは歴史に名が残りますよ。
『妖怪人間ベム』では、主題歌の「早く人間になりた~い」がカット。
えーっ、じゃあ「人の道を外れる」という批判的な指摘も使えませんね。
代わりの表現、つまり対案を示してほしいです。
『らんま1/2』は、幼女連続誘拐殺人事件の影響で、サブタイトルの再考や放送延期がなされ、お色気シーンは格闘シーンに差し替えられたそうです。
事件の影響の方はわかりますが、お色気は駄目で格闘がいいというのは……。
少年視聴者が、お色気を密かに楽しむのは大人への道順で、むしろ健全なことではないでしょうか。
本当のアンパンマン
『アンパンマン』は、子供の人気アニメ番組です。
アニメでは、毎回、アンパンマンがバイキンマンをやっつけるという勧善懲悪ヒーロー物語ですが、やなせたかしさんが描いた原作は、決してそうではありませんでした。
絵本版のアンパンマンは、写実的なにんげんに近い全身像に頭だけがアンパン。
腹をすかせた子供たちを発見しては、献身的に自分の頭(アンパン)を与えているのです。
ストーリーは、戦地の食事もろくにできない子どもたちにアンパンを配っていました。
やなせたかしさん自身の戦争体験に基づき、戦争が続く地域の腹をすかせた人々を救うメッセージが込められていました。
ところが、最後は敵機と間違われて地上から砲撃を受けて消えてしまいます。
やなせたかしさんは、こう語ったといいます・
「本当の正義は、決して格好いいものではないんですよ。そのために必ず自分自身も深く傷つくものなんです」
考えさせられる漫画でした。
国民的人気アニメ『ドラえもん』だって、原作はもっとアクの強い漫画なのです。
創作物というのは、非日常の世界だからこそ、現実では法や道徳に触れるような行為で「攻める」ことができるわけですから、あまりリアルとすり合わせて「あれもだめ、これもだめ」としてしまうのもいかがなものかと私は思うんですけどね。
ほかにも、興味深い漫画ばかりです。
「実はこうだった」的な闇の真実に関心のある方は、ぜひご一読を。
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藤子不二雄作は、まだ人種問題があったような
ジャングル黒べえとか
by 赤面症 (2023-07-19 01:14)
おはようございます!
アップダウンクイズありましたね~!!
トップまで行くとアシスタントが階段登って
レイをかける、その階段途中でチラッと見えるのが
お色気だったんですね。
by Take-Zee (2023-07-19 07:06)
ジャングル黒べえが揉めた話はどっかで聞いたけどまさかのQちゃんとは!ドラえもんも初期はみんなガラ悪かったもんなぁ(笑)
by pn (2023-07-19 07:54)
原作者の意図しない改変はたくさんあるようですね。
世論はやっぱり怖いですから
そうなるんでしょうね。
by コーヒーカップ (2023-07-19 08:25)
オバQが黒人差別?
驚きです。例え黒人がモデルだったとしても
なぜ差別になるのでしょう?
私が幼い頃好きだった「ちびくろサンボ」の絵本も絶版になってしまいましたが、あれも謎です。
by エンジェル (2023-07-19 11:03)
時代と共に、不適切な印象を与える番組は、
下したのでしょうね。
アップダウンクイズは人気番組でした。
遺族にしたら、心象を気づつけることになりますね。
by kohtyan (2023-07-19 11:08)
アップダウンクイズはよく見ていましたね。
しかし、そんな歴史は知りませんでした。
オバQは、白い姿とオバケと言うことから
アメリカのアニメ、オバケのキャスパーを
モチーフにしたのかと思っていました。
by そらへい (2023-07-19 20:17)
大韓航空はどうしても金賢姫に注目が・・・・
ドラえもんもサザエさんも原作通りだと放送できない
回も多数あると言う。
by tai-yama (2023-07-19 23:43)